第60話 「日常の再加速と、“新しい課題の予感”」
朝・完全に戻った日常
「よし、今日は行けそうだな」
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水上颯太が三つ子を見ながら言う。
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颯、桜、桃佳。
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三人とも元気に動いている。
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桜も、もう普段通りの表情に戻っていた。
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「むりしないでね?」
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桜井桃華が優しく声をかける。
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桜はしっかり頷く。
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「だいじょうぶ」
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保育園・再スタート
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久しぶりに三人揃って登園。
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先生も安心したように笑う。
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「よかったですね、元気になって」
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桃華は頭を下げる。
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「ありがとうございます」
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午前・それぞれの再加速
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颯太は大学。
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講義に集中しながらも、
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(また普通に戻ったな)
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と感じていた。
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桃華は仕事へ。
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マネージャーの岸田ほのかと再確認。
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「スケジュール、このまま維持でいきます」
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桃華は頷く。
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「はい、今のペースで」
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“安定”の維持
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急がない。
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増やしすぎない。
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でも止まらない。
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それが今の選択。
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夕方・新しい変化
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保育園の迎え。
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先生が少しだけ言いにくそうに話す。
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「実は……」
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桃華と颯太は顔を見合わせる。
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「最近、颯くんが少し“我慢すること”が増えていて」
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新しい課題
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「我慢?」
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颯太が聞き返す。
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先生は続ける。
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「自分の気持ちをあまり出さずに、周りに合わせる場面が増えていて……」
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桃華の表情が少し変わる。
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(成長……でも)
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帰り道
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颯はいつも通り歩いている。
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でも、どこか少しだけ静か。
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桃華が優しく聞く。
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「今日どうだった?」
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颯は少し考えて答える。
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「……たのしかった」
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間違ってはいない。
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でも、少しだけ“考えてからの答え”。
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夜・違和感の共有
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子どもたちが寝たあと。
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リビング。
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桃華が言う。
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「ちょっと気になるね」
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颯太も頷く。
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「我慢か」
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“良いこと”と“危うさ”
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桃華は静かに言う。
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「周りに合わせられるのはいいことだけど」
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「我慢しすぎるのは違うよね」
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颯太は考える。
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「出せなくなったらまずいな」
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親としての次の課題
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桃華は決意するように言う。
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「ちゃんと見てあげよう」
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「言える環境、作らないと」
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颯太は頷く。
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「無理に聞き出すんじゃなくてな」
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「自然に出せるように」
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締め
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日常は戻った。
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でもその中に、
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新しい“課題”が生まれている。
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桃華が小さく言う。
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「次はここだね」
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颯太は頷く。
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「成長の分だけ増えるな」
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