進み始めたのは
神々に愛されたその国が、四人が出会い、生きた場所になった。
顔のあちらこちらに擦り傷を作った琥珀色の瞳の少女が立つ横で、灰色の髪の少女が溜息をつきながら懇々と諭すように言葉を紡いでいる。
そんな彼女達を笑顔で見つめる黒髪の青年と、腕を組んで無表情のまま彼女達を見つめる銀髪の青年。
二人の視線に気が付いた琥珀の少女が、もう一人の少女の小言などまったく堪えていないと云わん
かりの明るい笑顔を浮かべる。辺り一面に華が咲くような笑顔だった。
―――それは、昔々に失われた在りし日の光景。
二人の少女は立ち上がった。
粉々になった鏡の一部を握りしめたせいで自分達の掌から滴る血筋に、気が付いて顔を上げる。
掌から溢れ出る血を止めるように力強く拳を握って、彼女達は前を向いて歩き出した。
蹲ったまま血を流す、二人の青年に気が付かないまま―――。
これにて『琥珀の女神』は完結になります。
無事完結させることができました。読んでくださった皆様、お付き合い下さりありがとうございました!!!
色々気になる要素は残っていると思いますが、それは次の話に続きます。
とりあえず、復讐劇は完結ということで、ここで一度連載を完結として、また新しい話として書いていくので、その時はまたお付き合いのほどよろしくお願いします。
次回は『琥珀の女神』シリーズではなく、作者の趣味丸出しの中編を連載するので、それにも目を通してもらえたら幸いです。
それでは次回作でお会いしましょう!!




