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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
新大陸 暗躍する影編

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第353堀:いつかの和解とおまけ

いつかの和解とおまけ





Side:コメット





世の中ままならない。

先ほど、エージル君とそんな話をしたんだけど……。



「聖女様!! こちらもお願いいたします!!」

「こ、子供が熱をだして!!」

「えーん!!」



聖剣を拝むどころか、大聖堂の広場でみんなして治療を施している。

立ち話をし過ぎたのか、どこからともなく民衆が集まって治療を求めてきたのだ。

このまま放置すればパニックが起こりかねない。

ということで、それを阻止するために、私も含めて治療に当たっている。

リッチが治療するってどうなんだろうねー。


「はい。コメットさん考え事は後にしてください。治療を待っている人は沢山いるのですから。今からコメットさんは休憩です、奥で休んでください。私が代わりにでます」

「あ、うん。ごめんよ。ルルア君」


ルルア君は大聖堂の中で聖剣を見るための交渉をしていたんだけど、この騒ぎで一緒に治療するために出てきた。

エージルも一旦城に引き返して、兵を連れてきて、民衆の整理に回っている。


「はぁ、ダンジョンからこっそり見ればよかった」


長時間? いや実際は一時間もないはずだが、あれだけ人の波をさばいているとどっと疲れがくる。

椅子に深く座り込んで、他の皆と一緒に休憩をとる。


「あら? コメットは聞いていないの?」


ミリーは驚いたようにこちらを見る。


「聞くってなにを?」

「わざと、交渉して聖剣を拝みにいくのよ。ホワイトフォレストの件は当事者でしょう?」

「ああ、なるほど。エナーリアでも同じようなことが起こるかもしれないのか」

「というか、もう起こっていますけどねー。既に大聖堂前は大騒ぎ、私たちを頼ってとのことですけど、定期的に治療活動はしていますし、こんなに大挙して集まること今までなかったですよ」


ラッツがそう言ってピンときた。


「誰かがわざと騒ぎを起こしているってことかい?」

「でしょうね。街を歩いているときに、教会で治療があるかもしれないぞって聞きましたし」

「あったね」

「あの人物が黒かはしりませんが、普通、私たちの治療はこんな騒動を避けるために、連絡を密にして、王家とも連絡をとって、兵を寄越してもらうんですよ。私たちの身の安全もありますから。ま、そうやすやすと傷つきませんが」

「というか、ユキさん以外に触れさせるモノですか」


……君たちに触れること自体が至難の業だと思うけどね。


「ま、そこはいいとして。ラッツ君の話を踏まえると、すでに何かが紛れ込んでいると思うべきか」

「ええ。お兄さんからもそこら辺は厳重に注意してくれと言われています」

「あれー? 私はそんなこと言われなかったよ?」

「奥さんと協力者の違いね。きっと」

「くそっ。幸せ者どもめ!!」

「お兄さんは私たちには甘々ですからね。と、でも、コメットに言ってないわけないと思いますよ? 私たち奥さんには当然甘々ですけど、身内にもかなり甘いですから。というか、今回のメインの事柄に関係することですし、なんで伝わってないんですかね?」


あれ? そう言われるとそうだ。

この話は重要だ。奥さんとか協力者とかいう立場の違いで教える教えないという話ではない。


「研究の時に訪ねて来て、口頭で話して言って右から左ってこととか?」

「……ありそうだね。いや、きっとそうだ」


私の記憶に残っていないということを考えると、研究しているときに話したんだろう。


「……まあ、私たちが教えることも織り込み済みだったんでしょうね」

「お兄さんならありそうですね。研究系の人の性格は、ナールジアさん、ザーギスでよく知っていますし」

「……あとでユキ君には謝っておくよ。だから、ヒフィーには内緒で頼む!!」


この話がヒフィーに伝われば大目玉だ。

きっと、部屋の掃除とか、服の洗濯とかしてくれない!!


「まあ、私はいいけど。コメットが干からびると困るし」

「私も構いませんが。自活自炊とかしようとは思わないんですか?」

「思わない!!」

「「はぁー」」


働いたら負けだと思っている!!

ん? なんか違うかな? 

でも、ニュアンス的にはOK!!

自活自炊するぐらいなら、その時間を研究に充てるよ!!


「とりあえず。そういうことで、いつ襲撃受けてもおかしくないから、そこは気を付けてね」

「コメットが、一番能力が低いですからね。不意打ちには十分ご注意を」

「わかったよ。流石に私も、また死体に戻りたくはないからね」



で、休憩が終わり、夕暮れまで治療しては休むの繰り返しで、襲撃も警戒して結構疲れた。


「結局来なかったわね」

「夜に来る可能性もありますよ」

「ああ。私たちを疲れさせるのが目的か」

「その可能性もあり得ますね。とは言え、旦那様の監視体制を抜けられるとは思いませんが」


ルルア君の言う通り、既にエナーリアはこっそりダンジョン化していて、大聖堂地下に収められている聖剣の監視や、不審者の監視もウィードの部隊が昼夜を問わずしている。

魔物をこういうことに使うなんて思いもつかなかったけど、人よりむらっけはないし、安定しているから凄く感心させられる。その分柔軟性には欠けるんだけどね。

監視報告と作業を絞れば、的確に動いてくれる。

いやー、使えるものは何でも使えって話だよね。

私も使ってるつもりだったけど、つもりだっただけだ。世の中は広い。


「しかし、ここまで連続的に行動が起こっていることを考えると、相手はこの時期に動くつもりだったんだろうね。どう考えても、仲間の行動連絡を待ってから動いたという速度じゃない」

「そうですね。エージルもデリーユが運転する車でなんとか来れたぐらいですから」

「きっと、私たちが学府やアグウストに行っていたなんて、考えもしてなかったわよ」

「ああ、ミリー君がユキ君の行き先を聞いたのはそれを確認するためか」

「そうよ。エージルは王命を受けているからね。ユキさんがわざわざそれをほったらかして、私たちに会うのを優先するわけにもいかないでしょう?だから、ユキさんがいるならお城?って言ったのよ。返事を聞く限り、私たちはずっとエナーリアにいたと思っているみたいだし、相手の速度は尋常じゃないわね」

「幸いといましょうか、不幸といいましょうか……旦那様やコメットさんの言う通り、敵は本格的に行動を開始しているのでしょう。」


ダンジョンをゲートでつないで飛び回っている相手がいるとは思わないだろうからねー。

まあ、ルルア君の言う通り、これを間に合ったというべきか、後手に回ったというべきかは悩むところだけどね。


「なんとか、各国での工作活動は止めたいところだね。一応、魔術学府一帯の間引きはしているが、戦端が開かれれば、魔力が魔物になる速度が上がって、間引きが間に合わなくなる可能性がある。その場合はボンッと爆発して、大氾濫だろうね。学府だけなら、ユキ君子飼いの戦力でどうにかできるが、学府だけに魔物が来るわけじゃないからね」

「そうね。コメットと同じタイプのリッチ系なんて出たら、指揮官になるはずだから、攻め落としにくい学府はやめて、ほかに移動するでしょうね」

「そうなれば、魔物の放浪軍があちこちで村や街を襲いますか……」

「この新大陸では……。いえ、ウィードの大陸でもほとんどの国は止められません。リッチが率いる大氾濫が起こした災害は昔からの語り草ですから」


そうなれば、私たちの保有戦力ではどうにもならない。

マジで、大氾濫は阻止しないと。

まったく、守る戦いは面倒だね。


「幸いというべきか、ホワイトフォレストの方はあと数日で片が付きます。あとは……」

「恐らく、裏で手を引いているエクス王国」

「ま、そのためにも、もうひと頑張りしようか。ルルア君、聖剣を拝見する件はどうだい?」

「はい。大司教様には話を通してあります。立ち合いは必須ですが、いつでも頼めます。……こういうところで聖女の名を使うのは微妙な気持ちではあるのですが」

「ルルアにとっては聖女の名は特別で色々ありましたからねー」

「……そんなこともあったわね。ま、もう気にしていないとは言わないけど、ちゃんとユキさんの子供は産んだし、私も八つ当たりが過ぎたとは思っているわよ」

「ミリーさん……ありがとうございます」


ルルア君が涙ぐんで、お礼を言っている。

おや?

仲がよさそうだと思っていたミリー君とルルア君にはなにかあったのかな?

なにか話から察するに、ちょっとした仲違いでもしていたのかな?


「ああもう、ほら泣かない。最近は普通に会話してるじゃない。今更、面と向かって話したぐらいで泣かないでよ。スミレが心配するわよ」

「はい、ぐすっ、はい……」


よくわからないけど、仲直りはできたみたいだ。

こんな状況で喧嘩されても困るからいいことなんだろう。


「君たちも色々あったみたいだね」

「ええ。たぶん、あの出来事がなければ、半数以上が今頃、土に還っているでしょうね」

「世の中は厳しいね」

「はい。厳しいですね。でも、救い上げてくれる人はいました。コメットと聖剣使いの皆のように」

「……ユキ君か」

「はい。愛おしい、大事な、大事な、お兄さんです」

「お熱いことだね」

「そりゃーラブラブですよ? 私も子供ができるぐらい愛し合っていますからね」


そんなことを話していると、教会の中に、エージルが入ってくる。


「つ、つかれた……」


今の今まで、外の整理や、兵の貸し借りの書類とかで忙しかったみたいだ。

やっぱり、お偉いさんには絶対ならない。


「お疲れさまです」

「はい、お水」

「あ、ありがとう……」


ミリーが渡した……あれ水じゃないだろう?

魔力反応があるから、ポーションの類いじゃないか?

あんな、無色透明なのは見たことないが。


「ふうっ。生き返るー。ってなんか体が軽くなった気がするよ」

「それは良かったです。で、エージルさん。聖剣の拝見したいと聞きましたが?」

「あ、そうだよ。ルルアさん。僕も拝見できるように頼んでくれないかい?」

「はい。話は忙しいながらも聞いていましたので、通してあります。今日にでも拝見できますけど、どうしますか?」

「そうなんだ。なら早い方がいい。上も早く解析しろってうるさいんだよね。今から頼めるかな?」

「わかりました。伝えてき……」


バンッ!!


ルルア君の声は、そんな乱暴に扉を開け放つ音で遮られる。


「あれ? もう、今日の治療は終わりだよ?」


そう言ってエージル君が振り返ろうとすると、ドアを開け放った数人は剣を抜いて、エージルに斬りかかろうとしていた。


ズガァァァン!!


そんな爆音と共に、雷が辺りに奔る。


「随分物騒な輩だね。こんな華奢とはいえ。僕の顔と名前を知らないってことはよそ者かな?」


へぇ、流石、魔剣使いというところかな。

雷は結構扱いにくい属性なのに、私たちにダメージがないように制御している。

トントン、と腰に佩いていた魔剣をいつの間にか取り出していて、肩に当てている。

剣の扱いなら私より上か。

魔術も学府に行くぐらいだからそれなりと考えると……あれー? スペック的にはベツ剣の皆よりも上じゃね?

というか、私より上の可能性がなくない?

だってさ、研究職に、将軍職、魔剣使い、魔術とすっげー!!


「くっ。やはり、疲れているとはいえ、魔剣使いの将軍はやれぬか。まあいい、予定通りに動け!!」

「「「はっ!!」」」

「玉砕覚悟かい?」


再びエージル君に向かって走り出すローブをまとった集団は、剣をぶつけ合う直前で散開する。


「あれ?」


唖然とするエージル君を無視して、その集団は私たちに向かってくる。


「聖女をコロセ!!」


剣を持った狂気の集団が私たちに襲い掛かる。


「ちょ!?」


エージル君が慌ててこちらに来ようとするが、間に合うタイミングではない。


「ふははは!! これで狼煙は上がっ……」

「るわけないでしょ」


ミリー君がそう答える間に、男は真上に打ち上がって、天井に突き刺さる。


「あーあ、引きずり下ろすの大変ですよ?」


ラッツ君はそう言って、二槍で2人を串刺しにしている。


「……ラッツも、もうちょっと調整しないと、ショック死してしまいますよ?」

「いや、ルルアに言われたくないですよ。杖で殴打でしょう? ナールジアさん作の杖ですから、メイス以上の衝撃がありますからね? それ死んでません?」


ルルアの足元には、あのナールジア特製の杖を受けて地面にめり込んでいるのが3人。


「……私が相手でよかったね?」


私が魔力物質化で捕らえた相手は、首をがくがくして頷いていた。

ま、どうやら全員男みたいだし、これから、人妻に手をだした地獄の拷問が待っていると思うけどね。





そして、エナーリアの襲撃も阻止。

いや、狙った相手が悪かったね。


で、そろそろ本丸、エクス王国だ。

いよいよダンジョンマスター対ダンジョンマスターと戦いとなるのか!!

他所の小説じゃ結構あるダンジョン攻略戦がほぼ350回超えてようやく初めてだぞ!!

嫁さんの弟? いや、あれはノーカウントだろ。



で、現在の優先ゲーム「ドラクエジョーカー3」です。

この小説のおかげで名前にこまらねえ。


スラきちさん スライムLV35 

ジョン    オークLV30

もんきち   ももんじゃLV34

ピエール   スライムナイトLV32


スティーブとミノちゃんのモンスターがどれか悩み中。

というかさ、歴代作品の知識って便利だよな。

にじくじゃくとか、キングスライムとか、キラーマシンとか簡単に作れるよな。


人間積み重ねが大事だとよくわかる。

ゲームも例外ではない。




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