魔術派むずかしいかも
「千尋ってば、せっかく怖い話で盛り上がってたのに辛気臭くなっちゃったじゃん」
桔佳が千尋さんを肘で小突く。千尋さんはむっと少しだけ唇を尖らせてから柔らかく笑った。
「大変だった時のことが都市伝説になるぐらい平和になって良かったな〜って、思ったの。
邪魔しちゃってごめんね、私たちもお風呂行きましょうか」
「ええ!!!
2人とも今からお風呂だったのお!?☆☆
もうちょ〜っとだけ遅くきたら一緒に入れたかもだ…!」
ツミキちゃんが大きな声で驚いて、しゅんと肩を落とす。私がめまぐるしく変わる表情を見ていると桔佳は残念でした、と笑った。
「傷修復しにいくからさ、どのみち一緒には入れなかったよ。
朝から戦って擦りむいたからお風呂でぱぱっと治しちゃえばいいじゃんって思って!」
「こんな朝から……」
「隣町でドロモスが3体も暴れてるって通報があったのよ」
困ったものだわ、と少し眉を下げながら千尋さんは微笑む。桔佳もうんうんと頷いた。
「魔法省でゆったりモーニング食べてたら警報なったんじゃん?も〜バシッと決めてサクッと回収してきた!!」
「ひえ〜〜それはお疲れ様だ☆☆」
ツミキちゃんがはわわ、と口元を抑えて労うと桔佳はへへ、と少し自慢げに笑った。
「そろそろいきましょうか、壺風呂埋まっちゃうから」
千尋さんの言葉に桔佳は「はぁい」と返事して、私達に手を振った。ついたての向こうへと消えていった二人を見送ってから、私とツミキちゃんも立ち上がる。
「そういえば私、バグのこと聞きにいきたいです……!」
バグ…?と一瞬ツミキちゃんは首を傾げ、それからハッとしたように顔をあげた。
「まにょんちゃんのとこ行こ!!☆☆☆」
-
「なにもわからん」
5階奥の部屋、まのんさんのいる部屋は大量のメモ書きと紙屑、カフェイン飲料の空き缶に塗れ散々な様子だった。
何らかのコードがA4の紙に殴り書きされていて、その全てにバツ印や打ち消し線が引かれている。
「システムには本当になんの異常もないんだ」
まのんさんは椅子から立ち上がってインサートカップに入ったコーヒーを一口飲むと、パソコンの画面に表示されている数字をトントンと叩いた。
「あの時と同じ状況を再現するために新規の魔法少女にもわけ言って協力してもらった。時間帯も合わせた。……なんの異常もない」
ふぃー、と息を吐いて肩を落とすまのんさんをただ見ているしかなかった。
「再現性もないとなれば手の打ちようがない」
そう呟いたまのんさんは疲れ切った顔でパソコンの画面で映されるドラマを眺めていた。
にっちもさっちも行かなくてドラマ視聴を再開したようだった。
「奏、だっけ?」
「は、はい」
まのんさんは振り返って私の顔をまじまじと見る。少しだけ憐れむような、それでいて"解放してくれ"と言った目をしていた。
「魔術派は諦めようぜ」
久しぶりすぎる 内容は後の展開や結末含めて全て覚えてて頭にプロットもあるんですけど文体をなにも覚えてない どんなふうに書いてたっけな みやこさんの台詞書ける気しない




