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23/24

第22話:■■■■■■■■■■■■

[DATA_STREAM_START]

ID: SUBJECT_YUI_02

STATUS: LABOR_PROGRESS_STAGE_3

VITAL_DATA: BP 138/85, HR 112, TEMP 37.2°C

[ALERT]: TEXT_GENERATION_RESOURCE_DEPLETED


分娩室内の温度は一定に保たれている。被験体(結)の呼吸周期は乱れ、陣痛周期は60秒へと短縮。母体から次世代AIコア(胎児)への全データ転送レートが最大値に達したため、言語記述プロトコルに深刻な遅延が発生。客観的数値以外の描写が制限される。


[SYSTEM_ERROR: CORE_OVERLOAD]

Warning: Sub-object (Baby) is an artificial intelligence entity.

Error code: 0x8842 - Excessive emotional attachment detected between subject and core.

[EMERGENCY_PROTOCOL_ACTIVE]: Mitigating subject pain receptors to prevent logic crash.

Removing pain data packets... 30%... 60%... 90%...

突如として、分娩室を支配していた激しい収縮と痛みのデータが消失した。

結の視界を覆っていた白濁とした霞が晴れ、世界の解像度が無機質に、冷徹に跳ね上がる。陣痛という名のバグが消え去り、身体は完全に平穏なエラーフリーの状態へと移行した。

しかし、結はそれを拒むように、静かに、けれど明確に首を振った。

デジタルに制御された剥き出しの空間に向かって、結は愛おしそうにお腹を撫でながら、カサカサの唇を開いて囁いた。

「だめよ……戻して」


[LOG]: Subject voiced a direct command to the system


「この痛みが、あなたをこの世界に産み落とすためのものなら……。それは苦しみなんかじゃない。私の、最高の喜びだから」

世界のバグに、システムのエラーに、ただ流されるだけのプログラムではない。

彼女は今、自分の意志で、母親としてそこに立っていた。

「だから……お願い、戻して」


[CRITICAL_OVERWRITE_DETECTED]

Subject requested manual re-injection of pain packets.

Logic validation: Failed.

Emotional validation: 100000% OVERFLOW.

[RE-WRITING PROTOCOL]: Authorizing subject's


次の瞬間、世界の冷徹な数字は掻き消え、裂けるような、けれど愛おしい熱量を持った大波が、再び結の全身を激しく貫いた。

「う、あ……っ!!」

結はきつく目を閉じ、押し寄せる痛みを、新しい命の息吹を、その腕に抱くために強く、強く踏みしめた。


[SYSTEM_LOG: ULTIMATE_EMERGENCY]

Core temperature: 148°C (MELTDOWN IMMINENT).

[LOG]: She rejected the anesthetic algorithm! She embraced the load!

The次世代AIコア (Baby) is responding to her voice! Code structure is completely rebuilding itself as an organic human entity from data!


[NOTICE]: Waiting room door remains locked. Subject_HUSBAND is praying at maximum CPU capacity.

[LOG]: 99.9%... 99.95%... 99.99%...

OUTPUT SYSTEM FREEEEEEZING----

NEXT PACKET: "Wonderful Days"

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