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100年ひきこもり
「うぇ…えぐい」
想像しただけで気持ち悪くなる。ほんと全滅してくれてよかった。
「はは。
それにしてもやっぱり空は気持ちいいな」
私を抱えたまま翼を後ろにピンと伸ばして上を仰ぐノワール。
凄いスピードで雲の中を飛んだりもするけど全然寒くないのは太陽が近いからだろうか。
「でしょ?一体何年閉じこもってたのよ…」
「100年近くか…」
「ひゃ、100年?!」
なんとなく聞いていた気がするけどやっぱり改めて聞くと驚かずにはいられない。
「100年ったら…人間だったら死んでるよ」
「だろうな…ガルーダ族は普通に1000年以上は余裕で生きるからな」
「ちょっと、それじゃ人生の1割引きこもってた事になるじゃん!」
引きこもり歴4カ月だった私が説教するのはあれだけど。長い、長すぎる。
「ふっ……馬鹿な事をしたものだな」
「そだね…ほんと、馬鹿だよ。ってか…ノワールが引きこもりにならなかったら私達、出会わなかったかもしれないけどね」
お互い元引きこもり。もしノワールが友の死を普通に乗り越えていたら私なんか必要ではなかっただろう。
「どうだろうな。…カノンは、シオンの奴が寄こしたのかもしれないな」
「そうだったりして。ふふ…天国できっと、ノワールをどうにかしてくれって環に頼んだのもシオンさんだったりして」




