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ある月蝕の夜の出来事
昨年の秋、月蝕の日の話です。
夜半から始まった月蝕、深夜三時にピークを迎えました。
ベランダに出て、漠然と月蝕を眺めていると遠くの道に、ほのかな光がゆっくりと動いているのが見えました。
家のベランダからは、遠くにT市の灯りが一望に見えます。
近くには一面の田畑、
およそ100~200m先に田畑を横切る道が走ります。道の先には土手が有り、数件の家が点在しています。
その道をゆっくりとほのかな光が走っていく。
所々で光は見え隠れしながらもゆっくりと走っていく。
時間的に散歩は考え難く、強いて上げれは新聞配達のバイクかな・・?
だが、バイクにしては音がしない。
その上、灯りが着いたり消えたりしていく、例えるなら雑木林の向こうを走れば、灯りが木に隠れて消えた様に見える、その様に思って下さい。
しかし、その道の向こうにはトウモロコシが植えて有るが、ベランダから見える方向は、何も無く、遮る物が無いのです。
何時しか月蝕からその灯りに目を奪われていました。
・・・そして、ふと灯りは消えました。
ろうそくの炎を一気に消すように。
ある夜の出来事でした。




