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次の月曜日の夜。
家に帰って来た私は、コンビニで買ったお夕飯を簡単に済ませて、後片付けもせずに炬燵の中でうだうだしていた。
化粧も落とさず、お風呂にも入らずに、このまま寝てしまおうかとも思う。
今日は、仕事でちょっと嫌なことがあったのだ。
別に私がミスをしたという訳ではなかったのだけど、営業の人に送ったメールの文章が思ったように伝わらなかったみたいで、電話で確認したらちょっとキツイことを言われてしまった。
ただそれだけのことと言ってしまえばそれまでのことで、他の仕事が手に付かなくなる程落ち込んだりはしなかったものの、こんな風にぼうっとしていると、どうしても思い出してしまう。
私に至らないところがあったのは確かだろうけど、全く落ち込まずにあっさり気持ちを切り替えて頑張れる程、私のメンタルは強くできていなかった。
私が炬燵のテーブルに顎を預けて溜め息を吐くと、するりと炬燵布団から出たにゃん三郎が、私にぴたりと体をくっ付けて、隣に座って来る。
私がにゃん三郎に顔を向けると、にゃん三郎はじっと私を見つめてきた。
その目は、どことなく心配そうだ。
にゃん三郎からしてみたら、私が落ち込んでいる理由なんて見当も付かないだろうし、きっと余計に心配なのだろう。
私はのろのろと手を上げると、にゃん三郎の頭をそっと撫でた。
「大丈夫だよー。今日はちょっと疲れちゃったんだ。今日はもう、パジャマに着替えて寝ちゃおうか」
私がわずかに残っていた元気を振り絞って、できるだけ明るくそう言った時、テーブルの上のスマートフォンが着信を知らせてきた。
にゃん三郎から手を離して、ディスプレイに視線を流すと、そこには『まっしー』の名前が表示されている。
例の彼とはちゃんと話せたのだろうか。
気になって、私はすぐさま電話に出た。簡単な挨拶を交わしたところで、
『まっしー』が気遣わしげな声で訊いてくる。
「大丈夫? 何だか元気ないみたいだけど……」
私としてはいつも通りにしているつもりだったのだけど、電話の向こうの『まっしー』に気付かれるなんて、仕事のダメージが思ったより大きかったみたいだ。
下手に取り繕っても無駄なような気がしたから、私は正直に答える。
「実は今日、仕事でちょっと嫌なことがあって、落ち込んでたとこだったんだ」
「あ、ごめん。変な時に電話しちゃったみたいね。また今度かけ直そうか?」
「ううん、大したことじゃないから大丈夫」
本当はあまり人と話したい気分じゃなかったけど、せっかく電話して来てくれたし、あの後『まっしー』がどうなったのか気になっていたから、私は敢えて訊いた。
「で、どうだった? 例の彼とは話せたの?」
「うん、思い切って昼休みに声掛けてみた。『もしかしてカードの文字、読めなかったですか?』って訊いてみたら、ホントにそうだったんだって」




