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不意打ち

誤字脱字の指摘、たいへん助かっております

「マサヨシ殿、すみません」

 急に念話が届いた。

「どうした?」

「あなたの妻になれないかもしれません」

「どうして?」

「盗賊たちに捕まってしまいました」

「どこだ? どこに居る?」

「わかりません。オウルの郊外なのはわかるのですが」

 そこで、念話が途切れた。髪留めが外れたのかもしれない。

 俺は急いで扉を出すと、オウルの外に出た。

 今できるレンジ一杯でレーダーを使う。ラウラを表示させるとラウラを表す光点が森の奥に見えた。すでに動いていない。


「もう移動していないか……、結構ヤバいかも」

 移動していないということはアジトのようなところに到着したって事か。

 俺ができる一番の速度を出し一直線でラウラに向かう。

 周囲に衝撃波が飛ぶのか周りは吹き飛んでいた。

 んー、気にしない。

 しばらく走ると、森の中に古ぼけた砦のような物が見えた。

「エン、スイ、フウ、出番だ」

「殺していいの」

 フウが聞いてきた。

「とりあえず、無力化だな」

 俺がそう言うと三体の精霊は砦の中へ飛び立つ。

「クレイ悪いんだが、ラウラに向かう直線の穴を作ってくれ」

「急いでるんでしょ? いいわ、作ってあげる」

 クレイは俺の正面に穴を出現させる。

 その先には一糸まとわずに両手を枷に繋がれつられているラウラが見える。

 乳房、腕、太ももには嬲られたのか赤い線。血が流れた跡があった。乱れた髪、しかし眼だけは死んで居なかった。

 目の前に穴が出現し俺を見つけるとラウラが驚く。

 俺は全速でラウラに近づいた。


 部屋に入ると盗賊。

 少しいい装備をつけている。こいつが首領らしい。

 本当にギリギリだったようだ。

 急に出現した俺を見て固まる盗賊たち。

「おま……」

 盗賊が何かを言おうとしたが手加減無しで腹を殴る。

 すると盗賊の体は爆散した。


 血に濡れた手を振り肉片を落とすと、

「大丈夫か?」

 俺は盗賊などは気にせずにラウラの枷を破壊した。

「ああ、マサヨシ殿、もうダメかと……もう会えないかと思いました。でも私はもう……」

 涙を流すラウラ。

「ああ、その話は後だ。とりあえずこいつらの始末だな」

 頭を撫でて安心させる。


 下半身露出のまま剣を持ち俺を襲う盗賊。

 数が上なのが理由なのか、余裕をもってニヤニヤしていた。

「お前等にラウラを見せたくはない。だから死ね」

「てめ……」

 盗賊の攻撃をあえて受けた。ホワイトドラゴンのローブとマジックワームの服のお陰で、痛くもかゆくもない。

 受けた剣を握りつぶす。

 それを見た盗賊たちのモノが縮みあがり、そして逃げ出した。

 それを見て俺もニヤリとする。

 逃がすはずもなく、部屋にいる盗賊たちを全て全力で殴った。


「この部屋以外の盗賊は無力化が終わったんですぅ」

 スイが報告に来た。

「おお、ご苦労。二度手間で悪いがそいつらの処理も任せていいか?ラウラの裸を見た男たちは生かしておけない」

「わかったんですぅ」

 再び精霊たちは散った。


 俺は治癒魔法でラウラの傷を消す。

 その時

「私は、私は、周囲から見られ、触られてしまいました」

 顔を逸らすラウラ。

「私の最初はマサヨシ殿にと……」

 そう言って涙を流すのだった。

 部屋の片隅にあった鎧下とローズシルバー、ミスリルレイピアを収納カバンに入れ終わると丁度精霊たちが戻ってきた。

 そして俺に纏わりつく。

「んー、やろっか」

 俺はラウラを抱え上げると、ダンジョンマスターの部屋へ向かった。


 真っ裸のラウラをベッドに投げる。

 手が空いたときにちゃんとベッドは準備しておいた。

「ん……。なぜ? もう私は……」

 ラウラが言う。

「俺はラウラと一緒に居たいから居る……じゃいかんか?」

「すみません、マサヨシ殿。私は……」

「俺はラウラの婚約者だ、ラウラを守れなかったのは俺の責任。ごめんなさいを言うのは俺の方だ。悪かったな……これじゃダメかね?」

「でも……」

「あー面倒だ、説明が難しい。ラウラは後ろめたいんだろうが俺はそんなことは気にしない。ラウラには気にしているように見えるか? お前が嫌いなように見えるか?」

「見えません」

 安心したような笑顔になるラウラ。


 布団の中でラウラは抱きつき。

「嬉しい」

 と言いながら涙を流した。


「すまんな、俺が守れなかったのが悪い。誰か精霊を護衛につけておけばよかったな」

 俺はラウラの頭を撫でながら言った。

「いいえ、私が油断していたのです。小隊で移動していたのですが騎士の中に内通者がいたようで私は馬から突き落とされました。他は殺されたようです」

 悔しいのだろう、手を握り締めて涙を流す。

 それは油断していなくても無理だろ。

「ふむ、なんで襲われたのかね」

「私がローズシルバーを渡さなかったからかもしれませんね」

「ああ、そう言えば武器屋の店主が王族が欲しがっていると言ってたな」

「はい、あの後、あの武器屋が何度か交渉に来たのですが、『これはマサヨシ様からもらった大切なものだ』と言って断っていたのです。しばらく交渉に来なかったので諦めてくれたと思っていたのですが……」

 ふむ、王族絡みか……マティアス王に聞いてみよっと。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] なんの対策もしなかった自業自得かもね
2019/11/10 23:39 退会済み
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