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プロローグ
真冬の街に、サイレンが響く。
子供が眠りについたであろう、深夜に起きた事件だった。
撮影帰り、塾帰り、病院帰りなど、さまざまな理由で、そこには、
7人の少年少女が居合わせていた。
目の前で燃えていたのは、少年少女が通っていたとされる、学校。
机、椅子。そして、歴史と思い出までもが奪われる。
赤い赤い火に包まれて、あっけなく燃えていく。
「ァ… ママァ… 」
かすれた声で、泣き崩れる少女と、
茶色がかった綺麗な目をこする少年。
そこには、パトカーのサイレンと、
消防車のサイレン。救急車のサイレンが重なり、
サイレン合唱を繰り広げていた。
近隣に住む住人は、悲鳴を上げながら避難する。
消えてしまった。 何もかも。
私がいじめられた証拠も。
俺が苦しんだ証拠も。
すべて。




