第260堀:布陣発表
布陣発表
Side:トーリ
現在の時刻は深夜2時ちょっと。普通は私やリエルも夜番でない限り寝ている時間です。
でも今は、とある事情により全員が起きています。
まあ、無理をしたラビリス、アスリン、フィーリア、シェーラはユキさんに抱かれて?しがみついて?寝ています。
『まったく、本当に厄介ごとは畳み掛けてくるわね』
現在ウィードで子供の世話をしていた、セラリアがため息をつきながら言います。
連絡を取ったとき、偶然子供たちが夜泣きしたらしいので、すぐに返事をしてくれました。
寝入っていたら、結構起こすのは大変だったりします。
さて、こうやって深夜にメンバー全員を起こすのは、先ほど、ついに、学長と聖剣使いの接触があったからです。
内容は、最初は穏やかな友人同士の挨拶だったのですが、最後には宣戦布告に変わって、このままでは私たちの魔力枯渇関連で大きな障害となりかねません。
なので、慌てて聖剣使いのニーナさんが去ったあと、学長たちを取り込みにいって、指定保護、協力体制を得られました。
現在は学長たちに、ローデイへの出国準備と手回しを色々やってもらっています。
私たちはこうやって集まって、魔法陣中央の魔力集積問題、ローデイへの派遣メンバーの選定を行うとしています。
が、ユキさんが明日サマンサに告白するって言うのに、空気が読めないと私も思います。
あの、ユキさんが告白するんですよ!!
私たちがあれだけ大好き大好き言っているのに、結婚するときにようやく、告白や、愛しているって言ったユキさんが、自主的に、最初から!!
リーアの時だって、結局ユキさんが言う前に、リーアの愛が振り切れたし。
もう、これはユキさんの妻であれば誰でもわかる、レアシーンです!!
永久保存版です!!
あとでユキさんに見せつけて、私たちもその甘い、ユキさんの告白シーンを再現してもらうんです!!
……まあ、ユキさんは恥ずかしがりやなので、悶えそうですけど、それもいいんです。垂涎モノです。夜がはかどるんです!!
はっ、そんなことは、いえ、そんなことではないのですが、今は聖剣使い関連をやらないといけません。
『とりあえず、まず最初に決めるべきは、ユキの告白を監視する役ね』
「「「そうですね」」」
流石、セラリア。よくわかっています。
それなくして、ほかの行動は決められません。
「なんでだよ!? 俺やるよ!! ちゃんとやるよ!?」
『サマンサを押し倒して、子作りするの?』
「しねーよ!!」
「「「はぁ」」」
「あれ? 何も間違っていないのに、なんで嫁さんたちはそんな反応!?」
『そんな覚悟で告白が成功すると思ってるの?』
「いや、成功しなくていいだろ?」
『はぁー。失敗してもいいけど、それなりの告白をしないと、ローデイの所へ繋ぎにならないのはわかるわね? 怒らせるなんてもってのほかよ?』
「……そりゃわかるが」
あ、ユキさん横向いた。とんでもない告白するつもりだったんだ。
『……まさか、裏取引でもして、告白したっていう事実だけ作ろうと思ったわけじゃないでしょうね?』
「……マ、マサカ」
ユキさん、やろうとしてたな。
『いいユキ。現在学長たちが、ローデイに向かうための建前を準備しているのは知っているわよね。それは、あくまでも私たちが、いえ、ユキがサマンサに告白してOKをもらって、公爵に挨拶に行くためなのよ。その途上か後で、聖剣使いとぶつかって殲滅する手はずになってるの。だから、聖剣使いは建前上おまけで、公爵家への挨拶を絶対しないといけないの。生半可な気持ちと、演技で、公爵の当主に娘をくださいなんて言えばばれるわよ? それでローデイとジルバ、エナーリア戦争勃発なんてなれば意味がないのよ? つまり、ユキはサマンサが一発で結婚にOKして、押し倒されてもいいと思える告白をしないといけないの』
「難易度高!?」
『まあ、それぐらいの気持ちで行きなさいって言ってるの。ユキは政治的な交渉事は得意だけど、女性をどうこうするのがとても苦手なのは、私たちがよーく知ってるわ。だから、真剣にしないとダメって言ってるの。サマンサとまずは、仲良くならないとどうにもならないんだから、本当にお願いね』
「……はい」
ユキさんしょんぼりしてる!!
かわいい!! かわいいよ!!
『ということで、真面目に足掛かりで失敗しないためにも、ユキの告白を監視すると同時にアドバイスをする役がいるのよ。誰か、公爵令嬢を落とすアドバイスできる?』
セラリアがそう聞くけど、皆沈黙する。
流石に、私もリエルも一般の生まれだし……。
『それならセラリアが一番適任では? 元公爵でしょう?』
ラッツが普通にそう言います。
ああ、そういえば、セラリアは王女だったけど、ユキさんとの結婚で王位継承権を放棄したから、王族分家の公爵になったんだっけ?
『公爵ね……。夫と結婚するために公爵になって、その後半年も経たずに女王だし、なにか違う気がするのよね。あと、私自身が公爵の位であって、公爵令嬢でもないのよね。正しくは元王位継承権第三位、第二王女よ』
「「「あー、なるほど」」」
『まあ、ここで結構釘は刺したし、下手な告白はしないでしょう。ユキの監視は、学府の編入生になってるメンバーから選出お願い。流石に編入もしていない私やデリーユが見張るのは、問題あるでしょう』
そっか、学府内は関係者以外立ち入り禁止だしね。
まあ、セラリアも関係者ではあるけど、流石に悪目立ちするか。
「わかりました。ユキさんの監視はこちらで決めておきます。で、問題はサマンサさんと話が付いたあとの、移動方法と、ローデイ組を決めないといけません。あと、最悪の時にそなえた、学府の防衛組ですね」
あ、ユキさんの監視で頭いっぱいだった。
本命はエリスの言った通り、ローデイを潰されるのを避けるためなんだよね。
そして、ローデイでの破壊活動が成功して、魔力が学府周辺に集まって、魔物があふれかえった時の対策と。
うわー、色々面倒だな。
『そこは、夫から話してくれるわ。あなた、告白を考えるのは後にして、配置を言ってちょうだい』
「……へいへい」
ユキさんは何か書き込んでいた手帳を置いて、皆を見回します。
さあ、今度はどうなるのかな?
「繰り返しになるが、まずは、分ける種類を説明する。一つ、ローデイを守るチーム。これは聖剣使いのローデイ殲滅を防ぐためだ。方法としては、サマンサと仲良くなって、俺を中心に数人がローデイの公爵の元へ挨拶にいくという流れになっている。その過程で、偶発的に遭遇し、聖剣使いの撃退、捕縛を行う。二つ、学府周辺の観察チーム。こっちは、万が一というか、少なからず、魔物の撃退及び聖剣使いの撃退で魔力が拡散するので、魔物が森から出てくる可能性がある。それを事前に食い止めることが目的だ。三つ、陽動の可能性があるので、その他のベータン、ジルバ、エナーリアへの侵攻を想定して、最低限の防衛チームは残す。なお、ローデイ組はダンジョンのシステムを使った転移ができないので、ほかの場所へ即時戻ることはできない。ということは、逆の意味で応援も即座に行けないということになるから、ローデイ組に多少戦力を集めようと思っている。さて、ここまではいいかな?」
みんな頷く。
「ではまずメインのローデイチームは、俺、クリーナ、リーア、ルルア、デリーユ、シェーラ、エリス、ラビリス、アスリン、フィーリア。あと、ジェシカはミフィー王女の護送はもう終わってるな?」
『はい。既にジルバへ戻っています』
「なら、ジェシカも来てくれ」
『わかりました』
「で、ローデイへの移動手段だが、アマンダの魔物のワイバーンのワイちゃんが移動手段になる。まあ、こっそり俺やアスリン、部下の魔物が鍛えているから、俺たちぐらい運ぶのはわけないだろう。それでわかるかと思うが、アマンダとエオイドが付いてくる。この2人は建前上学長から、公爵への手紙を渡すという形で行くことになっている。まあ実際は俺たちの移動手段だがな。流石に、アスリンのデンや、俺たちの部下のドラゴンたちを移動手段にするわけにはいかん。車の移動も考えなくもないが、そっちはローデイの貴族から余計な横槍が入りそうなので、今回は使用しない。飛行速度から考えて、一日もかからんだろう。空には障害物がないからな」
ああ、なるほど。
アマンダに譲ったワイバーンを乗り物にするんだ。
それなら、問題なくいけるかな?
「次に、学府周辺の観察、防衛だが、トーリ、リエル、ポープリ、ララ、部下のメインに霧華たち。これで何とかなるだろう。万が一やばいのが出たら、さっさとダンジョン内に退避。ダンジョン内ならこっちの方が圧倒的に有利だからな。トーリたちは冒険者時代の経験を生かしてくれ。その関係で学府での指揮はトーリに任せる。頼んだ」
「はい。任せてください」
うひゃー、ユキさんが任せるって。頑張らなきゃ!!
「最後にほかの防衛組だが、セラリアをトップに、ベータンは、カヤ、ジョン。ジルバは、ザーギス、スティーブ。エナーリアは、ミリー、ラッツ、ミノちゃん。あとキルエは万が一この3つが苦戦しそうなら、援軍に出てくれ。ダンジョン内の常備軍を使えるようにしておくから」
「はい。わかりました」
「と、ほかの防衛組も、学府組もそうだが、ダンジョンでの移動が簡単だから、手助けに行っても大丈夫だ。でも、万が一を考えて、最低1人はその場に監視を残すように。特に、エナーリアはローデイと隣接しているから、余波が来る可能性がある。そこらへんは注意してくれ」
『わかりました。任せてください。お兄さん』
『エナーリアでは私たち聖女さまだしね』
ああ、エナーリアの騒動で2人は聖女なんてよばれてたっけ?
そのおかげで、顔は広いみたいだけど、ユキさんという旦那がいるのを知っているのか、知らないのか、声をかけてくるバカはそれなりにいるみたい。
まあ、普通に断っているし、行き過ぎる奴らはぶっ潰してるみたいだけど。
『配置はそれで構わないけど、今までいなかったルルアやデリーユをローデイメンバーに入れるのは問題ないのかしら? 戦力的に欲しいのはわかるけど』
『そうですね。私は一応エナーリアにいることになっていますし、いなくなれば少し騒ぎになるかもしれませんよ?』
「そこは、俺が呼び寄せたとかで何とかしてくれ。というか、家庭の事情に口出すなで通るだろう」
『はい。わかりました。旦那様への合流で文句を言う輩はぶっとばしてからいきますね』
うん。ルルアも過激になったよね。
「デリーユは問題ないか?」
『妾は特に忙しいわけでもないしのう。行くのは構わん。まあ、キルエに子供たちの世話を押し付ける形じゃがのう』
「あー、そっちがあったな。おっぱいが出る防衛組はセラリア、キルエ、ラッツだけか……」
『そこは問題ないわよ。基本的に子供たちの世話を優先で、何か問題があれば即座に移動するから』
「私たちもおっぱい以外手伝えますから、安心してください」
「そうだよ。僕たちも子供たちの世話できるから、ユキさんは安心してローデイを守ってきて」
ええ、おっぱいは言っての通りでませんが、子供の世話はできるんです。
ここで、ユキさんの心配事を減らすように頑張らなくて、なにが妻でしょうか。
「さて、これで編成は決まった。細かいことはあるだろうが、それはチームごとで考えて詰めてくれ。防衛時に使う武器の制限は一応つけるが、やばくなったら、重火器の使用もOKだ。というか、俺たちも重火器をもってローデイにいくから」
『当然ね。数はどう考えても圧倒的不利なんだから、殲滅に便利な重火器は必要ね』
そっか、魔術関連で殲滅すると、魔力拡散があるから、魔力が関係ない武器でやる必要があるのか。
「と、忘れてた。戦闘時はやばいとき以外は、ナールジアさんが聖剣を解析して、新しく作ってくれた、このドレインソードで戦ってくれ。これは、聖剣のダンジョンコアに魔力を集積するシステムを利用して、魔力吸収率を上げて、倒した魔物の魔力拡散を防ぐ、現状で最も頼りになる武器だ。形状も刀や槍、ハンマーと色々ある。ある程度の魔術も即座に吸収できるから、聖剣使いの聖剣の攻撃もそれなりに防げるだろう」
ユキさんはそう言って、色々なドレイン武器を見せてくれる。
うーん、私は刀か剣かな?
しかし、相変わらずナールジアさん凄いな。
武器が手に吸い付く感じ、あっさりこういうのを作るのは、あの人ならではだよね。
その後は準備ということで、解散になった。
私も学府の防衛関連のために、学長と話をしに行って、結構遅くというか、朝日が昇っていた。
ああ、お肌に良くないんだよなー。
そんなことを考えて、学府での自室の方へ歩いていると、サマンサお付きのサーサリさんが廊下の奥で立っていた。
いや、あれって私の部屋の前かな?
因みにリエルとは同室で、リエルは先に帰っておそらく爆睡してる。
「サーサリさん。おはようございます。何か用ですか?」
「あ、これはトーリ様。なるほど、外に出られていたのですね。朝早いのでまだ寝られているものかと……。しかし、訓練を絶やさないのですね」
「あ、うん。剣とかはサボると腕が鈍っちゃうから」
やばっ、ドレインソードを出したまんまだった。
いや、まあいいのか。見た目はでかい宝石のついた剣にしか見えないし。
「で、繰り返しになりますけど、何か用でも?」
「これは失礼をいたしました。実は、トーリ様に伺いたいこと、相談したいことがございまして……」
なんだろう?
なぜか、サーサリさんはとても緊張してる。
何か悪いことでもしたかな?
「とりあえず、中へどうぞ」
ここで話しを聞くのは雰囲気からできそうにないし、特に断る理由もない。
まあ、サマンサの従者だし、何かユキさんと、いい関係を築けるきっかけになればいいかなーと思う。
でも、やっぱりサーサリさんは緊張していて、全身がこわばっている。
リエルは予想通り、ベッドで丸くなってる。
「えーと、飲み物は紅茶でいいですか?」
「いえっ、トーリ様の手を煩わせるわけには……」
「まあまあ、ここの主は私なんですし、気にしないでください」
自分が準備するといわんばかりに、腰を浮かせたサーサリさんを椅子に再び座らせる。
ささっと、紅茶の準備を済ませて、サーサリさんに差し出す。
「で、伺いたいことでしたっけ?」
「……はい。あの、最悪、斬り捨てられても文句は言えないようなことなのですが……どうか聞いてもらえないでしょうか?」
「斬り捨てるって、ここまで丁寧に相談に来ている人にそんなことしませんよ。安心してください」
うん、そんなことするわけがない。
まあ、ユキさんを殺そうと思います。なんて言ったらここで死体になってもらうけど。
できる、できないは関係ない。私たちからユキさんを奪おうとしただけでギルティ。
「ふぅ。……では、トーリ様を信頼してお聞きします」
「はい」
「……大変失礼な話ではありますが、私の主、サマンサお嬢様がユキ様に懸想されておりまして、結婚までとはいいません。どうか、告白することをお許しください」
「え?」
「どうか、どうかお願いいたします。お嬢様ではユキ様に相応しくないというお気持ちはわかります。ですが、どうかチャンスだけでも。絶対ユキ様に相応しい淑女になると、お嬢様も申しております。ユキ様の奥様でいらっしゃる皆様には、とても失礼な願いと存じております。ですが、お嬢様の恋をこのまま想いを募らせるだけで終わらせたくないのです」
「ちょ、ちょっと待って」
……えーと、つまりどういうこと?
私は頭が混乱しつつも、口に出すことで整理することにする。
「簡単に要約すると、サマンサがユキさんのことが好きだから、奥さんである私たちに、告白する許可を貰いにきたってことですか?」
「はい。その通りでございます。お嬢様はこの恋が横恋慕であるのは存じています。そして、それにより、ユキ様や奥様たちの関係を乱すのを嫌がっております。ですので……」
「問題が起こらないように、まずは私に話を通しに来たってことですか?」
「はい」
ふむふむ。
これって、好都合じゃないかな?
あ、でも、一応聞いておかないといけないことがあるね。
サマンサの性格上ありえないと思うけど……。
「話はわかりました。ですが、一つだけお聞きしたいことがあります」
「それはどのような?」
「……ユキさんの権力や財力、人材が目当てなら、すぐ出て行ってください」
そう、そんな風に、ユキさんを道具としてみる屑は要らない。
殺気もそれなりにサーサリさんに叩きつけて、反応を待ったのだが、即座に返事をしてくれた。
「そんなことは決してございません!! お嬢様はユキ様のお人柄、器の大きさにほれ込んで恋を募らせているのです!! そんな下種な動機ではございません!!」
「ふえっ!? トーリ、僕は寝てないよ!?」
……サーサリさんの本気はわかったけど、リエルが殺気にあてられて起きちゃったか。
でも、リエル。どう見ても寝てたからね。
ま、リエルは一旦ほっといて……。
「そうですか。なら、喜んで歓迎しますよ。ユキさんを心から愛してくれる人は大歓迎です」
「そ、それなら、告白してもよろしいのでしょうか?」
「ええ。というか、ほかの皆にも協力してもらって、告白を成功させましょう。もちろん、結婚してもらっていいですよ」
「ほ、本当ですか!?」
「本当です」
「あ、ありがとうございます!! では、さっそくお嬢様に伝えて、ユキ様に告白を……」
と、それは待ってほしい。
これは是非とも、皆に伝えなくては……。
「待ってください。ほかの皆にも協力してもらいますから、一旦こちらにサマンサを連れてきてください。ユキさんはああ見えて、かなり頑固です。それなりの準備をしないと」
「なるほど……。わかりました。今日の授業が終わってからでよいでしょうか?」
「はい、構いませんよ。こっちもその間に皆に話を通しておきますから」
「ありがとうございます。……よかった。お嬢様の恋は必ず実らせて見せます」
「その気持ちがあれば大丈夫ですよ」
そう言って、私とサーサリさんは握手をして、その場は別れた。
さあ、これは楽しくなってきた。
色々忙しいけど、こういう娯楽はないとね。
まずは皆に話をして、ユキさんがどういう風に告白するか確認して、サマンサとサーサリさんに話を通して、ユキさんの告白現場を激写する。
うん、楽しみ!!
「……ふぁぁぁ、あれ? さっき誰か部屋にいなかった?」
「……相変わらず寝起き悪いね、リエル」
とりあえず、いまは、リエルをちゃんと起こすことから始めよう。
side:ユキ
「なあ、タイキ君。どういう告白が女性にぐっとくるかわかるか?」
「わかりませんよ。まあ、とりあえずは嫌われない程度で、公爵領に向かう口実ができればいいですし、もう告白で失敗するより、公爵の土地見てみたいなーって流れでいいじゃないですか」
「なるほどな。嫁さんたちは告白しろっていってるけど、実際、告白自体が地雷な可能性もあるしな……」
「そうそう。その場合だとまずいですからね。これはヘタレたんじゃなくて、安全策です。確実な策ですよ」
「そうだよな。これはヘタレじゃない。安全面を考えた策だ。うんうん」
俺はタイキ君とサマンサへの対応を相談して、確信した。
安全策でいこう。
告白なんて博打を討つべきではない。
これは決して、俺が告白したくないからとかでなく、全体のバランスを考えて、考えに考えついた結論だ。
どこから、どう見てもヘタレではない。
さあ、万全の布陣で迎え撃つは、聖剣使い。
え、そこは問題じゃない?
ユキが問題? バカ言うなよ、アレはどうみても、ユキとタイキの考え方がただしいじゃないか。なあ?




