オーガ出現! いくぜ『例の作戦』!!
1階層の探索を終えた。
1階層の敵はジャイアントラットと大吸血コウモリくらいだったので何とかなった。
ただ、入手した財宝は無しだ。
あとは、フロアボスに続く大きな扉だけが残っている。
「一度、外に出て、昼食を挟みませんか。」
俺は提案した。
俺たちはともかくフロウはずっと4メートルの棒を振り回している。
「まだ大丈夫ですよ?」
自分に対する気遣いであることを察知したフロウが元気をアピールした。
「いや、一度、外に出よう。順調にダンジョン攻略できる事も分ったし塔の前にベースを確保しておきたい。」
「それもそうですね。」
フロウが納得したので、俺たちは入り口に戻った。
そして、気づいた。
入り口の扉が開かない!
くそっ!
入ったものを閉じ込めるタイプの罠だ。
「まいった。こればっかりは・・・。」
グリゴリーが顔をしかめた。
トレジャーハンターの居ないパーティーでは扉の罠は解除できない。
「ダンジョンを攻略するしかないな。」
「そうですね。」
ダンジョンを攻略すれば、罠もモンスターも消える。
ちなみに最終的にはダンジョンも消えるが、中の冒険者が出て行くまで待っててくれる謎仕様だ。
俺たちは、仕方なく先に進むことにした。
つまり、フロアボスを倒すのだ。
このフロア最後の扉を開けるとそこは高い天井の部屋だった。
大きめのモンスターがフロアボスだと直感して思わずため息が出た。
後ろで扉がばたんと閉まる。
フロアボスの部屋ではよくある仕様だ。
普通に鍵がかかっているだけなので、トレジャーハンターか魔術師が居れば鍵を解除して出て行くことも可能だったりする。
だが、俺たちには不可能だ。
俺たちの灯りに気づいたのか、奥の暗がりから大きな人影が出てきた。
「オーガか!!」
まだ、マシなほうか。
トロールとかじゃなくて良かった。
ただ、今までこのパーティーでは戦ったことのないレベルの強敵だ。
「これは、『例の作戦』でいこう。」
グリゴリーが言った。
「大丈夫ですか?」
「モンスターへの密接は禁止されていない。」
心配したのはそう言う事ではなかったのだが、一番痛い思いをするグリゴリーが提案してきたのだから甘えさせてもらおう。
それに『例の作戦』がどのくらい実用的かを知りたい。
フロウが4メートルの棒を床に落とし、グリゴリーが松明をフロウに預けて前に進み出た。
俺も自由に振り回すには重すぎる戦槌を取り出し、グリゴリーにつづく。
オーガとグリゴリーが正面から向かい合った。
ずば抜けて背の高いグリゴリーよりもさらにオーガは1メートルくらい高い。
「リジェネレーション!!」
フロウがグリゴリーに持続型の自動回復魔法をかけたのが合図だった。
「おおおおおおっ!!」
大声を上げてグリゴリーが突っ込んだ。
オーガのこん棒が体勢を低くして突っ込んだグリゴリーの背中に当たる。
「ぐあああっ!!」
悲鳴を上げながらもグリゴリーがオーガの右足に取り付いた。
オーガーがこん棒でグリゴリーを何度も殴りつける。
一発ですごいダメージだ。
「ヒール!!」
すかさずフロウのヒールが飛ぶ。
「ぐわああああっ!」
殴られて悲鳴を上げながらもグリゴリーがオーガの足を持ち上げにかかる。
オーガが体勢を崩して倒れた。
今だ!
俺は倒れたオーガの頭のほうに回り込む。
オーガは足に絡みついているグリゴリーをひたすらに殴りつけた。
「いだああああっ!」
グリゴリーは悲鳴を上げながらも足を離さない。
「ヒール! ヒール!!」
フロウがヒールを連発する。
頭のほうに回り込んだ俺は、倒れているオーガの頭部に向かって戦槌を力いっぱい振り下ろした。
ドォオン!
「ウガアアアアア!」
オーガが悲鳴を上げて嫌がった。
やった!
ダメージが通る!!
これならいける!!
オーガは俺のほうに向けてがむしゃらに武器を振るが、さすがに当たらない。
俺は隙をみてもう一度殴る。
「ウガアアア!」
オーガは先に足に取り付いている人間を何とかしないといけないと判断したのか再びグリゴリーを殴り始めた。
完全にフリーになった俺は、全力でオーガの頭に攻撃を仕掛ける。
ドォーン! ドォーン! ドォーン!
「いだああああ!」 「いだああああ!」 「いだああああ!」
「ヒール!」 「ヒール!」 「ヒール!」
「ウガアアアア!!」 「ウガアアアア!!」 「ウガアアアア!!」
ハメ完成。
グリゴリーが不憫だが、勝ち確だ。




