第105話 元聖女の告白
お待たせ致しましたー
今……なんと言われた?
珀瑛様が、なんとおっしゃった?
私に、なんて?
本気の……言葉だとはおっしゃったが……?
(……愛? す……好き……?)
誰?
誰のことを?
いいえ……『私』と言われた?
(私を……好き?)
とおっしゃっていただけた?
精獣化を解き、人型になられた珀瑛様は……私を抱きかかえられてから、そうおっしゃったのだ。
夢でも嘘でもない。
今も微笑みをやめず……じっと私の答えを待ってくださっている。
であれば……やはり、先ほどの言葉は『告白』だと言うこと。
私に愛の告白をなさったのだ……。
(え、え、えぇええ!?)
そんな事は……人間だった頃も、聖女だった時にもただ一度もなく。
想いを寄せていただくような……立派な存在でもなかったのに。けれども、珀瑛様は本気のようだ。
微笑みながらも、向けてくださる眼差しは……どこか甘い。
大精霊となったことで、足りなかった知識を得たことにより……そう言うのもわかったが。
だからとは言え、自分に当てはまるとは思わなかったが。
「……ミラ」
もう一度、呼ばれた。
その声も、言葉も……今の私には甘く聞こえる。
嘘でも夢でもないんだ……と、改めて実感してしまう。
頬を両手で覆っても、人間の時のような火照りは感じない。それは、人間ではなくなったからだろう。しかし、赤いと言うか感じはあった。
「わ……私、なんかで、よろしいので?」
やっと言えた言葉は気の利いたものではなかった。
「……なんかとかちゃう。ミラがええんや」
「っ!」
本気だ。
本気で……私のような元人間を、愛してくださっているのだ。
人間だった時のように……心の臓がぎゅっと苦しくなったが、辛くはない。
嬉しい痛みだった。
涙がにじみ出てくるのもわかった。
「……聞かせて?」
もう一度、問いかけられた甘い言葉。
私は……もう素直になっていいのだ。
障害は、何もない。
珀瑛様と同じ、大精霊にきちんとなれたのだから。
両親の見送りもきちんと出来たのだから。
私は……両手を珀瑛様に伸ばした。
「…………私も、お慕いしていました」
ゆっくり告げた後、珀瑛様は私をぎゅっと抱きしめてくださり……私も伸ばした手を回して抱きつく。
しばらくそのままでいた後……私達は少し離れ、顔を見合わせ。
顔を合わせ、初めての口付けをしたのだった。
次回はまた明日〜




