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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
ダンジョンと新大陸 序章

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第185掘:ジルバ帝国の落日 馬鹿登場の章

第185掘:ジルバ帝国の落日 馬鹿登場の章





side:ラビリス




「ふぁ……。もう朝ね」


私はあまり寝心地の良くないベッドのせいで思ったより朝早くに目が覚めてしまった。


「まだ外暗いじゃない」


といっても、現在の時刻は5時。

電気が無い普通の場所なら、外が明るくなる頃が大体起床時間になって、日が沈んで暗くなると就寝となる。

ウィードが特別すぎるのよ。

電気のおかげで夜遅くでも明るいし、時計が普通に普及してるから、時間に従ってみんな動いている。

そのおかげで、日の出入りという天候に左右されることはなく、毎日規則正しい生活を送れて色々な目安にもなる。

ユキは時間に縛られてる感じもあるんだけどなっていってた。

気持ちはわからなくはないけど、逆になければお互いの時間感覚による問題などがあって色々不都合だ。

これは時間に縛られると言うより、効率化だと私は思う。


「ウィードではまだ殆どが就寝時間なんだけど、流石にこっちはそうはいかないみたいね」


早くに目が覚めてしまったのは、ベッドのせいでもないらしい。

扉越しに、窓越しに、人々が行きかう音が聞こえてくる。

このジルバ帝国にとってはこの時間が起床時間であり、一日の始まりなのだ。


「んん……」


横でそんな声が聞こえて、そちらに振り向く。


「えへへ、お兄ちゃん美味しいですぅ」


そこにはいまだに夢の中のアスリンが微笑んでいる。

寝言から察するに、ユキにまた新しい料理でも食べさせてもらったのだろう。

フィーリアもシェーラもまだ寝ている。


「どうしようかしら?」


私はそう考えつつ、とりあえずベッドから降りる。


「ユキたちも流石に寝てるわよね。これが自宅ならそのまま寝込みを襲うのだけれど」


朝はユキの大事な所が大きくなってるから、ちゃんと処理してあげないといけないから。

だけど、流石にドッペルの体で、さらに他所の国、とりあえず敵対はしていないと言う微妙な場所でいたす根性はない。

いえ、ユキに求められたら応じるわ。喜んで露出プレイでもなんでもこいって感じね。

さて、桃色の妄想は今日自宅でやるとして、今はこれからどうするかね。

とりあえず、ベッドから離れてテーブルの方へ行く。

今回、私たちに宛がわれた部屋は広さだけはある。

私たち4人が一緒に寝られたベッドがあると言うだけで、それなりの部屋だと分かると思う。


「けど、広いだけじゃね」


品質はウィードには及ばず。

無駄に広いので寒いし、暖炉は自分でつけろと、いや普通は当然なのだが、ウィードではボタン1つなのに。

文句を言ってもなにもならないので、とりあえず久々に暖炉に火を入れる。

少しばかり部屋の温度が上がった気がする。

といっても、暖炉には昨日の残り火があったので、空気と薪をいれて燃やすだけだったのでそこまで大変ではなかった。

久々で忘れていたが、灰の中に火種を残して保存しておく埋め火ってのがあったわ。

昨日自分自身でやってたのに忘れてた。


「さて、これでアスリンたちが起きても寒くて震える心配はないわ」


私は暖炉の火をつけて、ようやく椅子に座る。

でもやることはない。

かといって、二度寝するのもあれだし、1人で外を出歩くのはよろしくない。

実力から言って私自身はなにも問題はないが、残されたアスリンたちが無防備になってしまう。

ユキが昨日話したことは何処からどう見ても挑発だ。

そして、向こうが何かして来たらそれを迎撃して揚げ足とって、こちらが自由に動けるようにするのが狙いだと思う。

まあ、アスリンたちも殺されるとかエッチな目には合わないでしょうけど、それほど実力差はあるのだが、いかんせんアスリンとフィーリアはまだ精神的に幼い。

シェーラは王族として色々やっているようだから、一般の常識には疎いところもあるが、変に騙されたりはしないだろう。

と言うわけで、私がいなくなればアスリンとフィーリアが勝手に捜索して迷子になる可能性があるのだ。


「なにかを仕掛けてくるなら、見た目が幼い私たちでしょうから」


そう、問題が起こるならきっと私たちだ。

昨日の戦闘でも私たちはユキの傍で何もしなかった。

敵は全て、トーリ、リエル、カヤ、リーアが仕留めた。

だから、亜人とさげすんでいても、まったく手も足も出なかった相手にちょっかいを出すとは思えない。

狙うなら私たちということだ。

幼くて、亜人で、保護対象と見られている私たち。

ユキも狙われる可能性も無くはないけど……あっちを心配するだけ無駄よね。


「早目に起きて警戒しているだけでも意味はあるでしょう」


とりあえず、寝ている3人を起こさず、誰が不意打ちしてきてもいいように刀だけはアイテムボックスから出しておく。

それだけで準備は完了してしまったので、とりあえずテーブルに置いてあるお菓子の様なものを食べてみる。


サクッ


「クッキー? だけど甘くないわ。ただ焼いただけの様な感じね」


これもウィードと比べるのは可哀想ね。

少しは私たちのしらない美味しい物があってもいいと思うのだけれど。

そうやって、いろいろジルバ帝国の環境に文句をつけて時間を過ごしていると……。



ドーン!!



大きな音がした。


「ふえっ、なんですか!?」

「兄しゃま!! 大変です!!」

「2人とも落ち着いてください」


その音でアスリンとフィーリアが飛び起きた。

今にも駆け出しそうだったので一緒に目覚めたシェーラが慌てて宥める。


「なにが起こったのかしら?」


私も首を傾げて辺りを警戒する。

随分近くで大きな音がしたようだけど。

私たちに手を出さずにユキの方に手を出したのかしら?

シェーラもこちらに視線を送ってなにが起こってるのか? と目で訴えてくるが私も答えられないので首を横に振る。

とりあえず、私たちは武器を構えたまま、部屋からでないで臨戦態勢をとっていると……。



「出て行きなさい!!」

「僕たちの所へ襲いに来るとはいい度胸だね!!」

「……馬鹿は学ばない!!」


そんな聞きなれた声と共に、また大きな音が響く。


「あ、トーリお姉ちゃんたちの声だ」

「何があったのです!! すぐ行くのです!!」


そう言って、2人はシェーラの制止を振り切って部屋を飛び出してしまう。


「あっ!?」

「追うわよ!!」


私たちもすぐにアスリンとフィーリアの後を追う。


「まさか……」

「ええ、まさか、コテンパンにやられた相手に手を出すほうを選ぶなんてね……」


ジルバの王や重臣たちはどうかしらないが、どうやら話を聞かず、学ばない馬鹿を抱えているようだこの国は。

そして、ななめ下の方向へ撒き餌に食いつく敵さん。

ラビリスは早起き損ですw

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