41. オリ姫
「ご主人様!
オリ姫に、この階層には火山スライムしか居ないのか聞いたら、『大きいスライムがたくさん居るよ!』と、教えてくれたよ!」
何故だか分からないが、シロは、オリ姫と意思疎通が出来るようになったようである。
「何だと! それはスライムキングとかか?」
「う~ん……分かんないけど、オリ姫は、大きいスライムに虐められて、火山に逃げて来たんだって!」
「何だと! その大きなスライム達は、オリ姫を虐めていただと!」
「そうだって、そいつら許せないね!
僕の妹分のオリ姫を虐めるなんて!」
どうやら、シロも怒り心頭のようである。
俺の所有物であるオリ姫を虐めるとは、デッカイスライム許すまじ。
俺達はブチ切れて、早速、デッカイスライムを倒しに行く事に決めた。
「ご主人様! あの大きな岩の向こうが、大きなスライムの縄張りだって!」
「よし! 生意気なスライムは、皆殺しだ!
シロ、オリ姫、俺に着いて来い!」
「了解!」
「キュイ!」
俺は、シロとオリ姫を従え、勇んで岩の裏側に飛び出した。
「エッ! ウソ……」
俺が飛び出した先にいたのは、デッカイ火山スライムの群れであった。
「ご主人様! デッカイ火山スライムです!」
「チョット、俺には無理! 俺、水属性魔法使えないもん!」
「僕も無理ですよ! 一匹なら兎に角、パッと見、100匹以上居ますよ!」
「キュイ!」
と、俺とシロが二の足を踏んでいると、オリ姫が、デッカイ火山スライムに一匹で突っ込んでいった。
「エッ! ウソ……!」
オリ姫は、そのまま、デッカイ火山スライムの一匹に体当たりした。
ドッカーン!!
デッカイ火山スライムの体が歪み、デッカイ火山スライムは、苦痛の表情を浮かべる。
「効いてるのか?」
「効いてる事は、効いてると思いますよ……だって、デッカイ火山スライム、痛そうな顔してますもん!」
「だな……」
しかし、苦悶に満ちた顔をしていたデッカイ火山スライムの顔が、突然、怒りの表情に変わった。
そして、オリ姫によって陥没させられていた体を、一気に、元の状態に戻す。
それと同時に、デッカイ火山スライムに埋まっていた、オリ姫が、凄いスピードで飛びだして来た。
そして、その隣にいた別のデッカイ火山スライムに、再び、オリ姫はめり込む。
オリ姫が当たったデッカイ火山スライムは、苦悶に満ちた表情をする。
そして、前のデッカイ火山スライムと同じ様に、デッカイ火山スライムが体を元の状態に戻すと、オリ姫が、再びロケットのように飛びだして来て、また別のデッカイ火山スライムに当たった。
それからは、それの繰り返し。
オリ姫は、何百匹もいるデッカイ火山スライムに、ピンボールのように当たっては弾き飛ばされるという行為が繰り返され、20分後、ようやくオリ姫は、火山の方に、ピューン!と、弾き飛ばされて行った。
「何だコレ?」
「何でしょう?」
俺とシロは、顔を見合わせる。
「どっちかというと、オリ姫が虐められているというより、オリ姫が、デッカイ火山スライムに迷惑を掛けてるようにしか見えないが……俺の気のせいか?」
「オリ姫の攻撃、とても痛そうですもんね……」
シロが、何故か、申し訳なさげに答える。
オリ姫の姉貴分として、デッカイ火山スライムに、チョットだけ申し訳ない気持ちになってしまったのだろう。
「そうだな……」
俺とシロは少しだけ微妙な空気になりながらも、再び、元いた活火山に登りオリ姫を探した。
「アソコにいましたよ!」
「ああ……いるな……」
オリ姫は、気絶して目をクルクル回していた。
「大丈夫なのか?」
「どうでしょう……」
と、シロは、俺に返事をしながら、オリ姫をゆらす。
すると、
「ピュイ!」
と、オリ姫が、元気に飛び上がった。
「大丈夫だったのか?」
「ノーダメージだそうです! ただ、弾かれ過ぎて目が回ってただけと、言ってます!」
「何だそれ……」
俺は、オリ姫の防御力に、ただだた呆れてしまう。
「デッカイ火山スライムは、確実にダメージ受けてましたもんね」
シロが言うように、デッカイ火山スライムは、オリ姫とぶつかって苦悶の表情を浮かべていた。
オリ姫は、その防御力と素早さに目がいきがちだが、力3000という攻撃力も伊達ではないのだ。
兎に角、オリ姫が、デッカイ火山スライムの仲間になれない理由が分かった。
デッカイ火山スライムも、オリ姫と関わりたく無いのだ。
だって、オリ姫と関わるとダメージ受けるし。
体がオリハルコンのオリ姫にとっては、ただ、デッカイ火山スライムと遊んでるつもりかもしれないが、デッカイ火山スライムにとっては、オリハルコンのボールで、攻撃を受けているようなものなのだ。
デッカイ火山スライムにとっては、たまったものでは無い。
下手をすると、死んでしまうし……。
まあ、デッカイ火山スライムは、オリ姫の事を、不倶戴天の敵だと認識してるに違いない。
「ご主人様、それでどうしますか?」
「まあ、デッカイ火山スライムを倒すしか無いだろ!
アイツら、経験値たくさん持ってそうだし!」
俺は、デッカイ火山スライムを倒す事に決めた。
オリ姫が仲間である今、経験値を稼ぐ為には、デッカイ火山スライムを倒すしかないのだ。
「どうやって倒すんですか? あのデッカイ火山スライム、火山スライムキングですよね?
普通の火山スライムも好戦的だったのに、100匹以上もいる火山スライムキングなんて、僕1人じゃとてもじゃないけど、倒せないですよ!」
シロが、自分だけで倒すのは無理と訴えてくる。
まあ、俺の攻撃が火山スライムキングに効かないので、そう思うのは当然であろう。
「一匹、一匹分断させれば、何とかなるだろ!」
「そんな事、可能なんですか?」
シロは、不安そうな顔をして俺に質問してくる。
「オリ姫を使えば、何とかなる筈だ」
俺は、まだ、不安そうな顔をしているシロに、少しだけヒントを与えてやった。
「オリ姫を? どうやって?」
「まあ、俺に任せとけ!」
俺は、何故か嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねてるオリ姫を見て、ニヤリと笑った。
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