名前
今回短めです
「こんにちは。」
挨拶は出たが、次の名前を紹介する事が出来ない。返して貰った名前は魂に刻まれた。だから自分でも解る
エメラディア・エリーゼ・ド・ラングラム
これが私の名前。ただこれはついさっき迄エメラディア様が名乗っていた名前で、ラングラムは伯爵家の家名私は血縁者では無いのに、名乗るのは可笑しい。
「貴女の名前は魂に刻まれた名前で合っているのよ。貴女はラングラム伯爵の本当の娘なのだから。」
アテナの言葉が飲み込めない。ストンと落ちて来ない。だって自分の娘を奴隷として扱う父親がいるのだろうか?食事もまともに取った事がない。殴られて、鞭で打たれて。それが父親?
「さて、本人が名乗れない様なので私が代理で。彼女はエメラディア・エリーゼ・ド・ラングラム嬢です。
ラルクアン殿に守って欲しい子です。」
ん?守って貰わなくても多分これからは大丈夫ですよ?ラルクアン様はニコニコと、任せて下さい。と言って居るけど、剣も弓も体術もなんなら魔法も使えますから。私の内心にお構いなく、二人は話しを始める。
「王太子には幻滅しました。二度も過ちを犯すなんて。しかも、花嫁にする相手を殺したのに、まだ花嫁にしようとするなんて。」
ラルクアン様は首を左右にゆっくり振りかながら溜息を吐く。アテナは口を大きく開けて笑い出した。
「自分が罪の無い相手を二度もヤッたのにね。もう一人のバカもエメラディアを捕まえられなくて、呆然としていて可笑しかったよね。」
あの男の子の事か。彼が探していたのは私って事?
何で探して居るんだろう。伯爵の娘なら彼とは関係ない筈だわ。
「と、言う訳でエメラディアは、王太子とあの子に追われる事になりました。ドンドンドンパフーパーフーパーフードンドンドンパーフー」
拍手をしながら何かの楽器の物真似をするアテナに胡乱な目を向ける。しかも、二人に追われるって何よ。
「私は数日に一度見に来るわ。余り頻繁に来るとジジイ達にバレちゃうから。で、名前どうするの?」
「前に殺される時にアテナが呼んでくれたエリーゼにしたいんだけど。」
アテナは嬉しそうに目を細めて懐かしそうに私を見た。
「エリーゼは貴女のお母さんの名前よ。エメラディアは瞳がエメラルドの様だから。洗礼名は母親のエリーゼの様にと。付けられた名前だそうよ。だからお母さんが喜ぶと思うわ。」
アテナは母と仲が良かったらしい。親友だと言っていた。だからか余計に嬉しい。
「では、私はエリーと呼ばせて頂いても?」
ラルクアン様が私の手を取り上目遣いに見ている。
「そうね。お店ではエリーの方が良いわね。明日からで大丈夫?」
私は頷いた。寝ていても仕方がないから。伯爵家では寝ている暇は無かった。だから大丈夫。
「今日は早めにゆっくり休んでね。明日から頑張れる様に。私はやり残した事があるから帰るわ。」
「私も近衛に戻ります。何か話しが出るかも知れませんから。」
ラルクアン様が立ち上がるとアテナも立ち上がり
またね。と消えた。ラルクアン様は玄関から出て行った。明日から頑張る為にお茶を片付けて就寝した。
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