4.1 変わる日常
迷子の少女を救って以来、俺とリリアはギルドで引っ張りだこになった。俺の「スキルシェア」は、もはやギルド内では伝説と化しつつあった。重い荷物を運ぶ依頼では「怪力」を、隠された宝を探す依頼では「探索」を、時には「鑑定」スキルを持つ商人の力を借りて、珍しい素材を見つけ出すこともあった。どんな依頼でも、俺のスキルシェアとリリアの「探索」スキルがあれば、不可能はないとまで言われるようになった。
俺たちの評判は、街中に広まり、俺のスキルを「奇跡の力」と呼ぶ者まで現れた。街を歩けば、人々が俺に感謝の言葉をかけ、子供たちが目を輝かせて俺を見つめる。ギルドのマスターも、俺たちに期待を寄せ、より難易度の高い、しかし報酬も破格の依頼を任せるようになった。俺の異世界での生活は、順調に進んでいるように見えた。まるで、俺がこの世界の主人公になったかのような錯覚に陥るほどだった。
しかし、その一方で、俺の能力に不穏な目を向ける者たちもいた。ギルドの片隅で、俺のスキルについてひそひそと話す冒険者たち。彼らの視線は、好奇心だけでなく、どこか警戒や羨望、あるいは敵意のようなものが混じっているように感じられた。それは、まるで、俺が何かとんでもない秘密を抱えているかのような、探るような視線だった。街中で、俺の姿をじっと見つめる怪しい影。彼らは、俺が気づくとすぐに姿を消すのだが、その視線は、まるで闇に溶け込むかのように、俺の背中にまとわりついてくる。俺は、常に誰かに見られているような、不気味な感覚を抱くようになっていた。それは、まるで、透明な糸で操られているかのような、不快な感覚だった。夜、宿舎の窓から感じる視線は、日に日に強くなっていた。




