第58話 「小さなトラブルと、“家族としての対応力”」
朝・いつも通りのはずが
「……あれ?」
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桜井桃華が違和感に気づく。
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桜が、少し元気がない。
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「どうしたの?」
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桜は小さく首を振る。
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「……だいじょうぶ」
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でも、その声はいつもより弱い。
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違和感の正体
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颯太も気づく。
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「顔、ちょっと赤くないか?」
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桃華はすぐに額に手を当てる。
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「……熱ある」
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一気に空気が変わる。
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判断
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「今日は休みだな」
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颯太が即断する。
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桃華も頷く。
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「うん、無理させない」
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颯と桃佳は保育園へ。
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桜だけ家で看病。
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役割分担
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「俺、今日は講義午前だけだから」
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「帰ってくる」
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桃華は首を振る。
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「大丈夫、私いるから」
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少しだけ視線が交わる。
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“どっちがやるか”ではなく、
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“どう支えるか”。
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午前・看病
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桜はベッドで横になっている。
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桃華はそっと隣に座る。
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「つらい?」
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桜は小さく頷く。
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桃華は優しく頭を撫でる。
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「大丈夫だよ」
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その声は、“母”そのものだった。
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不安の共有
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桜が小さく言う。
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「……ひとり、やだ」
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桃華はすぐに答える。
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「ひとりじゃないよ」
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「ずっとここにいる」
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その言葉で、桜の表情が少しだけ緩む。
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午後・合流
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颯太が帰宅。
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「どう?」
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桃華が答える。
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「少し落ち着いたけど、まだ熱ある」
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颯太は桜の様子を見る。
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「頑張ってるな」
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家族の対応
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颯と桃佳も帰宅。
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「さくら、だいじょうぶ?」
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三人の関係も、ちゃんと育っている。
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桃華が優しく言う。
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「今日は静かにしようね」
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二人も頷く。
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夜・落ち着いた時間
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桜の熱は少し下がる。
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眠りにつく。
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リビング。
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桃華が小さく息を吐く。
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「ちょっと焦ったね」
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颯太は頷く。
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「でも、ちゃんと回った」
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“対応力”の実感
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桃華は静かに言う。
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「前だったら、もっとバタバタしてたかも」
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颯太は少し笑う。
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「経験値だな」
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締め
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小さなトラブル。
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でも、それを乗り越えることで、
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家族としての“強さ”が少し増える。
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桃華がぽつりと言う。
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「こういうの、これからも増えるね」
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颯太は頷く。
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「そのたびに慣れるだろ」
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