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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
新大陸 学府編

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第248掘:THE HERO

えー、7月10日をもちまして、4000万PVと460万ユニークを達成。

皆さんが読んでくれて、ここまで来ました。

ありがとうございます。


では、本編をお楽しみください。

THE HERO



side:ユキ



「か、体がフラフラする」

「はいはい、ユキさん。私が支えてあげますね」


リーアに支えられて、何とかふらつくのを耐える。

しかし、昨日はエリスが泣いたのに慌てた。

結構我慢してたんだなー。夫として察してやれなくてすごく申し訳なかった。

でもさ、フラフラになるまで喰っていいのかよくわからん。


「まあ、仕方ないですよ。エリスさん邪魔されたんですし、私だったら剣解放しちゃいますよ?」

「冗談でもやめてくれ。ナールジアさんがリーア専用に作った勇者の剣15代目。そいつの全力をだしたことないだろ?」

「ないですけど。それぐらいしちゃいますって。だって、独り占めの日を、演技とはいえ、お説教で全部つぶしたんですよ? もう、ユキさんに嫌われないか心配だし、大事な日ふいにしちゃうし、心の弱い子なら自殺しかねないですよ」

「……そこまでか?」

「そこまでなんですよ。でも、昨日はユキさんがエリスさんを大事にしてましたし、合格点をあげましょう。流石、私たちの旦那様です」

「そらどうも……」


因みにエリスはアスリンを抱っこしながら、ツヤツヤな笑顔を浮かべてのんびり歩いている。

同じように、というか、エリスの方が動いてたのに、なんであんなに元気なんだろうな。


「……それは、女ならではよね。ユキに沢山愛して、出してもらえば、私たちは全員ツヤツヤになるわ」

「そんなもんかね」

「そんなものよ」

「そうなのです」


今日はアスリンがエリスに持っていかれているので、ラビリスは肩車ではなく、アスリンの位置、つまり腕にいる。

反対側は勿論、フィーリア。

で、同じちびっこ組に入るシェーラは人前では基本的にこういう事はしない。

家ではだっこーって言うけどな。


「でも、編入するまでたった3日しか経ってないのに、疲れましたねー」


横でタイキ君がそうつぶやく、が恐らく俺と同じような目にあったのか、フラフラしているのをアイリさんに支えられながら歩いている。

まあ、アイリさんもエリスと同じ状況みたいなもんだからな。

と、タイキ君が言いたいのはそういう事じゃないよな。


「ああ、学府に足を踏み入れた途端、イベント、フラグのオンパレードだったしな。しかも、あのサマンサお嬢さんはフラグなんだが、俺たちとしてはポイってするわけにはいかないし……」

「あー、確か、エナーリアの同盟国でしたっけ? 聖剣使いたちの騒動で、反乱に手を貸していたとかで、いまエナーリアが警戒してるんでしたっけ?」

「そうそう、サマンサお嬢さんはなにも知らないだろうが、下手にココで俺たちが学長の思惑にのって、サマンサお嬢さんに責任擦り付けたりしたら、エナーリアへ報告しないわけにはいかないだろ? そうなると……」

「エナーリアとサマンサお嬢さんのお国で開戦しかねないってことですね」

「そういうこと、今の所、ローデイは一部独断の行動って言ってるみたいだし、謀反をおこした大臣が持っていたローデイとの契約書も偽物って話もでてるしな」

「あー、トカゲのしっぽきりってやつですか?」

「そうそう、実際ローデイが国ぐるみでやってる可能性もあるんだよ。まあ、あっさり切れるようにしてるんだけどな。決定打にならんのよ、この程度のことじゃ。実は他所の国がローデイで暗躍してましたってこともあるしな」

「戦争するにしても、一手間どころじゃないですしね。俺たちがローデイの真相を調べるわけにもいかないと」

「ま、実際の被害は城下町が多少被害被って、兵士が何人か死んだぐらいだしな」

「王城に攻められたのに、それで済ませていいのかって、聞きたくなりますけどね」

「撃退してるしな、エナーリアも内密にやりたいこともあるんだよ。被害は少ないから、今の関係を崩してまで、戦争起こして、人と金と物資消費する理由はねえよ」

「どこも政治ばっかですねー」

「世の中そんなもんだろ。利益の無い国に先はないしな」

「で、サマンサお嬢さんはこれからどう扱うんですか?」

「一応保留だな。ローデイと関わる為の切っ掛けとしては十分だし、今回の件は恩に感じてるみたいだから、便利だろ?」

「ですねー。手札として取っておくのは間違いじゃないですね」


そう、今回の件で学府、学長相手には有利な立場を得られたが、その切っ掛けとなったサマンサお嬢さんが結構厄介な立ち位置だった。

エナーリアで暴れた大臣を後ろから援助していた、ローデイ。

その公爵家の令嬢が、俺たちの編入を邪魔していたなんて伝えたら、開戦になりかねん。

理由は十分だしな。

俺たちとしては、各国で自由に調べ物をしたいんで、戦争とかマジ勘弁、そして未だつながりの無いローデイとの切っ掛けになりそうな、このサマンサお嬢を無下に扱う理由もなかった。

だから、サマンサお嬢を援護、支持するような発言をして、責任がかからないようにしたんだが……。


「あ、ユキ様!!」


学府の門の前で、俺たちではなく、俺を見つけて、笑顔を浮かべて走り寄ってきているお嬢さまを見て頭痛がする。


「……フラグ成立しましたね。完全にぽっきり逝ったと思ったんですけど」

「……くそ、フォローの仕方を間違ったか」

「いや、この場合は、向こうが選択権を持ってたんでしょう。あれですよ、乙女ゲー」

「ああ、そっちか。学府と国の騒動に巻き込まれたから、息をひそめるかと思ったんだけどな。俺たちと関わってくることを選んだか」

「まあ、乙女ゲーから見れば、必死にユキさんが、あのお嬢様を庇ってる一枚絵になってますね。イベントCGゲットですよ」

「いらんわ、そんなの」

「でもギャルゲーのCGはコンプしてたでしょ?」

「そりゃするわ」


そんな話をしている内に、サマンサお嬢さんが俺の前に立つ。


「ユキ様、今日もよろしくお願いたしますわ。あ、エリス様、他の皆様もおはようございます」


サマンサお嬢さんに声をかけられて、皆普通に返事をする。

実は、サマンサお嬢さんと嫁さんたちは結構仲が良い。

学長に色々使われて、精神的にまいっていたらしく、学長との一件が片付いたあと、こちらに1人できてボロボロ涙をこぼしながらお礼を言いに来たそうだ。

責任押し付けられてたら、公爵家とはいえ、下手すると潰れてたかもしれないしな。

ま、学長もそんなつもりはなかったから、あっさり自分の非は認めたけどな。

けど、利用したのは変わらないので、サマンサお嬢さんは今、学長より俺たちを頼りにしている状態だ。

問題も終わっているのだが、こうやって門の前で待っている辺り、ちゃんとした貴族の誇りというのを持っているのだろう。

やっぱり、そう言う姿勢は好感が持てる。

このお嬢さんは経験が足らなかっただけで、将来は大物になりそうな娘だ。

もう、おっぱいはルルアと並ぶぐらい大きいけどな。

と、挨拶を返さないとな。


「ああ、おはようございます。今日は門で待っていただかなくてもよかったんですが、どうもありがとうございます。無理させましたね」

「いえ、この度受けた恩に比べれば大したことではありませんわ。寧ろ、受けた恩に対して、まったくお返しできていません。これは当然のことですわ」


そう言って眩しい、いい笑顔を向けるサマンサお嬢さん。

うん、美人な金髪ロールのお嬢様でスタイル抜群だから、絵になるんだが、既に嫁さんがいる俺には嫌な感じしかしない。


「……あの、ご迷惑でしたか?」


俺が少し固まっていると、サマンサお嬢さんが少し不安な顔で言う。

あ、いかん。

一応ローデイとのつながりで、確保しておかないといけないから、何か言わないと、なにがフラグを遠ざけるセリフだ?

なあ、選択肢くれよ。

あーもう、リーアの時を思い出すよ。

分かりやすい二択くれ!!


「ふふ、大丈夫ですよサマンサ様。ユキさんは、夫は、昨日少し頑張って疲れているだけですから」

「エリス様、ユキ様は疲れているのですか? 昨日頑張ったのはエリス様だと思いましたが?」

「夫婦ですからね。夜に頑張ったご褒美をもらったんですよ」

「そ、それって……」

「ええ、子作りですね」

「し、失礼いたしました!! ぶ、不躾な質問をしてしまいまして……」

「いいんですよ。私たちは同じ学友、お友達ですし、こういう事を話しても問題ありません」


いや、問題大ありだからな。

なに? こんな会話が普通なの女性って? こえーよ。

でも、いい感じにエリスが俺からお嬢さんの意識をそらしてくれた。


「さて、門でいつまでも話し込んでいるわけにはいけませんし、案内お願いできますか?」

「はい、お任せください。そのつもりで待っていたのですわ」


そう言って、先頭を歩き出すサマンサ御嬢さん。

よし、ナイスだエリス。

で、そのエリスはそそっと、俺の横に来て……。


「今は話をそらしましたけど、ユキさん、サマンサさんへの対応はもう、抱き込む方向しかないですよ」

「……タイキ君に一任するのは?」

「え、なに言ってるんですか。フラグ建てたのユキさんでしょう。俺は嫌っすよ。あの顔、恋する乙女ですよ。俺でもわかりますね。あれを覆すってただの鬼の所業ですよ」

「タイキさんの言う通り、これでほったらかしにするのは、人としてどうかと思いますよ。サマンサさんの後ろ盾や繋がりは今の状況ではありがたいですし、本人の性格は好ましいです。私としてはOKですね。あとで、皆と協議する必要はありますが」

「なに協議って。聞くの怖いんですけど?」


俺がそうびくびくしながらエリスに聞くと深いため息を吐きだす。


「はぁー。まあ、まだ協議すらしてませんし、これから何があるか分かりませんから、今のところはいいでしょう。でも、引き込んでおいて、ジェシカみたいにほったらかしをするのは絶対やめてくださいね?」

「……はい」


ジェシカの時はしかたないんや。だって騎士業務全うするって全身からオーラ出してたやん!!

俺が気が付かなかったのは無理ないじゃん!!

でも、エリスの言う通り、サマンサお嬢さんを利用するために、引き込んで、用事が終わればポイはアレだしな……。

目の前を行く彼女が、何か別の恋でも見つけてくれればな。

俺、もう16人嫁さんいるし。これって絶対ラノベとかになったら、読者から氏ねとか言われてるって。

それで、まだ囲うとか。俺はハーレム野郎じゃないか!!


そんな事を俺が思っている時、それは起きた。

俺たちの先を歩いて、案内をするサマンサお嬢さん。

周りは普通の道、校舎が奥に見える、異世界ということを除けば普通の学校の風景。

普通に会話を楽しんで、登校している学生が周りにいて、和やかな雰囲気だ。

そう、そんな風景で敵意も悪意もなかったから全然気が付かなかった。


「あんたはー!!」

「ご、ごめん!! 事故なんだ、事故!! 悪かったって、謝るから!!」


俺の横を通り過ぎていく、男女。

この学府の制服を着ているから、この学府の生徒だとわかるが、1つ不可解だ。

女生徒が握っているのは、モップ。

そう、モップ。

廊下とかを掃除するためのモップ、掃除道具をもってなぜか、女生徒が男子生徒を追いかけている。


「謝るなら止まりなさい!!」

「できるかー!! 絶対殴るだろ!! しかも、トイレのモップだろそれ!!」


それは嫌だ、と思いながらその茶番劇をボーっと見ていたら、なぜか吸い込まれるように、前を歩くサマンサお嬢さんへと向かっていく。


「当たり前でしょ!! 何度部屋を覗けば気がすむのよ!! このスケベッーーー!!」


女生徒は叫んで、トイレモップを投擲。

それが男子生徒の頭にクリーンヒット。

そして、サマンサお嬢さんに倒れ込む。


「騒がしいですわねって、きゃあ!?」


巻き込まれるお嬢さん。


カランカラン……。


モップは石が敷かれた道に落ちて、そんな音を立てるのがやけにはっきり聞こえる。

ああ、俺たちも含めて全員呆然としているんだ。

目の前に広がるのは、サマンサお嬢さんのでっかい胸に顔を埋める、トイレモップを受けた男子生徒と、完全にスカートの中身が見える状態で押し倒されたままのサマンサお嬢さん。

黒、下着のデザインは残念だ。まあ、現代の下着と比べるのが間違いか。


「まったく……なんですの? って、またエオイドですの!!! いい加減にしなさい!!」

「サ、サマンサさん、これは誤解なんだ!! 事故なんだ!!」


そう言って、馬鹿は手をお嬢さんにつきだす。

が、それは密着状態でやるべきことではない、必然的に、腕を上げて突き出す動作で、お嬢さんのたわわな胸を鷲掴みにすることになる。


「きゃっ!? こ、この……!! どこを触っていますの!!」

「あ、いや、これはその!?」


何このテンプレ。


「何このテンプレ?」


あ、タイキ君も同じことを思ったらしい。


「あ、ユキさん、あの男子生徒って……」

「ああ、そう言えば、門前払いを喰らった帰り道で見た主人公だったな」

「そうそう、あの時も、たしか、ほら、そこのモップ投げた女生徒を押し倒して……」


続きをタイキ君が告げることはなかった。

だって……。


「いい加減にしなさい!!」

「ふごっ!?」


サマンサお嬢さんのアッパーで空中を飛んでいた。


「そうそう、あんな感じで空飛んでましたよね」

「ああ、そうだった。人間てあんな風に飛べるんだな。いいもの見たわ」

「ですねー。お約束をこの目で見られるとは思いませんでしたよ」

「ま、実際はあのお嬢さんが拳に風の魔術を組み込んで、それで飛んだんだが」

「いや、こういう場面に科学的、魔術的理屈を言わんでくださいよ」

「あ、ごめん」


そうだよな。

しらけるよな。

で、地面に落ちた男子生徒は、モップを投げた女生徒とサマンサお嬢さんに説教されるのであった。

いや、相手は公爵令嬢だし、それで済むのか?


「で、ユキさん。あれどう見ても定番の学園主人公ですよね?」

「そうだろ? あんなミラクル、狙ってもやれねえよ」

「じゃ、サマンサお嬢さんは、あの主人公のヒロインってこと?」

「あ、どうなんだろうな。それならそれで、俺たちとは友人関係ってことで楽なんだが」

「えー、ここは1つ、あのテンプレ主人公とサマンサお嬢さんの争奪戦をやるべきですよ!! NTRですよ!!」

「いや、NTRにはならんだろ。どっちにも感情傾いてないし」

「じゃ、あのモップ投げた女生徒を落としましょう!!」

「落ち着け、だれがNTL、NTRするかよ。というか、NT系は目的じゃないからな。というかそこまで言うならタイキ君がやれ」

「え、嫌ですよ」

「即答かよ」


そう言いつつも、実際、生でラッキースケベ野郎の展開を見て、2人で同時に口を開く。


「「いやー、いいもん見たわ」」


当事者にならない限りは、見物するのはありだわ。

さあ、出てきた!!

お約束の学園主人公!!

さあ、ユキとタイキはこの主人公とどう付き合うのか!?

NTRは行われるのか!?



で、話は変わりますが、本の印税が入りましたので、PCの買い直しをしました。

皆のおかげで便利になり、親に美味い飯を食わせてやれました。

本当にありがとうございます。

あ、執筆用のPCも買ったけど、俺の体は1つしかないから執筆速度は変わらないので、期待しないように。

ではでは、また次回


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