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あたたかな手
「いつも ありがとう」
赤ちゃん天使に舞い降りた言葉
まだまだ半人前の赤ちゃん天使
拙い看護なのに 言葉が届いた
「ありがとう」
「頑張ってるね」
「ちゃんと看護師になってね」
私の実習風景を見ていたご家族からの言葉
病気に立ち向かい治療に励んでいた
痛みや苦しみから解き放される瞬間
ご家族がかける言葉が涙を誘う
医療従事者一同が 頭を下げる
担当だった看護師が 声をかける
「管とか医療機器を外してあげましょうね」
家族が一度 廊下にいてもらう。
生命維持装置を外す
貼っていたパットを剥がしてあげる
家族を呼ぶ頃には、まるで眠っているよう
患者様へ私たちができる最後の事柄
病院の裏口へお見送りに行く
手を握られ 一言言われた言葉
「あなたに担当してもらえた主人は幸せでしたよ。色々頑張ってくれてありがとう」
奥さまのあたたかい言葉と手の温もりでした。