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あなたの『謎』、聞きます  作者: 佳景(かけい)
第3話 メッセージカード
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―32―

 『まっしー』がカードの話題を振った時、例の彼は慌てていたみたいだったから、『まっしー』に嫌われたくないとは思っているようだし、メッセージカードを見ずに捨てたりするとは考え難い。


 多分『ペンタブ』さんの言う通り、彼はメッセージカードを失くしたか、見ても読めなかったのだろう。


 彼は気まずくて、なかなか『まっしー』との距離を詰められないかも知れないけど、私がほんの少し『まっしー』の背中を押してあげれば、二人の仲は上手く行くのかも知れなかった。


 もしそうなってくれたら、私も嬉しい。


 私は弾む心に合わせて、いつもより少し語尾を上げて言った。


「後で友達に話してみます。ありがとうございました!」

「お役に立てて良かったです。そのお友達のことを随分気に掛けていらっしゃるようですが、よっぽど大事なお友達なんですね」


 『ペンタブ』さんにそう言われて、私は少し考えた。


 『まっしー』は友達だけど、親友レベルで仲がいいかと言うと、そこまでではないと思う。


 私にとって一番気が合う子は、『まっしー』ではないし。


 でもこういうことは、仲良しの程度とはあまり関係ないような気もした。


「大事って言うか、特別仲がいいって程でもないんですが、友達が幸せになれそうなのはいいことですし、それってちょっと嬉しくなりませんか?」

「……ああ、今凄く癒されました」


 質問の答えになっていない上に、全く予想外のリアクションを返されて、私は全く訳がわからなかった。


 この人は、やっぱりちょっと変わっていると思う。


「えーと、今の質問のどこに癒しの要素があったんでしょうか? 人として当たり前って言うか、特別なことは何も言ってないと思うんですけど……」

「いやいや、その当たり前ができない人も多いでしょう。『肉球ぷにぷに』さんは、癒しを感じるレベルでいい方だと思いますよ」

「はあ、どうもありがとうございます……」


 私は困惑しながらも、とりあえずお礼を言った。


 「癒しを感じる」なんて言われたのは初めてだし、私にそんなものを感じるのは、きっとこの地球上で『ペンタブ』さんくらいだろう。


 漫画家なだけあって、『ペンタブ』さんは感性がちょっと独特なのかも知れなかった。


「そう言えば、次の合図は何にしましょうか?」


 私がそう尋ねると、『ペンタブ』さんは言った。


「じゃあ、コーヒーカップにしましょう」

「わかりました。それじゃあ」

「はい、失礼します」


 私は電話を切ると、早速『まっしー』にメッセージを送った。






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