まさかの強敵! A級災害指定モンスター出現!!
オーガを倒した俺たちは2階層、3階層の探索も無事に終え、4階のフロアボスの前まで来ていた。
2階層のフロアボスはジャイアントクロコダイル、3階層はジャイアントウルフだったが、どちらもグリゴリーが噛まれている間に(ガチ噛み)順調に撲殺した。
『例の作戦』で消耗されるのはフロウのマナだけなのだが、作戦を遂行するたびに、グリゴリーの瞳から何かが少しづつ失われていくのが分った。
このままじゃマナよりも先にグリゴリーが尽きてしまう。
これからは探索よりも、戦いは避けていく方向にしよう。
ダンジョンを攻略しないことにはここから出れん。
攻略すると取ってないお宝もいっしょに消えてしまうが仕方ない。
ていうか、まだお宝入手してないんだが。
激渋ダンジョンだ。
グリゴリーの何かを温存したいところだが、フロアボスを倒していかない事にはダンジョン攻略にならない。
俺たちは4階層のフロアボスにつづく大扉を開けた。
その部屋は今までのフロアボスの部屋と比べるとかなり狭かった。
そして、部屋の真ん中には人のサイズほどもある大きなホンシメジが一本生えていた。
くそっ!
くそっ!くそっ!!
巨大なホンシメジは俺たちが入るとゆっくりと立ち上がった。
短い足と短い手がそのホンシメジにはついていた。
キノコ人間、ファンタンゴだ!
A級災害指定のモンスターだ。
滅多に出現することは無いが、ほっておくと街や村なんてこいつ一匹で簡単に滅びる。
優先討伐対象にされている何種類かのモンスターのひとつだ。
実はファンタンゴは攻撃は強くない。
というか物理攻撃も魔法攻撃もそもそもしてこない。
ファンタンゴの攻撃手段は胞子だ。
彼らは胞子を周りにばらまくのだ。
そして、それを吸った人は眠ってしまい簡単には起きない。
ヒーラーがキュアをかけないと起きることができない。
しかも眠り続けて衰弱死した人は、ファンタンゴになってしまうのだ。
そう聞くと、抵抗力が高く、キュアが使えるヒーラーは実は有利と思うかもしれない。
確かに有利ではあるのかもしれない。
ただ、ファンタンゴの胞子の前にはヒーラーの抵抗力などゴミみたいなものなのだ。
ましてや、こんな密室で胞子を浴びて、抵抗を続けきれるわけがない。
いつかは絶対3人とも落ちる。
通常は、胞子の届かない所から遠距離攻撃でやっつけるのだ。
「先手必勝です! ガスで全員が寝る前に倒してしまいましょう!!」
「はいっ!」
「おう!!」
ファンタンゴは丈夫だが、身のこなしはヒーラーの俺たちよりも悪い。
俺たちは周りを取り囲みファンタンゴを殴る。
途端にファンタンゴが胞子を振りまいた。
「ぐう。」
瞬殺で、グリゴリーが落ちた。
「キュア!」
すぐさま、回復する。
グリゴリーは慌てて立ち上がると、再び攻撃に参加した。
そして、再びファンタンゴが胞子を振りまく。
「ぐう!」
また、グリゴリーが抵抗に失敗した。
こういう戦いだ。
全員が同時に抵抗に失敗して眠った時が俺たちの終わりの時だ。
しかし、俺たちは粘った。
ファンタンゴが胞子を吹くたびに、一人落ちるものの、二人以上いっぺんに落ちることは無い。
着実にキュアを繰り返し、眠った人を復帰させながらファンタンゴにダメージを与えていく。
一方のファンタンゴもまだまだ弱った様子を見せない。
怖い。
いつ、同時にみんなが眠ってしまうか解らない。
低レベル呪文とはいえどヒールに比べ、キュアは消費が大きい。
もしかしたらマナが尽きてしまうかもしれない。
さっき起こしたばかりのグリゴリーが再び眠ってしまった。
俺は何度目か解らないキュアをグリゴリーにかけ・・・
アレ?
さっきからグリゴリーだけ異常に眠る率高くね?
というか、グリゴリー以外眠ってない。
グリゴリーって抵抗力が弱いのか?
違う。
違うぞ。
仮にもグリゴリーはSクラスのパーティーに居た男だ。
俺たちより抵抗力が低いなんてことがあるはずがない。
逆だ。
俺とフロウはなんで眠らないんだ?
戦いの途中だが、フロウを観察する。
「ディーさん! 戦いに集中して! 早くグリゴリーさんの回復を!!」
フロウが叫んだ拍子にマスクから白く胞子が舞った。
もしかして、マスクってファンタンゴの胞子対策に効くのか!?
じゃあ、何でグリゴリーは?
!!
こいつ!
ウレタンマスクだ!!




