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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
国の在り方 暗躍編

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第412堀:各国の情報

各国の情報





Side:ユキ




本日も晴天なり。


「洗濯物がよく乾きそうだ」


だが、この天気が続きすぎると、水不足で作物が育たない。

しかし、その水の恵みがもたらす雨も降りすぎては、作物が育たないどころか根が腐りさらには水害が起こる。


世の中とは何事もバランスであり、極端なことはよくないという話。


何事もほどほどがいいのだ。

やりすぎても、反感を買うし、何もしなくてもそれはそれで問題だ。

世の中、ままならないもので、だからこそ楽しいのかもしれない。

まあ、そのバランスをとるのは、結局人である。

感覚によりけりであり、何かを起こせば、それに反発するものが現れるのが世の常だ。


「世の常だからと言って、それを放っておく理由にはならないけどな」

「当然だな。世の安寧を維持することこそ、民を守る貴族の役目であり、王の使命でもある。無論、それには戦争という手段も含まれる」

「だからと言って、安易な武力行使は困りものですが」

「然り。だからこそ、我ら3大国が率先して力を合わせる必要がある」


さて、この場にいるのは俺とおっさん2人と、女性が1人。

いつもの男友達と嫁さんというわけではない。

大国といっての通り、ロシュール、リテア、ガルツのトップがこの場に一堂に会している。

といっても……。


「やはり、ウィスキーはロックだな。息子よ、追加だ」

「アイスをコーヒーに浮かべるなんて……なんてすばらしいのでしょう!! あ、クリームメロンソーダーもお願いします!!」

「それよりも肉だ!! このステーキの追加を頼む!!」

「へいへい……」


ただひたすらに美味い物を食う食事会のついでなのだが……。

ついでといっても、こうやって話はしているのだから、マシではある。

俺が料理人兼ウェイターなのが不満だが。

一応、二人は義理の親父で、一人は嫁さんの後輩なのだからそれなりの対応をしないといけない。

あー、面倒くせー。

俺が頼んだから文句も言えないからなお面倒くさい。


「まあ、わかりきってはおったがな」

「当然ですね。こうなることは予測できていました」

「いや、これを予測できなければ、ただの阿呆だな」


そりゃな。

こんな当たり前のことを予想がつかないわけがない。


「しかし、ここまでガードが堅いからうかつに動けないのだろう」

「だから、私たちに話を持ってきたのでしょう?」

「我らのほうに、動きがあるだろうということだな?」


ここらへんも説明いらずで助かる。


「その通り。ウィードに直接手出しが難しいなら、出入りする国々のほうに仕掛けをするしかない。だから、その各小国をまとめる大国のお三方に頼んだわけだ」

「調査の見返りに、などとはいえんか」

「そうですね。私たちとしてもこの連合に傷を入れられるのは好ましくないですから」

「もうちょっと、婿殿が間抜けならこっちも利益がでるが、そうもいかんからな。逆に干される可能性がある」


当然だ。

見返りなんか求めたら、いろいろ脅すに決まっているじゃないか。


「今回のことで、連合の体制をとかルールをさらに明記して、取り締まりを厳しくする格好の口実になるだろ。それで十分に報酬になる」

「確かにな。連合内でも激しい政治的戦いが起こっている。むろん不正も互いでよくやっている」

「必要なことではありますが、それで連合の存在自体を脅かすのは困りますから。今回のことで、さらに細かく決められるわけですね」

「妥当なところだな。大国としても小国にあれこれ細工されては面白くない。しかし、ウィードのほうはどうするのだ?」

「どうするって、俺たちが勝手にいろいろやるのはまずいだろう。ウィードで暗躍しているのは確かにいるけど、どうせトカゲのしっぽ切りになる。うかつにウィードが騒げば、逆にそこをついて、相手が何か仕掛けてくる。ウィードは利益を独占したいがために、いらぬ噂を吹聴しているとかなんとか……って」

「ありえるな」

「ありえますね」

「十分有効な手だな。だが、調査自体をしないという話ではないだろう?」

「もちろん。調査はしてそっちに情報を渡す。裏をこちらからとるわけにはいかないからな」

「なるほど。そっちからの情報とこっちの情報を照らし合わせていくわけだ」

「確かに、そのほうが単独で行うより確実ですね」

「最後に、私たちのほうで証拠をつかんで内々に処理するわけだな。そうすれば、われら3大国の名前に傷もつかなくて済むわけだ」


そう。ガルツのおっさんが言ったように、下手にこっちで処理したら、3大国は無能の烙印が押されることになる。

そうなると、その庇護下という立場の国々は不安になる。

下手をすれば、連合を快く思わない国々が仕掛けて突き崩してくるだろう。

メンツとはかくも大事なのである。


「とまあ、3人とも協力は惜しまないってことでいいか?」

「最初から協力しないという選択肢が存在しないな」

「ですね。いまやウィードは各国の経済に欠かせない存在であり、戦争抑止の為の最重要拠点です。そこを守らぬほうがおかしいです」

「だからこそ、相手もなんとしても、ウィードと連合をどうにかしたいのだろうがな」


でしょうとも。

戦争をして、ウハウハしたかった連中にとって、3大国とウィードを中心とした連合体制は怨敵に見えるはずだ。

文句すらいえない体制が瞬く間にできてしまったのだから。

弱小国家は我先に、この連合の庇護下にはいるし、どうしようもない。

戦争という暴力に訴えたら、連合軍が出てくるのだ。

単独ではどうしようもない。かといって、連携しようにも、連合に入っていない国同士は距離が離れていて、連携するにも多大な労力がかかるし、ばれる可能性も高いので、まずは内部工作になるわけだ。


「そういえば、ウィードのほうに直接抗議とかは来ていないが、そっちの国々にはなにか来てるんじゃないか?」


ウィードに直接抗議することは基本的にない。

ウィードはあくまでも、連合軍が連携を取りやすくするための拠点でしかない。

表向き、ウィードの戦力は防衛軍のみというのが各国の認識で、連合が動く際は、3大国のどれかが陣頭指揮を執ることになるだろう。

だから、ウィードよりも、3大国に何かしら抗議したほうがいいのだ。

ウィード独立を承認したのも3大国だし、表向きには3大国がウィードの実権を握っているようにみせている。

俺が面倒だから。

まあ、だからこそ、ウィードの内部に工作を仕掛けるのが、連合相手には一番有効な策なんだよな。


「もちろん来ておるぞ。関係のない我らが出張ってくるなと」

「ですが、抗議だけですね。本格的に動き出せば、私たちが動く大義名分が生まれますから」

「弱小国家にとってはこれ以上の救いの手はないだろうからな。我らにとっても人手を手に入れる良い手段だ」

「でも、お互いの主張とかはどう聞き入れているんだ? どっちが正しいとかはわからないだろう?」

「簡単だ。我々が介入した時点で、それ以上の戦闘行為の禁止。それだけだ」

「つまり、その時点で国境が決定されるというわけです。国境近くの町などには、どちらに所属するか宣言をしてもらい、それを記録に残して、それに伴い侵略行為かを判断します」

「何も知らないからこそ、こうやって新しく国境を連合と敵対国家で決定し、現在の正しい国境ができるわけだ。今後の国境トラブルにも役に立つだろう」


連合の介入方法についてはまったく関与していなかったが、聞いてみればちゃんとした内容だ。

介入した時点で、新しく国境をお互いの主張と、国境の町々に回答を求め、それを連合が記録する。

これで、この国境の正当性が認められるわけだ。

敵国も交えて回答しているのだから。これに文句をつければ、さらに立場がわるくなる。

国境の町々の判断はそれぞれだが、よほどでない限り、祖国を裏切るような真似はしないだろう。

だって、暗殺される恐れがあるからな。

あとは、敵国の町の扱いが悪ければ、連合の庇護下においてほしいと、宣言をすることもあるので、戦で攻め取った敵国として、これ以上に不利な内容はない。

が、客観性は保たれているのでなおたちが悪い。

できるのはせいぜい抗議と、3大国に対して先に話を通しておくなどの政治的行動が必要となるわけだ。

この話の怖いところは、下手をすると、連合に対して、敵対国家が手を組んで、大陸を真っ二つに分けた大戦になりかねないところだ。

幸い、残る大国の1つであるルーメルは沈黙を貫いている。

ここが招集をかければ、集まるだろうが、今はそういう動きはない。

まあ、国々の位置からして、バラバラ過ぎて、各個殲滅されるのがおちとわかっているのだろう。

何か勝てる要素があれば動くだろうが、そんなのがあるならとっくに動いているだろうし、向こうの切り札は異世界の勇者さんたちときたもんだ。

それがわざわざ戦争を助長することに手を貸すわけがないだろう。あれもいることだし。

というか、あれと勇者一行は別大陸の探索に忙しいらしいので、動けるわけがない。


「そこらへんはうまくやっているようで良かったよ。で、調査をして確証を得るのはいいとして、お三方としては、こいつらが糸を引いているだろうとか、盟主になるならここだろうなーってのはあるか?」


とりあえず、今現在、この3大国が危険とみている国を聞いておきたかった。


「いや。ロシュールにあからさまに喧嘩を売るような国はおらんな」

「リテアもありませんね」

「ガルツも同じくだな。というか、この3大国を同時に相手にするということが何を意味するかわからぬ国はあるまい。そんな国はすでに滅んでいるよ」


その意見には同意。

だが、ロシュールのおやじが言葉をつづける。


「しかし、妙なことがある」

「妙なこと?」

「そうだ。我が国、騎士の国と言われておるロシュールに足りぬ、魔術を補ってくれている。魔術の国と言われるほど魔術に特化してくれる国がある。そこが連合に入ることをためらっている。特に、どこを攻めているわけでもないのにだ。そのトップであるノノア殿は魔術神とまで言われておるし、われもその魔術は認めておる。聡明でもあり、立派な為政者だ。だが、この連合には入っておらぬ」

「そういわれれば、私のところもそういうのが……でも違いますね。ある山に住むといわれる獣神というのを信仰している国が連合に入るのを拒否しているのですが、こっちは宗教的な理由でしょう」

「そういうことならば、ガルツが盾の国と言われるように、剣といわれる国があるのだが、そこも同じように連合に参加しておらんな。まあ、こっちは腕自慢がおおいからな。戦争を抑制されるとまずいのだろうな。ノゴーシュのやつも、連合の話を聞いたとき顔をしかめていたと報告を受けている」


へー……。


やっぱり、お前らか。

駄目神共!!



ドレッサたちが張り切っているところで、ユキはこうやって、ネチネチと包囲網を築いているのでした。

あと、タナカ一行は別大陸でいろいろもめごと中。

あー、俺たちは自由にやるとか、タナカの方もいい加減進めないとなー。

特にタナカの方は、合流するにはタナカの物語がユキたちに追いつかないといけないんだよ。

あ、これは俺のポリシーね。ユキの所でタナカを出して問題はないけど、なんかそっちを書いてないのに出すのはなーって感じ。

……適当にノリで別の主人公で書いたつもりが、既に必勝ダンジョンが書籍化して、タナカの国のことも明記してるし、なかったことにはできない悪夢!!

気合いがたまっていれば9月ごろに「俺たちは自由にやる」と「レベル1」は進めます。


あと、ちょっと報告をば。

通常通りなれば9月に5巻が発売されるところだったのですが、少々問題が起こりまして11月ということになりました。

理由は詳しく聞いていないのですが、恐らくは俺のせい。

5巻の該当箇所を知っている人たちは分かると思いますが……。


結婚式ですたい!! ハッピーウェディング!!


ご希望の多かった結婚話!! 本にてようやくです!!

当時の嫁さんリーアと新大陸メンバーの3人を除いた14名!!

そのイラストを頼んだからだと思います。

14名のウェディングドレス姿とか悪夢ーだし、デザインとかお任せだし。

ちょっと落書きをしている俺ですらとてつもない無理難題と思う。

11月によく間に合うと思うわ。


ということで、11月まで5巻は我慢してね!!

俺が悪いから。



あ、最後に、どうでもいいけど。

やっぱり、駄目神が悪い。



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