↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

84/115

第61話 「長男の本音と、“言えない気持ち”」


朝・変わらないようで違う


「いってきます」



はやてが先に玄関へ向かう。



いつも通り。



でも、ほんの少しだけ早い。




桜井桃華はその背中を見ていた。




(急いでる……?)




小さな違和感の積み重ね



保育園へ向かう道。




颯は自分から話さない。




桜と桃佳が話している横で、



静かに歩いている。




桃華は無理に声をかけない。




(今はまだ、様子を見る)




午前・颯太の視点



大学の講義中。




颯太の頭の中にも、昨日の話が残っている。




(我慢、か……)




自分の幼い頃を思い出す。




言えなかったこと。



飲み込んだこと。




(似てるかもしれないな)




夕方・小さな出来事



迎えの時間。




先生が少し補足する。



「今日はおもちゃの順番で少しあって……」




桃華と颯太が聞く。




「颯くん、本当はやりたかったみたいなんですけど」




「“いいよ”って譲ってました」




帰り道



「やりたかったの?」



颯太が軽く聞く。




颯は少しだけ間を置く。




「……べつに」




否定ではない。




でも、肯定でもない。




夜・きっかけ



夕食後。




桃佳と桜が遊んでいる横で、



颯は一人で座っている。




桃華が隣に座る。




「ねえ」




颯は顔を上げる。




「我慢するの、えらいよ」




颯は少し驚く。




「……えらい?」




言葉の選び方



桃華は頷く。




「でもね」




「我慢しなくてもいい時もある」




颯は黙る。




本音の入り口



少しだけ沈黙。




やがて、ぽつりと出る。




「……とりたかった」




小さな声。




でも、それは“本音”。




受け止める



桃華はすぐに否定しない。




「そっか」




ただ、それだけ。




颯は続ける。




「でも……けんか、やだ」




本当の理由



颯太も近くに来て聞いている。




「だから、ゆずったのか」




颯は頷く。




親としての答え



颯太はしゃがんで目線を合わせる。




「けんかしないのは大事だ」




「でもな」




「言わないと、伝わらないこともある」




桃華の補足



「“やりたい”って言うのは、わがままじゃないよ」




「気持ちを伝えること」




颯は考える。




小さな一歩



「……いってもいい?」




桃華と颯太は同時に頷く。




「いいよ」




締め



その日の夜。




颯は少しだけ表情が柔らかくなっていた。




“我慢するだけ”から、



“伝えることを知る”へ。




桃華が小さく言う。




「ちゃんと出せたね」




颯太は頷く。




「最初の一歩だな」



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。