55. 俺TUEEE勇者
「ウッヒョーー! 俺TUEEEーー!!」
第22階層、湖畔のログハウス前では、前代未聞のジェノサイドが行われている。
「何なの?! 何が起こってるの? 貴方は、一体何者なのよ!!」
女悪魔スルトは、目の前で起こっている一方的で、無慈悲な大虐殺に頭が追い付いていないようである。
「だから、最初から言ってるだろ!
俺は勇者だって!」
俺は、勇者らしく、ニヒルにニヤリと笑う。
しかし、リッチーなので、皮が引き攣って不気味な感じにしか見えない。
「そんな筈は……闇属性のリッチーが、光属性の魔法を使うなんて考えられないわ……」
「そんな頭が固いこと言ってるから、今のこの状況に陥ってるんだよ!
オラオラ! 第3階位光属性魔法、オールヒール!」
俺は遠慮なく、ゴーストを殺しまくる。
ギャアアアァァァァァ……!!
俺が放った第3階位光属性魔法、オールヒールにより、一瞬で近くにいたゴーストが300匹ほど消え去ったようだ。
ティッティティーン!
「ウッヒョー! またレベルが上がったぜ! オッ! 第4階位光属性が使えるようになったぞ!
それじゃあ、早速、第4階位光属性魔法、ベホ〇ラー!」
俺の光属性魔法ベホ〇ラーで、近くにいたゴースト600匹が、一瞬で消えた。
一応、言っておくが魔法はイメージ力。
魔法の名前など、どうでも良いのだ!
例え、某有名ゲームの魔法と同じ名前だとしても気にしてはいけない。
ベホ〇ラーで、普通、魔物を倒せないし、ギリギリセーフ。
「クッ! こんな筈では!」
女悪魔が、女騎士でも無いのに『クッ!ホニャララ!』を使った。
「カッカッカッカッカッカッ! これがハーレム勇者の力なのだーー!
弱っちい、糞虫どもーー!
俺の地獄の魔法で死に晒せーー!」
「クッ! 悪魔め!」
「悪魔はお前だろ! というか、悪魔の癖に、女騎士のような言い方やめろよな!」
俺は取り敢えず、スルトに注意しておく。
「この私が、こんな訳の分からないリッチーなんかにやられるなんて……せめて、猫だけでも殺してやるわ!
ゴーストよ! 猫を殺すのよ! せめて、猫ぐらいは殺して、一矢報いてやるのよ!」
「ギィギィーー」
女悪魔スルトの命令により、ゴースト達が、一斉にミーナに襲いかかる。
しかし、
「ニャ~」
ミーナが鳴き声を発すると、ミーナに襲い掛かった残り全てのゴーストは全滅してしまった。
「そ……そんな事って……」
女悪魔スルトは、何が起こったか理解が追いつかないようだ。
「残念だったな! ミーナタンも、俺と一緒で勇者なんだよ!」
「猫なのに勇者?」
女悪魔スルトは、益々理解が追いつかなくなってしまったようだ。
俺だって、未だに、猫が勇者なのを理解できないけど。
「で、またまた、お前だけになったな!」
「クッ! 魔王様にお借りした、1万の精鋭を全滅させてしまうなんて……」
俺は、四つん這いになって落ち込んでいるスルトを無視して、魔法の鞄の中から、シロの糸で作ったオリ姫モーニングスター用の紐を、オリ姫の頭にくっ付けた。
「じゃあ、スルトさん、貴方も死んで下さい!」
俺はオリ姫をクルクル回して、遠心力を付ける。
「えっ? えっ?! えっーー!!」
スルトが、回転するオリ姫に気付いて立ち上がり、後退りする。
「それじゃあ、サヨナラーー!!」
「止めてーー!! それ、滅茶苦茶痛いのよぉーー!!」
俺は、女悪魔スルトの叫びを無視して、そのままオリ姫を、女悪魔スルトにぶつける。
ボキボキボキボキ!!
肋骨や背骨。骨という骨が粉砕された音と同時に、女悪魔スルトは叫び声を上げながら空高く飛んでいき、そして、星になった。
因みに、モーニングスターは、先端のボールの突起が星のように見えるから、モーニングスターと言うらしい。
そんな感じで俺は、2回目の魔王の手下の襲撃を、華麗に撃退したのだった。
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