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仮面を被り、いい子ブリッ子してれば…
「ジャンヌ!ノワールがっ…」
どうしよ…医者とか呼んだ方がいいんじゃないかな?でも、この世界に医者なんているだろうか…
「カノン、ノワールを運ぶのを手伝って下さい」
「あ、うん!」
ジャンヌがノワールの足を持ち、私が彼の脇に手を通して持ち上げる。
(重っ)
米袋より重い…当たり前なんだけど。
「……前より軽くなったね…ノワール」
悲しそうに呟いたジャンヌの言葉に私は心の中での軽口に少し罪悪感を感じた。
飛ばなくなったのは大切な人を亡くしたから…。
(でも…大切な人だって、ノワールに苦しんでほしいとか、ましてや死んでほしいなんて絶対思ってないよ…)
口に出して伝えたい言葉…でもそれを言うと…なんだか嫌われそうな気がして出さなかった。
何を…恐れているのだろうか。
私は元々一人だし、居場所なんかないはず。
仮面を被り、いい子ブリッ子してれば…いいだけ。他人がどうなろうと知ったことないはず……そう、他人なんか…。




