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痛み
傷の痛みがブレーキをかける
病棟へ向かう足が止まる
仲間の声が勇気をくれる
「ほらっ いくよ」
昨日あったことなんて何てこと無いように
立ち止まらない振り返らない
ただ前だけを向こうと言われている
昨日のことは右手の傷が覚えている
ズキズキ痛む傷と心を隠して
「昨日はよく寝れましたか?」
笑顔で話しかける看護学生
「よく寝たわよ もう、ぐっすりよ」
明るく返ってくる患者様の声
「良かったです。検温させて下さいね」
いつも通りの病室に安堵する看護学生
死に直結する病棟ではないが
人間の真の姿を垣間見たような感覚
看護の難しさを覚えた病院実習。
泣きたくても辛くても頑張り続ける
それが与えられた実習内容だから
必死に乗り越えようと頑張る よつ葉
皆様の愛に支えられ背中を押してもらい
応援の言葉を勇気に変えて 笑顔で病室に向かう