お母さんとデート1
お母さんとのデート編です。
長くなりそうなので分けさせて貰います。
母娘で腕を組み男性陣は、少し離れた後ろから着いてくる。申し訳なく後ろを振り返ろうとすると、お母さんに強制的に前を向かせられる。
母って普通こう言う事は息子としたがるものじゃないの?息子が居ないなら解るけど、息子そっち退けで娘と。余り聞かないよね?
「エメラディアちゃん。此処よ。」
お母さんに連れられて来たのは、ブティック。カップルで男性が着いて来る事はあるけど、男性が三人で入る事出来るの?ドアを見つめていたら、三人の声は店内から聞こえて来る。
「エリーゼ様とエディお揃いでしたら、こちら等が似合うかと。」
「此方は如何ですか?試着等は?」
「エリーゼとエメラディアの瞳の色で選び色違いはどうだ?」
三人三様に勧めて来る。四人に気が付かれない様に値札を見て、ゼロの数を3回は数え直した。
桁が多い。
こんなお高いもの誰が買うのよ。
待って、待って、手持ちが無いわ。
安い商品を探し始めるが、どれも私の普段着の値段からゼロが二つ、三つ多い。物に寄っては値札が無い。
値札が無いって。世に言うご令嬢がお買い上げされるものでは?
身体中の汗腺から汗が吹き出る。
どうやってこのお店出たら良いのよ。
「お母さん。あのね。」
お母さんの方を向くと直ぐ側に居た四人に取り囲まれた。お母さんは手に持っている服を私に当てて来る。
「これ似合うわよね?」
服を当ててじっくりと上から下へと視線を動かす。男性陣三人は黙って頷いている。
「じゃぁ私は?」
お母さんは、自分にも服を当てて男性陣に見せる。三人はまた黙って頷いている。
「これ頂けるからしら?あと、そちらと此方もお願いするわね。あっお会計はこれと、これは別で、これも別で。」
といつもの様にテキパキと指示していく。綺麗な自然的流れに呆然と見つめてしまった。
「30万エデスになります。」
店員はホクホク顔で値段を読み上げた。服1枚に30万エデス?2ヶ月分の生活費ですよ。お母さん!
我が家は、貧乏何です。稼ぎは私だけなんですぅ。
声に出すには憚られるので心の中で、叫んでみた。
「お父様。30万エデスですって。早くお支払いなさって。お待たせしてはいけませんわ。此方のお洋服着ていきたいのですが、宜しいかしら?」
「エリーゼ…お店にはお金を持って来るものだよ。」
「あら。お父様。私今お給金頂いておりませんのよ。エメラディアちゃんに良くして頂いたファボさんご夫婦からお給金なんて頂けませんでしょ?当然ではありませんこと?そうしましたら、エメラディアちゃんかお父様になりますが私苦労して来た娘を労わるデートをしておりますのに、お支払いをエメラディアちゃんになんて、口が裂けても言えませんわ。そうしましたら、お父様しかおりませんのよ?だって、その為にお父様いらしたのでしょう?彼方のお二人はそう仰いましたわよ。」
首を傾げて、不思議そうに言い放つお母さんぎ私には不思議ちゃんに見えるのだけど。気の所為なのだろうか?
「お前はまた、ただ働きをしているのか。」
大きく息を吐きながら財布を出そうとする精霊王に
「私が…貯金から支払います。」
と告げたが、首を横に振られた。
「エメラディアに出させたら、エリーゼにはもう会えなくなる。今迄お前にも苦労を掛けた詫びだ。気にするな。」
「精霊王ってお金あるんですか?普段森に居たら使わないのでは?」
「店での食事代も私は支払っていた筈だか?」
そう言えば、精霊王って飲食していたわ。お金ちゃんと貰っていた。仕事をして居ないのに、どうしてお金持っているの?泥棒?王様が?しないよね?じゃあ実はお金に見せて魔法で葉っぱをお金に換えていた?これが一番疑わしいわ。いや、それならファボさんの売上贋金が含まれているわぁー。
両手で頭を抱えて俯いた。
頭の中では今迄の精霊王の食事代を弾き始めた。
贋金はいかん!
私が支払わねば!
「エメラディアは悪くもエリーゼに似ているな。顔に出ているぞ。お金は神殿から私達に送られて来るお布施だ。贋金でも泥棒したものでも無い。安心しなさい
」
はい。安心しました。神殿がお金くれるんだ。
知らなかった。
「どうかしら?」
着替えたお母さんが足取り軽くスキップでもしているかの様に寄って来てターンをした。
ワンピースのスカートがふわりと裾を翻す。白地にラメが施された蔦の葉が描かれた生地は品の良さを引き立たせる。
「お姉様と妹様での双子コーデですね。良くお似合いですわ。妹様も彼方にてお着替えをどうぞ。」
ツッコミたい所だけど、促されてそのまま流れる様に向かおうとしたら、
「エメラディアちゃんは妹ではなくて、私の娘ですのよ。可愛らしいでしょ?自慢の娘ですのよ。」
当たり前の様に親バカ振りを発揮されて、私を促していた店員さんは、時ぐ止まった様にフリーズした。
フリーズを解く呪文を唱える事にした。
「何方へ向かえば宜しいですか?」
肩を揺らして、フリーズから解き放たれた店員さんは、そそくさと案内を再開した。
その間に他の服はラルクアン様とエドに寄って支払いが済まされて、着替えた私達は店を後にした。
その後、靴やバッグ迄三人に買わせたお母さんは、やっと市場へと向かい手を繋いで歩き出した。
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