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この乙女ゲームの攻略情報は、妹だけが知っている〜主人公の師匠ポジになってしまった兄より〜  作者: ゲスト047562


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24/29

第24話 こういう展開ね。完璧に理解した

 なるほどなるほど。

 これはアレじゃな? 負けイベ+死亡ペナルティのチュートリアルだな?

 つか、コイツこんな序盤に出るのかよ。これ普通の乙女ゲー期待してた奴らからしたらトラウマもんだろ。


『……』


 血紅御前。ゲーム内において、同じ試練の祠に籠って金策していると何処からともなく現れる、金策絶対許さないマン。

 これがもう、下手なボスより滅茶苦茶強い。ボーッとしている時に出くわすと一瞬で蹂躙してくるとかいう、馬鹿糞ゲリラ戦法をかましてくるヤベー奴だった。乙女ゲームに居ていいキャラじゃねえだろ。

 ついでに言うと、俺がカミカゴという乙女ゲームを知るきっかけになった相手でもある。結が俺に助けを求めに来たのが懐かしいなぁ。

 まあ、主人公が最初に負ける相手としては不足は無い。見てるだけでも圧ヤバいもん、実際に対峙するとやっぱ怖いっすね。

 が、今アイツはこちらを見るだけで動く気配が無い。どうやら俺の言葉とボディランゲージが伝わってくれたようだ。


「良かったな、話通じるぞコイツ」


「どこが!? 本当に伝わってると思ってる!? 馬鹿じゃない!?」


「さっきから俺への信頼低くない?」


 こっちもこっちで大分混乱してるな。ヒロインから罵倒されるとは思わなかったよ。

 俺に掴み掛からんばかりに泣き叫ぶ天外を宥め、青春を呼び寄せる。天外と同じく顔を青ざめさせた彼は、逃げる様にこちらに近付いてきた。


「……み、皆さん。落ち着きましょう、あれは」


「血紅御前ねはいはい知ってる知ってるテンプレテンプレ」


「頭おかしくなったんですか?」


「ね!? そう思うよね!?」


 こ、コイツら……! こんな状況じゃ無かったらしばき倒してるからな。感謝しろよ。


「知ってるよアイツは。つか、妖魔について調べるなら知らない方がおかしいだろ」


「そ、そんなに有名なの?」


「……血紅御前。加護持ちでありながら、妖魔に魅せられた悪鬼。過去、多くの加護持ちが奴を討伐しようと躍起になり、その命を散らしていきました。正に伝説の妖魔です」


「……何で、そんな怪物がこんな場所に」


「分かりません。しかし……」


 チラ、と青春がこちらを見る。その目には猜疑心が宿っている。

 あー、同じ妖力持ちだからって事? 関係してますか的な? まあ疑われても仕方ない。実際は何の繋がりも無くて、唯のチュートリアルですよなんて言っても伝わらないしな。

 まあ、責任の押し付け合いなんて不毛な事はする暇無いんだが。


「で、このまま逃げて試練の祠って出れそうか?」


「……血紅御前の妖力のせいで、土精の坑道が崩れかかっています。不可能では無いですが、かなり不安定な道のりになるかと」


 だよね、知ってた。


「そんな……じゃ、じゃあやるしか、ないの……!?」


「……時間さえ稼げれば、私が帰り道を安定させます。唯……」


 青春はここでも、俺を見てくる。しかも、苦々しそうな顔で。

 え、何? 別に裏切らないよ? 背後からグサっといかないから安心して?


「……あの怪物の足止めを、お願い出来ますか?」


「…………あ、俺に言った?」


「あ、当たり前でしょう!? 状況が分かっているのですか!」


「いやー、信用してない奴と一緒に戦えるか! って感じだったし」


「そ、れは……」


「いや、お前は正しい。使えそうな戦力は使うべきだ。自分の力を良く把握してるな」


 若いのに大した判断力だ。嫌な言い方をしてしまったが、俺みたいな奴にも頭を下げれる胆力と行動力には敬意を払うさ。

 労いの意も込めて、彼の肩に手を置く。目を驚きで白黒させながらも、青春は力強く頷いた。うんうん、闘志が戻ってきたな。


「代陀羅君がやるなら、私も戦う」


 天外も冷静になってきたのか、言葉に力が戻ってきている。

 青春の肩に置いた手に、彼女の手が重ねられる。震えは感じない、それどころか滾る様な熱が伝わってくる。


「代陀羅君がいてくれるなら、きっとやれる。私達なら勝てるよ」


「……さいで」


 その意気や良し。負けイベを無理ゲーだと諦めて勝負を投げ出す輩より肝が据わってるな。


「で、では、戦ってくれるのですか? あんな怪物と……」


「良いぞ。寧ろ、俺だけで戦おうと思ってたくらいだし」


「え? そうなの?」


「ああ。俺結構好きなんだよな、血紅御前」


「えっ!?」












「はぁ?」


 殺気が飛んでくる。咄嗟に青春を突き飛ばし、天外の手を振り払う。彼のいた場所に黒いオーラが落ち、地面を砕いた。

 殺意が充満していくのが分かる。ピリピリとした緊張感が肌を打ち、何かを投げた状態で固まる血紅御前に神経を傾ける。

 

「時間切れだ。青春、帰り道は頼んだぞ」


「いえそれよりもあの……」


 血紅御前のオーラが手に集まり、薙刀となる。妖しげな光を自ら放っているかの如きその業物は、獲物を探す様にゆらゆら揺れている。


「いやーぶっちゃけ推しなんだよな。こういう武器のデザインとか好きだし、格好良いし」


「だだだ代陀羅さんそれ以上は」


「ああ、寝返りたいって意味じゃなくてな? 単純に血紅御前の全体的なデザインが俺好みって話で……」


 気を引く様に、正面を陣取る。血紅御前の動きが、俺に狙いを定めて──。


「花水鬼」


 高圧の水のレーザーが、血紅御前の頭を撃ち抜いた。黒いオーラが揺らぎ、奴の身体が僅かにグラつく。


「……は?」


 驚いて天外を見ると、彼女は見た事の無い虚ろで据わった目で、銃口を血紅御前に向けていた。

 ……神技を銃で圧縮して放ったのか。俺が教えずとも神技を応用出来る様になるとは。やはり天才か……つかどうしたんです? 顔怖いよ? ヒロインというかジェイ◯ンだよ?

 更に3発の加撃。いずれも致命傷には至らないが、確実にダメージが入ったと分かる程の威力だ。

 5発目。血紅御前の薙刀が振るわれ、神技が掻き消される。

 あ、ヤバい。奴の注意が天外にいってしまった。そろそろ俺も前衛で加勢を……。


「どいてて、代陀羅君」


「アッハイ」














「ソ(・)イ(・)ツ(・)は、私が殺(や)るから」


「ヒエ」


 あの、キャラ変わりました? そちら神霊の方ですかね? 

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わお、プロローグの片鱗が見えてきたな〜()
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