第130話 少しの心配
お待たせ致しましたー
そして、しばらくした後に……ドレスは完成出来た。
ヴェールもだが、わざわざ下着までこしらえて……どれもこれもがとても美しい。
ただ一回。
ただ一瞬のためだけの……晴れ着。
これを……私が、珀瑛様の隣で着ることを許される。
まだ信じられない部分はあるが……私は、あの方の隣に立つことを許されたのだ。それだけは絶対に誰にも譲らない。
緑斗様や凰華様は……特に念話などの知らせはないが、私や珀瑛様のことをとやかくおっしゃることがないのか。
同じ女性体であれ、悔しくも……何もないのだろうか?
知識は得たが、男女の恋愛についてのことは詳しくないも同じ。
(同じ……なのだけれど)
珀瑛様が我慢されていることについては……どうも、照れ以上に羞恥心が湧いてしまう!!
こればかりは、未経験過ぎて……うまく反応を返せない!?
今日もまた……ご一緒に寝ることは決定済みではあるけれど!?
【花嫁と言えば……あとは、花】
ドレスを持ちながら、悶々と考えていた私に……風珀様は強く頷かれた。
「……花、ですか?」
【たしか……ブーケ、と言うものが必要のはず。そこは……緑の大精霊である緑斗様の領分だと思う】
「……緑斗様」
ご自分のことを、私の姉のように思っていらっしゃるが……兄弟姉妹のいない私には、姉と言う存在がくすぐったい。
しかしながら……ここはきちんと報告も兼ねてお伝えしよう。龍羽様からはあちこちにご連絡いただいたとは言え。
『はいはい、お姉ちゃんだよー!』
念話を送ってみると、すぐに緑斗様はお返事をしてくださった。
『すみません、突然』
『せーんぜん、いいよー? 幸せ絶頂のミラのお願いは聞いてあげちゃう!!』
『……その。ご迷惑でなければ……緑斗様からお花をいただきたくて』
『花? 蜜とか果物じゃなくていいの?』
『その……お式用の、ブーケ……に』
少し恥ずかしくなったが、告げてみれば緑斗様はすぐに納得していただけたようだ。
『ああ! そっか……ミラはあの馬鹿トラのお嫁さんになるもんね! うっかりうっかり』
『……大丈夫でしょうか?』
『ミラのためだよん! とっても華やかなお花出してあげる!! けど、ドレスって白だっけ?』
『はい。純白……です』
『じゃ、なおのこと清楚で映えるもの用意してあげるよ!!』
珀瑛様を、『馬鹿トラ』とおっしゃるが……反対の意見などはなかった。
むしろ……応援してくださるような。
だとしたら……いつものアレは、『喧嘩仲間』だからだろうか?
少しばかり……ほっとしてしまったが。ブーケは無事に用意できそうだった。
次回はまた明日〜




