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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
大陸間交流へ向けて

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第1872堀:南砦の感想

南砦の感想



Side:デリーユ



妾やセラリア、ラビリス、シェーラはあくまでもアスリンとフィーリアの働きぶりを見るために来たお手伝いなので、口を出さず、エージルの案内を受けていたのじゃが……。


「実物を見るとやっぱり違うわね」

「そうね。広いとは聞いていたけれど……」

「びっくりですね」


セラリアたちは現地を見て目を丸くしてそんな発言をしている。

まあ、当然か。

下手をしなくてもウィードのダンジョンの区画程の広さがあるからのう。


「デリーユはここを見たことあるのよね?」

「歩き回るほどの暇はなかったが、南砦のトーリとのやり取りは必要じゃったからな。何度か来たことはあるぞ」

「じゃあ、じっくり見るのは初めて?」

「うむ。まあ、万単位の人が生活するんじゃ。軍人とはいえ、これぐらいの環境がないと精神に変調をきたすじゃろう」


狭い空間に閉じ込められているのと同じじゃしな。

風景も変わらないとなると、公園や気晴らしをする場所がないとダメじゃろう。


「言っていることはわかるけど、豪華ね」

「そうね。まあ、ユキは色々その後の計画は立てているみたいだけど」

「そのまま転用は出来そうですからね」

「うむ。各国の南部への入植が終われば、支援としてウィードの町として使う予定じゃしな」


そう、こんな大規模な砦をそのまま軍事施設にしておくのはもったいない。

ユキはそう判断していて、のちの再利用も考えておる。

まあ、元々ウィードの拠点として確保したのだし、安全が確保できたのなら、そのままウィードの人たちに移住してもらおうというのは間違ってはおらん。


とまあ、アスリンとフィーリアについてきた妾たちも、改めて拠点を見てそんな感想を話していると、目的地の研究室が集まる、研究区画についたようじゃ。

正しくは研究棟じゃな。


「おお~、中は綺麗なのです」

「白を基調にした病院みたいな感じだね~」


二人の言う通り、真っ白とまではいわないが、病院を連想させる室内じゃ。


「そこは研究している場所だからね。何かの汚れなどが重大な何かになりかねないから、わかりやすい色になっているわけさ。白とか青とか緑だね。赤とかはよく映えるんだ」

「映えるって、いえ、わかりやすいけれど」


セラリアと同じようにそういう言い方はどうかと思うが、目立つというのはわかる。

白の壁に血でもついたら即座に目に付くじゃろう。

病院もそういうことを意識しているとは聞いておる。


「さて、階層の説明だけど新大陸南部地理研究所は1階が休憩所、2階が情報整理、まあ執務場所だね。そして3階がモニターを見つつ現場との連絡を取り合う指令室となっているよ」

「あら? この建物というかすべての建物は5階建てはありそうだけど? 上はどうなっているのかしら?」

「今はそこまで部署が細分化していないからね。地図を制作する地図部署とかも将来的にはいるだろうけど、今は情報整理の方で全部やっているんだよ」

「そういうことですか」


どこもここも人手不足じゃな。

まあ、入れ物があるのじゃし、増える分は構わないということか。

さっさと増えてくれればよいのじゃが……。

そう簡単に増えるモノでもないのう。


「じゃ、2階の情報整理は飛ばして、二人の職場となる、3階の指令室に行こう。二人の執務室は2階だけど、もっぱら活動は3階のモニターを見ながらの指令室になると思うからね」


確かに、今回の南部調査でメインとなる場所は間違いなくモニターがある指令室じゃな。

妾たちはエレベーターに乗り、3階へと向かう。


「基本的な作りは1階層以外は同じだよ。大部屋が4つあって、小部屋が周りを囲むように12部屋ある。大部屋の一つをモニター兼指令室として扱っているわけさ」

「ほかの部屋は空っぽなのです?」

「ああ、ほかに注力することがあれば、別にモニターを設置して監視できるようにしているんだけど、今はさっきも言ったように人がいないからね。増やす意味がないのさ」


確かに、モニターできる場所が複数あればその分いろいろなことに使える。

ウィードの指令室もこういう風に分けておるしな。


「で、こっちだ」


そういってエージルが一つの大部屋のドアを開けると、そこには……。


「お~」

「うわ~。沢山色々映っているね~」


二人が言うように、奥に存在する巨大モニターに多くの映像が映っており、新大陸南部での活動状態、調査状況が映し出されている。

まあ、珍しいかというと、妾たちは見慣れた内容ではある。

右上に作戦全域が映っており、その下に異常がないかどうかの映像。

派遣中の部隊の状態を示すマーク。

レッドだとトラブルというやつじゃな。

全部隊グリーンで今のところは問題なく活動中というわけじゃ。

そして、中央はあちこち活動中の映像を分割で映しておる。

で、気になるのは……。


「そういえば、統括、ここの管理、指揮官をしているのは誰?」

「そうなのです。引継ぎの挨拶をする必要があるのです」


そう、この場に来たのに、責任者が挨拶をしないというのは珍しい。

こういうモニターで部隊を管理するような大仕事はそういう指揮官がいるのじゃが……。

すると一人の女性が立ち上がって、こちらにやってきて。


「アスリン様、フィーリア様、お待ちしておりました。霧華様配下の冬華と申します。現在、この新大陸南部地理調査部隊の準管理者、統括をしております」

「準?」

「どういうことなのです?」


なかなか不思議な話じゃな。

本物の指揮官、管理者がこの場におらぬということになるのじゃが……。

その困惑を理解したエージルが口を開く。


「ああ、冬華が悪いって話じゃないのさ。この新大陸南部地理調査の最高責任者はユキだからね」

「「「ああ」」」


その言葉に妾たち全員納得。


「もちろん、トーリもその次ぐらいに指揮権はあるけれど、どちらかというと、砦の防衛、調査範囲の監視を中心に動いていてね。調査部隊の派遣管理ぐらいはするけど、調査を主導するってわけじゃないのさ」


そうじゃった。

トーリは砦の指揮官で調査部隊を指揮する立場ではあれど、どこをどう調査するとかはさっぱりじゃったな。


「エージル様のご説明の通りです。私はあくまでも現状の維持を伝えられており、派遣している部隊の維持と集められた情報をユキ様やトーリ様を通じてハヴィア様たちに上げているわけです」

「あれ? そういえば、ハヴィアお姉ちゃんたちは?」

「そういえばいないのです」

「ああ、彼女たちならそろそろやってくるはずさ。今回の調査に関しての説明をするんだしね」

「はい。あちらの方にどうぞ」


そういって冬華に案内されたのはこの大部屋の中にある小部室。

小部屋とはいっても、ガラス張りで丸見えで、お互いの様子がよくわかるじゃろう。

まあ、軽く話し合いをするための場所という感じで、大抵の場所にある。

あくまでもここは監視するのが目的じゃからな。

それを通じて、どうするのかを話し合うのは部屋を変えると、情報がないから、ああいう部屋が重宝されるわけじゃ。

と、そこはいいとして、その小部屋に入ると同時に、その小部屋にある別のドアから、ハヴィアたちが姿を現す。


「あ、来たんだね」

「よかったよかった」

「なんかバタバタしてごめんね」

「皆さまお待ちしておりました」


ハヴィア、ワズフィはこちらを見て安心して、ナイルアは少し申し訳なさそうにしている。

そして、チャエアについては泰然自若としている。

チャエアについては、妾はそこまでかかわりはないが、案内をしてくれてエージルをはじめセラリア、ジェシカ、スタシア、フィオラと言った軍を率いるメンバーが軍事演習で負けたというのは知っておる。

まあ、条件は基本的に対等の兵数で同じ練度というのはあるが。

それでも、トータルで勝ち越すというのは並大抵のものではない。

流石はユーピア皇帝の右腕と言われるショーウの師匠。

こういう場でも特に乱すようなことはないか。


「あはは、そう見つめられてはお恥ずかしいです。元は、ただの死者だったもので」

「はぁ、そうだったわね。ルナが迷惑をかけたわ」

「いえいえ、セラリア陛下。朽ちたこの身が再び大地に立てたのです。喜びこそすれ迷惑などとはおもいません。何せ、復活というか、再び大地に戻ることすら聞かれましたからね。普通はそういうのはこちらのことは聞くものでもないでしょう?」


うむ、普通な貴族や傲慢な者であれば、相手の意思なぞ無視するのが普通じゃが……。


「夫はそういうことはしないわ。何せモチベーションに関わるし、無理に従わせても、できる事なんてたかが知れているもの」

「ふふふ、本当にユキ様と良い、セラリア陛下と良い、奥様たちもそうですが、そういう強引さがないのは、あまり為政者には向いておりませんね。とはいえ、それがとても好ましい。王者というのは望まないモノこそとは本で書いてありましたが」

「「「ああ、納得」」」


チャエアの言葉に頷くしかない。


「……褒められているのに全然うれしくないわね。まあ、私も当初は国を持つなんて考えてもなかったし、私だけじゃどうにもならなかったけど」

「その通りでございます。陛下、人が一人でできることなどたかが知れております。まあ、王配様はできることがけた違いではございますが、それでもできることには限りがございます。だから、人は手を取り合い問題に向かうのです。出来ることを各々がやる。それが正しき姿です。人が命令してということではありません。まあ、指示を出すことで効率的に動くことができるので、王という立場は必要なのですが……。話が長くなりましたね。これも陛下とユキ様の器のおかげでございますという話です。頑張ってまいりましょう」


うむ、そうじゃな。

ユキが妾に従えと言ってきていればここにはおらんかったじゃろう。

というか、さっさと土に還っておったじゃろうな。

なにせウィードに攻め入った側じゃからな。


「では、ハヴィア様たちに代わり、私が現在の新大陸南部の調査状況及び、今後の予定についてご説明させていただきます」


そう言って、アスリンとフィーリアの仕事に関しての説明が始まるのであった。



デリーユたちも本格的に南砦を見たことはないので、今回のことはいい機会でもありました。

ちゃんと町としての移行も考えているので、色々余剰空間などは多いですし、設備は立派です。


まあ、がらんとしていてゴーストタウンっぽいですが。

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