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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
国の在り方 暗躍編

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第444堀:勇者と魔物?

勇者と魔物?





Side:タイキ 新生ランクス国王 通称勇者王




『勇者王タイキ殿。シェーラから話は聞いた。こちらも、軍を動かして事態の把握に努めている。しかし、タイキ殿の所は、剣の国と場所が近い。下手に調査の為に、兵を分散するのはよくない。こちらから、調査の部隊を送っているから、今は堪えて、防衛に力を入れてくれ。間違っても短気を起こしちゃいけないよ?』


そう、優しく諭してくれるのは、ユキさんの奥さんの一人で、ウサミミロリのシェーラちゃんの兄、ガルツの次期国王、ティークさんだ。


「……はい」


ティークさんの言っていることは正しい。

相手があのクソビッチ姫なら、こっちの嫌がることを確実にやってくるだろうし、兵を分散させて調査すれば、そこを各個撃破してくることは想像できる。


『……つらいだろうが。堪えてくれ。もうすぐ、もうすぐ、編成が終わって、ゲートでそちらに向かわせるから』

「……ありがとうございます」

『君は悪くない。誰もあの姫君がダンジョンマスターの下に逃げ込むとも思わなかったし、ダンジョンマスターの力を持つとは思わなかった。まだ、犠牲がでたと決まったわけでもない』


そう、だ。

落ち着け。

まだ、クソビッチ姫が国民に手を出したと決まったわけじゃない。

ティークさんにはマジで感謝しないといけない。

ユキさんの報告から、考えなしに捜索部隊を送り出すところだった。

だから、落ち着け。

俺が命令を発すれば、ランクスの兵士たちは動き出す。

安易な言葉は言うべきではない。ティークさんの言うように、援軍と協力して動くべきだ。

なにせ、あのクソビッチ姫はダンジョンマスターの力を手に入れた可能性があるからだ。

下手に少数で動かしても、やられてしまう可能性が高い。


「くそっ。てっきり、余所の国へ逃げたと思ったのに」


クソビッチ姫の足取りが追えなくなったのは、てっきり、クソビッチ姫と友諠を結んでいた国々へ逃げたかと思った。

適当に同情を誘うようなことを言って、匿ってもらってると、勝手に思ってた。

追い付けないのも、クソビッチ姫の実情を知らない遠い国へと逃げ込んだと思い込んでいた。


「陛下。確認のための部隊の準備が整いました。いつでも、出発できます」

「陛下。隣国への警告はちゃんとできたようです。早馬で各国から返事が来ております」


そういって部屋に入ってきたのは、俺とコンビを組んでいたルースと宰相のキーノグだ。


「ルース。現在は待機していてくれ。ガルツからの援軍と協力して、村々の確認にあたる」

「はっ!!」

「キーノグ。各国の反応はどうだった?」

「はっ。正直申しまして、どこも驚きの声と共に、防衛体制を整えるといっておりますが、ダンジョンマスターの件を伝えるわけにはいかず、怨恨で攻めてくるとしかいえないので、あまり危機感が足りないかと思われます」


キーノグの言う通り、クソビッチ姫の問題は、剣の国の王に適当に吹き込んで、こちらを攻めようとしているとしか言えない。

ダンジョンマスター云々を言うと、いろいろ問題になりかねないからだ。

危機感が足りないというのは、剣の国はもともと、好戦的な国であったらしく、周りの国はかなり手を焼いていたらしい。

しかし、ここ40年ほどはなぜか静かになっているので、気が緩んでいるという可能性があるということ。

ダンジョンマスターの魔物使役能力と絡めて動けば、かなりの被害になることが予想できる。

幸いなのが、剣の国の隣接国には申し訳ないのだが、ランクスは一国挟んで剣の国があるので、表だって進軍してくるのなら、とてもわかりやすい。

そう、だからまずは周りの安全を確保しないといけない。確実にだ。


「しかし、陛下は思ったよりも冷静ですね」


そう考えているときに、ルースがそう呟いたのが聞こえて頭を上げる。


「そうですな。ますます王者としての風格がでて、爺はうれしく思います。少し前の陛下なら自ら陣頭指揮をとって飛び出していたでしょうから」


そのルースのつぶやきに、俺に色々とこの世界の常識などを丁寧に教えてくれたキーノグが、嬉しそうに返事をしている。

この二人には、俺も本当にお世話になった。

ルースはこの世界での心構え、キーノグはこの世界の知識とどちらも欠かせないものだった。


「状況ぐらい把握して動くよ。昔から、そうだったろう?」

「ええ。昔も、そうでしたが、なんといいますか、昔よりは丸くなったといいいましょうか……」

「そうですな。確かに、陛下は勇者として呼ばれたときから聡明でありましたが、今はより、落ち着いて物事に当たられている感じがいたします」

「あー……」


そういわれると、思い当たることはある。


「多分、ユキさんと、タイゾウさんとかから色々教えてもらったからなー」


ユキさんは言わずもがな、ぶっ飛んでいるし、タイゾウさんもアレだからな。

いや、悪い意味じゃなくていい意味で。


「確かに、ユキ殿との出会いと手ほどきは陛下にとってはいいものでした」

「そうですな。しかし、遠い血縁者であるタイゾウ殿も素晴らしいお方です。まったく、国を背負っていなければ、ぜひとも、陛下の叔父という扱いにして、我が国へ盛大に迎え入れたものを」


そうだ。

2人に出会ったおかげで、独りじゃないと思えたんだ。

こんな理不尽で、ひーひー言っているのは俺だけなのかと内心思っていたけど、同じように頑張っているユキさんやタイゾウさんがいた。

多分、そこに救われたんだと思う。


「そうだな。キーノグの言う通り、俺にとってタイゾウさんは叔父さんみたいなもんだよな。じゃあ、ユキさんは兄貴かな?」

「ははっ、それは素晴らしいですね」

「向かうところ敵なしですな」


そういって笑いあっていると部屋にもう一人入ってきた。


「タイキ様、失礼します」

「アイリ。どうかしたかい?」

「はい。ユキ様の所から、ジョン将軍、ミノちゃん将軍が配下を連れてこちらに到着しました」

「わかったすぐに行く。ルース、一緒に来てくれ。キーノグはここを頼む」

「「はっ!!」」

「アイリはどうする?」

「私も一緒に行きます。私だってお父さんやお母さんの安否は気になるんです」

「……わかった」


アイリの親父さんと母親はいまだに地方の町で宿屋を営んでいる。

もちろん、最初は王城へ来ないかと提案したのだけれど、あっさり断られた。


『ここは俺の城よ!! それを手放せるか。だからよ。タイキ、娘を頼むぜ? あと、この宿の宣伝でもしてくれ』


っていう感じで、護衛の兵士を送るぐらいしかできていないので、結構安否が心配されている。

あの、クソビッチ姫にはいい人質になるだろうからな。

一応、2人の安否の確認には向かわせているけど、アイリもじっとしていられないのだろう。

ジョンやミノちゃんなら、結構簡単に情報仕入れてきそうだし。


しかし、ユキさんが援軍を送るとは言ってたけど、まさか、あの2人がくるとはなー。

ジョンとミノちゃんと言えば、ユキさんの直属の部下で、実力はとびぬけている。

正直な話、俺と互角レベル。銃器使われたら勝ち目ない。

ファンタジーの定番のモンスターの癖に、ユキさんの奥さんたちよりも、現代日本の会話について来られるというオマケつき。

正直な話、よく話し相手や遊び相手をしてもらっている。

簡単にいうと、オタク談義とか、ゲーム対戦とか。

あ、うん。これ必要なことだわ。

俺が丸くなった原因はこの4人にも絶対あるとおもう。

スラきちさんに格ゲーで十連コンボとかされたときは、ダイレクトアタックして喧嘩になったしな。

無論、俺が負けた。ゲームも現実も。

だって仕方ないじゃん? コンボ食らうとストレスたまるし? まさか、スライムに十連コンボとか即死くらうとは思わないじゃん?

いや、仲直りはしたけど、もうスラきちさんと格ゲーはしない。

もっとも、○鉄とかド○ポンとかマリ○パーティーは、リアルファイトによくなるけどな。

そんなことを考えていると、地下にある流通ゲート区画から、ぞろぞろとジョンとミノちゃんが部隊を率いて出てきていた。


「おーい」


俺が声をかけると、2人はこちらに気が付いたのか、部下に指揮を任せて、こちらにやってくる。


「勇者王。ユキ大将の命令でジョン部隊は今からそちらの指揮下に入る」

「同じく、あんちゃんの命令で、ミノちゃん部隊はタイキ君の指揮下にはいるべ」

「ありがとう。じゃ、さっそくこっちへ。俺とルース、アイリを交えていろいろ話したい」


悲しいかな、2人とのんびり話している暇もなければ、ゲームをしている暇もない。

はぁ、クソビッチ姫め、今度こそひっとらえて、尻叩き100回したあと、強制労働に押し込んでやるわ!!

お前の高飛車で我儘な性格には、死刑よりもこういう扱いの方が堪えるだろうからな!!

ユキさんのやり方を間近で見てきた成果よ!!


「……なるほど。ガルツからの援軍を待ってそれから確認に行くってことか」

「それがいいと思うべ。下手に動いても、ダンジョンマスターの力をふるわれて壊滅するのがわかりきってるべ」

「しかし、ジョン殿、ミノちゃん殿。ダンジョンマスターの能力を持ってすれば、数をそろえても意味がないのでは? 大きな落とし穴とかに落とされてしまったりは?」


ルースの言う通り、そういう絡め手に大軍は弱い。

普通なら、そんなことができるわけないのだが、ダンジョンマスターの地形変更能力があれば不可能じゃない。


「そこで俺らが援軍できたわけよ。ほれ、タイキ」


ジョンはそういって、あるものをこちらに放ってよこした。


「おっとっと。これコアだよな?」

「そうだ」

「だべ。それには、ランクス程度の領地ぐらい地上げできるDPが入っているべ。だから……」

「ああ、なるほど。そこで地上げできないところが敵のダンジョン支配下ってことになるのですね」

「そういうこと。今回は放って置くと被害甚大になりそうだし、DPの使用量はかなり予算が下りているから、大丈夫だ」

「これで、すぐに村の安否もわかるべ。ランクスはあのお姫様がいろいろするだろうから、大至急ってことだべよ。まあ、タイキ君の所だから、できるってことだどもな」


信頼してくれているってことだよな。

ユキさん感謝するよ。


「あ、あと、これ。俺たちの装備品な」

「ん。どれどっ……」


ジョンから渡された資料をみて固まった。


「どうしたのですか? なにか問題でも陛下? えーっとこれです……」


ルースも固まった。

当然だ。

最初から、銃器装備で、ロケラン、対空砲など、果ては戦車や地対空ミサイル配備車両まであった。

ルースも俺の知り合いということで、現代兵器群の性能は把握しているから固まっている。

これは……オーバーキルじゃね?

そんな思いを乗せてジョンを見るのだが、どこ吹く風で……。


「いや、下手すると、大軍が四方八方からくるかもしれない状況だぞ? 一人当たりの殲滅能力を上げるべきだろう」

「あー、うん。そうだな」

「そう、ですね……」


確かに言っていることは正しい。

しかし、これを実際使うことになると、その一帯が素敵に耕されそうなんですけど……。

クソビッチ姫、間違ってもやけ起こすなよ。

というか、ことを起こす前に捕まえてやるわ!!


だってそうしないと、ランクスの領地で兵器実地演習をされてしまう!!






さて、もうすぐお楽しみタイムはっじまっるっよー!!

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