5.1 謎解きの依頼
ライルに助けられて以来、俺は『影の盟約』に狙われていることを強く意識するようになった。彼らの存在は、常に俺の背後に影を落とし、日常のあらゆる瞬間に不穏な気配を感じさせる。リリアも、俺の身を案じて、以前にも増して警戒を強めてくれた。ギルドの依頼も、以前より慎重に選ぶようになった。いつ、どこで『影の盟約』が襲ってくるかわからない。俺たちは、常に周囲を警戒し、不審な影がないか、目を凝らしていた。
そんなある日、俺はギルドの掲示板で、とある依頼に目を留めた。それは、これまでの魔物討伐や素材採取とは全く毛色の違うものだった。
「古文書の解読:古王国の遺跡から発見された古文書の解読を求む。報酬:金貨三枚」
解読。この言葉に、俺の脳裏には、ある人物の顔が浮かんだ。俺の高校の国語教師、佐々木先生だ。彼は、古文のプロだった。どんな難解な古文でも、スラスラと読み解いてしまう、まさに「古文読解」の達人だ。彼の授業は、いつも眠気を誘うものだったが、今となっては、その知識が、この異世界で俺を救うかもしれない。
「リリア、これ、やってみないか?」
俺が提案すると、リリアは眉をひそめた。彼女の瞳は、依頼書に書かれた「古文書の解読」という文字を訝しげに見つめている。
「古文書の解読? あんた、そんなスキル持ってたっけ? 私が知る限り、あんたは戦闘系のスキルを借りるのが得意なだけでしょ」




