↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

125/180

第94話 「“日常への帰還”と、残り続ける感覚」


■レストラン・完全撤収後


最後の一人が店を出たあと、


⸻


店内は急に静かになった。


⸻


⸻


さっきまでの笑い声も、ざわめきも、すべてが嘘のように消えている。


⸻


⸻


テーブルの上には、食べ終わった皿とグラスだけが残る。


⸻


⸻


■ももの余韻


⸻


“斉藤もも”はその場に立ったまま、動かない。


⸻


⸻


さっきまでの自分。


⸻


話した言葉。


⸻


交わした視線。


⸻


⸻


それらが、まだ身体に残っている。


⸻


⸻


(楽しかった……)


⸻


⸻


その感覚は確かにある。


⸻


⸻


だが同時に、


⸻


少しだけ“戻れない何か”も感じていた。


⸻


⸻


■帰り支度


⸻


スタッフが片付けを始める。


⸻


⸻


「お疲れ様でした」


⸻


⸻


ももは軽く頷く。


⸻


⸻


「ありがとうございます」


⸻


⸻


そのやり取りはいつも通り。


⸻


⸻


だが、その“いつも”が少しだけ遠い。


⸻


⸻


■外へ


⸻


店の外に出る。


⸻


⸻


夜の空気が、肌に触れる。


⸻


⸻


静か。


⸻


⸻


あまりにも普通の夜。


⸻


⸻


■一人の帰路


⸻


ももは一人で歩く。


⸻


⸻


スタッフもマネージャーもいない。


⸻


⸻


完全に“個人”の時間。


⸻


⸻


■頭の中の残像


⸻


さっきの光景が、何度も浮かぶ。


⸻


⸻


名前を呼んだ瞬間。

笑った顔。

料理を囲んだ時間。


⸻


⸻


そして――


⸻


トイレでの、あの一瞬。


⸻


⸻


■言葉にできない部分


⸻


(あれは……何だったんだろう)


⸻


⸻


“ファンとの距離”ではない。


⸻


⸻


“仕事の一部”でもない。


⸻


⸻


完全に“個人の時間”。


⸻


⸻


■帰宅


⸻


マンションの前に着く。


⸻


⸻


鍵を取り出す。


⸻


⸻


扉を開ける。


⸻


⸻


■部屋の空気


⸻


中は静かだった。


⸻


⸻


電気はついている。


⸻


⸻


そして――


⸻


リビングにいるのは、水上颯太。


⸻


⸻


■無言の再会


⸻


目が合う。


⸻


⸻


言葉はない。


⸻


⸻


だが、それで十分だった。


⸻


⸻


■距離の確認


⸻


ももはゆっくりと近づく。


⸻


⸻


今日は“斉藤もも”のまま。


⸻


⸻


しかしその奥に、桜井桃華も確かにいる。


⸻


⸻


■一言


⸻


「帰ってきた」


⸻


⸻


短い言葉。


⸻


⸻


颯太は静かに答える。


⸻


⸻


「おかえり」


⸻


⸻


■空間の安定


⸻


それだけで、すべてが元に戻る。


⸻


⸻


外で何があっても、


⸻


ここだけは変わらない。


⸻


⸻


■小さな変化


⸻


ももがソファに座る。


⸻


⸻


少しだけ疲れたように背を預ける。


⸻


⸻


「……なんか、変な感じ」


⸻


⸻


颯太は聞く。


⸻


⸻


「どこが?」


⸻


⸻


■本音


⸻


ももは目を閉じたまま言う。


⸻


⸻


「外と中の差が、なくなってきてる」


⸻


⸻


それは不安でもあり、


⸻


同時に安心でもあった。


⸻


⸻


■颯太の答え


⸻


「いいんじゃないか」


⸻


⸻


「無理に分ける必要もないだろ」


⸻


⸻


■締め


⸻


部屋の中は静か。


⸻


⸻


外の世界はまだ動いている。


⸻


⸻


だがその両方は、


⸻


もう完全に切り離されたものではなかった。


⸻


⸻


ももが小さく呟く。


⸻


⸻


「このままでも……いいのかな」


⸻


⸻


颯太は少しだけ間を置いて答える。


⸻


⸻


「もう始まってるだろ」


⸻


⸻


その言葉とともに、


⸻


“日常への帰還”は、静かに形を変えていく。


⸻ 


最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。