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地下牢⑬

体感的には、まだ午前中のように思える。

空腹などの生理現象が少なくなってきているので、時間の間隔が大体でしか判断できない。

話は変わるが地下室に閉じ込めて生活をする実験が行われた時に被験者には時計など時間をわかるものは与えずに過ごしてもらった際に、4か月後に外に出てもらうと被験者はまだ2カ月しか経っていないですよと時間間隔がくるっていたらしい。

いまいる地下牢は昼夜が判断できる分、時間の流れを認識できるけれど、同じような体調や環境が続けば体感の間隔なんて容易に乱れていくのだろう。


机部屋の食糧庫扉前にやってきた。

ようやく手に入った鍵がぴったりハマればいいのだが。ハマらない時には階段先に進むことになってしまう。なんとなくだけど、階段の先には一度通ったら戻れなくなるような、感覚的な圧力がある。棒ゲームだと白い雲のようなもやがあって、それをくぐるとボス戦なんだよな。死んだら終わるこの世界では無理な冒険は避けるべきだ。


ガチャッ。


鍵を差し込み、反時計回りにまわすとロックが解除されたような音が無機質な机部屋に響く。開いたのか確かめるようにドアンブをゆっくりとまわすと、今までは回りもしなかったノブが開いていくのが手先に感じられた。


柑橘系のかおりと麦の焼けた臭いで充満していた。昨日の爆発以降何も食べていなかったので久々の食事に空腹感が生じてくる。

硬めのパンで口を塞ぎながら先ほど手に入れた麻袋にパンと丸い野菜みたいな食べ物、飲み物は少し重めだが小さめの樽に移し替えて運ぶことにした。1L程度なのか持ち運ぶ分には注意すればこぼさないだろう。


食糧庫入口わきには動物皮でできた長靴のような靴が数足あった。


『家畜鳥の皮ブーツ』


鳥の皮だったようだ。鳥の皮でもブーツが作れるようだ。


「鳥の皮と言えば食料でしか見たことないけど異世界では靴にもなるんだな」


「鳥の皮は比較的薄く柔らかいため、強度が必要な部分には革や補強材を使うことが必要です。一部の地域に住む鳥の皮は外敵に備えて皮に厚みがあり様々な用途で使われます。乾燥しやすく硬くなりやすいため、柔軟化する必要があります。柔軟化のためには、皮を水に浸して柔らかくする方法や、専用の皮なめし剤を使う方法があります。」


宗教的に人里離れた辺境なのかもしれない。

ブーツ履くこと自体あまりなかったことだが何も履いてないよりは全然マシになるはずだ。

サイズがバラバラだったので自分のサイズにあったブーツを探し出した。


履き心地は今一だけど、裸足よりは地面の凹凸の影響を受けにくく、歩いてても痛くならない。食料、ナイフに次ぐ、大きな発見となった。


食料や飲み物はしばらく困る事はないほどの備蓄だったので生活する分にはこまることはんさそうだ。腐ることが心配だが、ここでも魔法的なものが働いているようで、黴臭さなど特異的な香りはなかった。飲み物のいつも通りの牛乳テイストだ。


さあ、早く信者さんに飲ませてあげよう。


地下牢部屋に飲み物と食べ物を零さないよう、慎重に運び移動するのだった。


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