ミチコ・バルセフォン
「おかしいですわね。シルヴァスター家のお風呂には喋るゴミが浮かんでいるのかしら?」
さっきから言うゴミとは…どうやら私の事を言っているらしい。
凄くムカつく!
「ちょっと!あんた本当に誰なのよ?!」
いい加減キレて私が立ち上がるとその女の後ろから剣を持った美形の少年が2人現れた。
「キャッ!」
慌てて私はタオルで前を隠し、じっと女を睨む。
「お前、ミチコ様になんて口を聞くんだ!」
「ミチコ?!あんたが…ミチコ・バルセフォン……」
ノワールの婚約者と言われた女…。
「おやめなさいリヒター。いいわ。ゴミなんかが浮いたお風呂になんか入りたくありませんから。
せっかく可愛い私のノワールと愛し合う前にお風呂に入りたかったけどしかたないわねぇ…今日はもう帰りましょう」
「なっ?!」
ノワールと愛し合うって…可愛い私のノワールって?!
私の中で何かがバラバラと崩れていく…。
「まぁ、時間はたっぷりありますわ。下等生物の人間なんか、あっという間に死んでしまいますもの。賢いノワールならどちらを妻に選ぶかすぐに分かるわね」
高笑いを上げながら、ミチコは少年達を連れて浴室から出て行った。