12 あなたはあだ名を持ってますか?
上田:「ん...あ...あれ...?ここどこ...?」
田村:「お、やっと目が覚めた。今は大丈夫?」
田村さんが持ってるのは...布...?
濡れてる布を持ってる...あぁ!
私の看病してくれてたのか!
上田:「今は大丈夫だよ、田村さんのおかげで。看病してくれてたんだね?ありがとう。」
田村:「いやいや。私たち、勇者パーティとかの前にまず、もう友達でしょ。そしたら当然だよ。」
え...// 優しい//
まぁ別にここからTLが始まるわけではないんだけど。
え、そうだよね?
いや、そうしよう。
私、BLとTLって、好きじゃないんだよね。
いやあの、そういう人たちを否定してるわけでは決してないんだが。断じて。
田村:「それはそうと、いま関係ないかもしれないんだけど、その呼び方、ちょっと好きじゃないんだよね。」
上田:「...といいますと?」
田村:「さっき言った、『田村さん』って言い方。」
え、そこなんか思ってたんだ。
距離感感じるとか?友達って言ってたから。
だったら...
上田:「たむ...ちゃん...ってどう?たむちゃん。」
...どうだ?
小中高ともにまぁまぁ陰キャ寄りといわれ、人とあだ名を決めるなんてことをしたことのない私の、『たむちゃん』...!
一応かなりの自信あり!
田村:「ん-...採用!私は『うえっち』って呼んでいい?」
よっしゃ採用!
それと...
上田:「『うえっち』...?」
ど...え...どういう由来です?
田村:「え、嫌いだった?この呼ばれ方。」
上田:「いや、そうなんじゃなくて、『うえっち』の、あだ名の由来がちょっと難しくて。」
田村:「あぁ、由来としては、まずあなたの名前は『上田町南』、ひらがなだと『うえだまちみ』だよね。」
上田:「はいはい。」
田村:「その『うえ』と『ち』をとって『うえっち』になった。まぁ別に上田っちを略して『うえっち』っていうのもあるっちゃあ、ある。」
え...// 下の名前もちゃんと覚えてくれてたんだ...//
もちろんここからもTL展開はありません。
田村:「それで、話変えるんだけどさ。」
上田:「何?たむ...ちゃん...」
いや何その不敵な笑みは!
田村:「今日はまたいろんなとこ行くって。」
上田:「えぇ、そうなのか...まぁもう体も大丈夫そうだから...って、今日!?」
田村:「え...そうだけど...?」
え、つまりそれって、もう一日以上経ってたの!?
なんとまぁ。
上田:「私が倒れてから今日で何日目?」
田村:「まだ昨日の今日だけど。」
上田:「あ、そう、よかった。ありがとう。」
まさか、昨晩は夜通しで看病とかしてくれてないよね!?
いや、感謝だなぁ、本当に...
上田:「ありがとう!本当に!」
田村:「...?い、いえ、どういたしまして。」
今度いつか恩返ししとかないとなぁ。
覚えとこう。
流石にこの恩はでかいぞ。
田村:「あ、話し戻すけど、今日はいろんなとこ行って、国王様が言ってた【最近ブイブイ言わせてるやつ】を本格的に探しに行くって。」
上田:「りょーかい。」
そいつの国王様公認の名前は【最近ブイブイ言わせてるやつ】なの?
かなりとちくるってるなぁ、国王様。
田村:「ねぇ、もうそろそろ歩けそう?...あ、別に圧かけたかったわけではないよ。」
上田:「ちょっとまって、一回試しに立ってみる...うん、立てるし、たぶん行けるよ。」
田村:「じゃあ、もう朝食の時間来てるだろうし、行こうか、うえっち!」
上田:「...! そうだね、たむちゃん!」
病気じゃないけど、看病でいいのか...?
まぁええか。
間違ってたら変えます。




