“教師”と彼の話。
“大丈夫?”と言ったのは、彩城 友美だった。“泣き出されて”だ。だが、“彼”に“直接”言った訳では無かった。誰とも無しに、言ったのだ。流石に。
“周囲”の視線が、痛過ぎた。“もう帰りたい”と彼女は思った。“全部放り出して”と。
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“伊島君?”と、泣き止まない男へ、流石に橋本 和希は又声を掛けた。“取り敢えず泣き止もうかーー”とそう言った。しかし、
伊島は“和希”を、睨んだのだ。そして、
「橋本“君”て“偽善者”だね。いい子ぶらないで。酔った“いきおい”で言うけど、僕“昔”から、“君”の事、『苦手』じゃなくて『嫌い』だから。ーーーー『虎』は『どうした』の? 見捨てられた?」
其の場の“全員”が、ーーーー凍り付いた。敦之も隼人も。蓮達もだ。その中で、和希の意外に“冷静”そうな“声”が言った。「ーーーー『虎』?」と。
満足気に笑った伊島は、和希へ告げた。「『虎』は『虎』だよ、『狐』君?ーー」ーーーーと。
敦之と隼人の“態度”が、あからさまに“可怪し”かった。動き掛けて、ーーーー。止めた。滝が不思議がったが、理由は後から分かる。ふたりは“携帯”を何故だか持ち出して、操作した。
“大和”だけ“理解った”顔をした。その前に、
「伊島、一応『聞く』な、お前の言う『虎』って『友』の事か?」
言ったのは、敦之だった。隼人は無言だったが、敦之が“言った”ので、言わなかっただけだ。
躊躇った“伊島”は、“覚悟した”様に、敦之へ言った。“そうだよ”と。
「だってーーーーーー。“敦之”君も“隼人”君も、“彼”嫌いだろ?
昔からーーーー。“文句”ばかり言って“嫌って”たろ?“喧嘩”ばっかりしてたじゃん?僕は見てたよ。“あの頃”から。
“橋本”とだってさ。“仲悪かった”だろ? ーーーー」
そう、“言った”『彼』だった。隼人はただ、“溜息”だけ“吐いた”。ーーーー。敦之も溜息を吐いたが、呆れた様に、言った。
「成る程ね。」と。それから、
「“伊島”君。ーーーー。俺“あんた”の『連絡先』、今消したわ。ーーーー。悪いけど“これきり”な。『意見』も合わないしな?じゃーな。さよなら。さて、
“和希”、“隼人”飲み直すか? 『場所』変えるか。」
“敦之”の“冷たい眼”は、“彼”を“みた”。
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「嫌俺“明日”仕事だし、“此の辺”で。“友美”さん、帰りますか? 明日仕事?」
和希だった。
「“和希”、待てーーよ。『“おねえさん”』送るの、“俺”に譲る気は無えのか。 ーーーーおまえはさ。 ……………結婚“する”癖に。…………………ちっ。」
隼人が言った。
「ーーーー隼ーーーー。頼むから『懲りて』くれ。“大和”君、何か言って。」
“和希”だった。
「“隼人”、“和希君”困らすな。“敦”もな。もう帰れよ、今日は。」
言われた“大和”は、そう言った。
「“兄貴”の“力”を“借りる”とは。ーーーー和希、てめえ。」
「隼! きたない言葉使うなよ! 怒られるぞ!」
「……………だって“太一”君。“和希”が…………」ーーーーーーーーーーーー。
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勿論“理一”に『“子供”なのか? おまえ等は?』と、一蹴された、隼敦コンビで在った。敦之は勿論言った。“なんで俺まで叱られてんの?理一君?”と。“ついで?”と言った義理の兄で在った。
そして。
理一は“伊島 則斉”に言った。鋭い眼差しで一瞥してから。
ーーーーー「こいつ等“戯れてる”だけなんだ。“仲良し”なんだよね、ーーーー。『昔』“から”さ。ーーーー。同い年の『四人』組でさ。あ、『五人』かおまえ『等』は。」と。笑って『無い』笑顔で。
“ごめんね”と笑顔で、彼を“威圧”したのは『ジャンピング・スモール・スモール』の、『ギター』だった。
“大和”は“静か”だった。滝の『横』で。“強いな”と“ぼそり”と言ったのは、
“異世界”から来た“客人”だった。
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「ーーーーーという事が、昨夜御座いまして。」
と、橋本 和希はそう言った。
「“先生”も“大変”だね〜」と、
暢気に“答えた”のは、惚けた“顔”の、“美少年”だった。和希は“いじわる”心で、
“伊島が海と『偶然』出遇って、『メンタル』へこめば“良い”のに。”
と、思ってしまった午後だった。翌日の。
“敦之”もお人好しなんだよなーーーーそう思った。
伊島 則斉の事は、“覚えて”いた。友が相手にしなかったタイプーーーーだ。
伊島 則斉は、典型的な“いじめられっこ”だったのだ。勿論和希も“相手にしなかった”くちだ。
虐めというより、彼は“嫌われ”者だった。特に“女子”から評判が悪かった。彼が“嫌われて”いた理由なら、単純だった。自分より弱い“者”を“見下す”態度を取る“タイプ”だったからだ。
男子生徒や“教師”の前では、大人しく、しかし一部の“女子”の前でだけ“横柄”だったらしい。
友と一緒に、同じクラスの女子生徒から、一度“相談”されたから“覚えて”いる。
和希が“言う?”と聞くと、“気にしてみててくれたら、”それで“良い”ーーーーと、そう言われた。“彼女達”が言うには、被害に遇ったのは、“別の女子”だった。
しかも“良くわからない”らしかった。“多分”という“情報”だった。友と和希は言われた通り、“気にして”観察していたが、中々“現場”に“遭遇”しなかった。
結局“尻尾”は掴めなかったのだが、掴むより“前”に、“先輩方”を皮切りに、“伊島”は、“いじめ”に遇い始めた。友は“様子見”と言って、“放って”置いた。
和希も“特”に、ーーーー。救けなかった。“プライド”に“障る”だろうと“思った”のだ。
“伊島 則斉”の。“関わらない”選択肢を選んだ。“敦之”が、何故か良く“現場”に鉢合わせたらしく、結果“的”に何度か『たすけた』らしい。
“友”も“和希”も“知っていた”。だから『動か』なかった。
強いて言うなら“問題”は、“敦之”だ。そんな事“敦之”は覚えて居ないのだ。
嫌、『たすけた』つもりが、無かった。
「『つもり』が無いってより“敦”は、“伊島君”だった“事”を、“覚えて”無いんだろうね。」
「相手の『先輩達』の『顔』迄『覚えて』るのに?」
『それはなーーーー“海”』と言ったのは、“父”だった。
既に放課後。帰宅“後”の“海”だった。“華月邸”に、“彼等”は居た。“いつもの”メンバーで。
海の“友人達”は、話し込んで“居た”橋本 和希の代わりに、陽藍の“弟子”の“居候”達の、“勉強”をみて“居た”ので在った。何故か“弓削 光明”も『居た』が。
弓削 光明は“面倒”は、みて居なかった。自分の“勉強”をしていた。何故?
単に“海”に会いたくなって『来た』ので在った。昨日“迄”は、“苦手”な“人物”が居て、来れなかったのだ。
“異世界”からの“訪問者”だった。弓削 光明は、その“男”が、“苦手”だった。そう言うと“陽藍”には“笑われた”が。
“光明、苦手あったのか”と。陽藍は何故か『嬉しそう』だった。勿論当の“光明”に、意味は解らなかった。今日居ないのは、昨夜『帰った』からだ。
“用事”を済ませて。和希とジャン・スモの彼等は、“送別”のつもりで“酒”に誘った。“此方の酒”、
『飲まないと帰れないーーーーよね?』と。其れは又“別”の話なので、又“何処か”で語る事としよう。ーーーーーーーー。
「“敵”の“顔”忘れるのは“マヌケ”って“事”でしょ。敦之“サン”がその“イシマ?”って“人”覚えて“無い”のは、“その程度”なんでしょ?“其の人”が。」
光明が“言った”のだった。和希は苦笑いを堪えた。海は相変わらず“きょとん”とした顔を“みせ”た。“そうなの?”
ーーーーーーそう言って。陽藍が『大体“正解”かな。』と答えたのだった。
「或る“意味”では。“敦之”も“伊島”ってのと、“同じタイプ”なんだよ、海。」
華月 陽藍は、息子“海”へとそう言った。海は良く理解らなかった。
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「“敦”はさ、海。」
橋本 和希は“親友の弟”へ教えた。
「“気に入った”奴しか『覚え無い』から。ーーーー
“敵”、“味方”『カテゴリ』じゃ『無い』んだよ、“彼奴”は。
『敦』は。『敵』だから『嫌い』とか、『彼女』だから『好き』じゃあ『無い』んだよね。
『興味』と『無興味』なんだよ。」
一度は“覚え”るーーーー。
だが『不必要』なら『忘れる』のだ。相手の“顔”等。『自分以下』ならば。
「敦は“自覚”あるんだよ。自分が“強く無い”っていうね。だからーーーー」
“自分以下”の“者”は、「『忘れ』る。」ーーーーーーーーのだ。きれいさっぱりと。
「“おまえ”の“従兄弟”は“変”なんだよ。」
“兄”の“親友”が、海に“そう”教えた。海は答えた。“知ってた”。ーーーーと。
「敦“兄ちゃん”がちょっと“変わってる”のなら、“青”兄ちゃんに、言われてるもん。」と。
“そんな事より”ーーーー。海は言った。“進路”のが“大事”と。
華月 海は、『進路』を決めていなかった。“敦兄ちゃんの、二の舞だけは”「嫌だし。」
と、案外“辛辣”だったのを、当の“従兄弟”は、知らない。
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「海、『焦る』なよ。」
父は変わらず『優し』かった。




