週明け『海』君のナビゲート。
「ふっ」
華月邸のリビング。今は朝。
「ふぁ〜」
と。
「こら海、起きろおまえは。遅刻するだろ。ほらごはん。」
華月 陽藍にはいつもの“朝”で、華月 海には“過酷”な朝だった。『お父さん眠い』………と。
海、眠いのは父に言っても解決しないだろうにと。シークレット・イベントの翌日の朝だった。
食卓に着いた海だが、椅子の上でぼやいていた。『学校休む。』ーーと。
「あのな。」
父には“いつも”の、朝だった。
「海、お父さんだって疲れてるよ。昨日“色々”あったからな。」
先ず、成一渾身の『プチだが“ケーキ”』シリーズは“大”好評だった。“販売”が決まった。やや改良は必要だが。陽藍が手掛ける事業の場の幾つかの店舗で販売開始予定だ。
その準備を陽藍は昨日の内に手配してしまった。販売店舗の決定。メニューのセレクト。価格。改良箇所等等。二週間も経てば販売開始するらしい。『クリスマス』に間に合わせるのだ。勿論予約も請負う算段だった。『クリスマス特別ヴァージョン』も、考案済で在った。と、いうより既に『予約』いただいているのだ。昨日のイベント参加の保護者の方々から。
『絶対妻がよろこびますので。』と。サプライズ計画の者もーー多々いた。
昨日、ケーキはとても“女子”に“人気”だったのだ。『宝石みたい〜〜』と。成一がにんまりしていた。確かに艶やかで美しかった。種類は五種在った。
予定は“三種”だったのに。成一が独断で“増やした”のだ。耕一は呆れて苦笑いしていた。『らしい』と。成一らしかったのだ。
翔平は仕事を増やされ苦言していた。『懲りろ阿呆。又新人に逃げ出されるぞ。ーー』と。
さておき。本日だが、『ベニバナ』が居なかった。『帰った』のだ。『星』へとーー。連れて帰られてしまった。
その前に。
海は溜息と共に朝ごはんの時間だった。あ〜美味しいけど。やっぱり学校は行きたくないーーと。
「眠いよお〜お父さ〜ん。疲れてるよ〜やっぱり。寝たい………………。寝………」
「海眠いの?」
紺は元気だった。
そして。××××××××××××××××××
私立羽澄高等学校。陽藍は門前の邪魔に為らぬ場所へと車を駐めた。降り立った彼は注目を浴びながらも、助手席から息子を引っ張りだした。『猫』ーーみたいだった。
「お父さんーーごめんなさい分かったからお願いーー恥ずかしい。猫『恥ずかしい』よ。っ」
「え〜と。『海』さん。朝から君は何をーーーー。叔父さん。うん。そーね。海だからね。」
紹が居た。陽藍は甥っ子を見た。紹は言った。
「おはよー叔父さん。良い朝だね。昨日どーも。助かった。はは」
「そうだな紹。おはよう。此方こそ。ありがとな、助かったよ。お疲れさま。お前は偉いな、紹。な、ーー『海』君。」
「紹兄ちゃん………………おはよう。」
華月 海は猫の様だった。父陽藍に『襟首』を持たれて。
「おはよう…………………愛しのレア・キャット君。………………何したんだ海。間違った猫。」
答えたのは陽藍だった。
「遅刻寸前迄“駄々捏ねてた”だけだよ。なあ“赤ちゃん”返り? 気分はどうだ?猫君。今日も“お前”は“可愛い”な。な? 『海キャット』君?」
紹がぷはっと笑い出した。「海“猫”の『海』っ、間違った『飼い』猫ちゃん!」と。
「わ〜ん。もう恥ずかしいから降ろしてよお父さん。自分で歩くから〜ごめんなさい!」
「………………………………………………、陽藍さん。何して……………………嫌、じゃなくて『遅刻』するので離してあげて下さい。お願いします…………………………………。あ、『只今戻りました。』はあ。」
「あ、先生『おはよ〜』。」
「おう。和希。何だ今頃帰りか。『おかえり』。ほれ。」
“やる”ーーと謂わんばかりに父親は“息子”を“手渡し”て来た。片手で『猫持ち』して。
仕方無いので和希は“それ”を受け取ったのだった。和希は“姫”と“迎え”を、送り届けて来たのだ。
「おかえり〜先生。おはよう。うぐっありがと〜」
海は解放されて猫になった。間違った。生る訳無かった。ほらいってらっしゃいと、父に送られた。ごめんなさいと海は言った。いってきますーーと。
和希と紹の“謎”はーー深まる。なのに“猫”はーーもてるのだ。
そう、月曜の朝だった。色々『ありすぎた』日曜日の、間違いなく“翌日”だった。
何も変わっていない。紹は何となくそう思った。週のはじまりだなと。
そしてやはり、何かは変わり、変わり始めているのだ。何処かでは。“此処”でも。
昨日の“事態”を思い出していた。ーーーーーーーーーーーー
各教室等の規模では無い数多な場所にて“其の話題”は尽きぬ様だが、先ずは“昨日”の“あの後”の前に、少し遡っての“解説”を海は“仲間達”から要望されていたのだった。
実はちょっとだけ“面倒くさい”ーーと思いながら。“さぼりたかった”のは、“昨日”の“御褒美”の為も在った。ーー猫君で在ったーーのだった。
実は。昨夜は久し振りに“父”と“母”と海しか華月邸には“居なかった”のだ。何故かと言うと、
先ず、“夕食”が切っ掛けだった。ホテル・“プリンセス・カフェラテ”。“姫様”が迷い込んで“居そう”な“庭”をテーマにした、タウン・タウン内に居を構える優雅なホテルだった。
そんなホテルにて、海達は“夕食”を楽しんだ。ーーと、言っても、“仕事”の為の“貸し切り”だった。“試食会”だった。
詳しい内容は割愛しよう。陽藍は妻と海と、試食会に参加していた。とは言うが、きちんとしたディナー方式だった。一皿が少なく、『何コース』か試した。シュミレーションだった。
父の別事業、『ブライダル』とのコラボレーションらしい。なのでブライダル部門のプランナー、華月家隣人、佐木 夏美が居た。他の仕事も兼ねていたが、やはり詳しくは割愛しよう。
息子の直夏夫婦には、逃げられた。恐らく陸と一緒だ。陸は一旦、昨夜は『自宅』へ帰ると言っていた。妻と子供達も、一緒だった。勿論夏文もである。直夏達は陸の処に泊まらせて貰うらしい。ーーとの事だった。
それから長男の卓、次男の龍、ついでに四男友ーーだが、何故だか友だけ『悠太に泊めて貰う』ーーと、宣言して食事もしないで帰って行った。因みにだが、悠太と洸だが同じマンションの階違いの上と下で仲良く暮らしている。なので洸も共に帰った。夕食は途中で済ませるから良いと。
『もっとラフなの食べるよ』と。今回は遠慮した。“試食会”だし。ーーと。
なので卓と龍は父に『弟子達』を呼ぶ提案をした。陽藍もそのつもりだった。此の場に四人の弟子の内のひとり、ジニアだけが居たからだ。
残りの三名は留守番なので、可哀想だろうと呼んで来たのだ。龍が迎えに行ってくれた。
ついでに言うならそういう理由で留守番の“褒美”にオレガノ他“四名”は、此のホテルに“お泊り”だった。陽藍からの卒業記念だ。
言い渡された四名は、『ーーーーーー?ーーーーーー。?』
「「「「えっ?!」」」」とーーーー言ったが。基礎、『卒業だよ』ーーと。
師は告げた。今後の事については、『要』相談だった。『未だ焦んなくて良いぞ』ーーーー
と。『応用』篇は、“未だ”なのだからだ。
勿論此の『お泊り』には、保護者、龍・卓が付いて在る。御心配無く。最も“別”部屋だが。
龍と卓は同室。弟子達に希望を聞いたら四人一緒で良いと言うので、卓達の隣をあてがってやった。『それなら安心』だろうーーと。卓達はスペシャリティスイート(デラックスルーム)、
弟子達はソーダウンルームだった。最上階『プリンセスロイヤリティースイート』(デラックスルーム)なのだが、実は仕切れる。可動式仕掛け“壁”に『ロック』が掛かるのだ。陽藍得意のからくり部屋だった。
と、言う訳だった。
勿論青、巧、それから律も、自宅へ帰った。巧は妻妃奈を呼んであったので、予定通り“食事”には“在た”が、泊まるのは遠慮した。巧は大学生だ。妃奈もだ。月曜も大学だった。因みに妃奈は友人と買い物していて、イベントには来なかった。(ケーキだけ食べた。ちゃっかりと。)
青は気分が乗らないと言って早々に帰宅した。『お疲れ』と。友も“和希”も居ない“せい”だろうーーと、陽藍は思った。勿論言わなかったが。
そして其の“和希”だが、本当は“試食会”参加予定だった。“どうせお前帰っても飯ひとりなんだろう?”ーーと。陽藍に言われて。
和希が居なかったのは、予想外の出来事で、“ベニバナ”に“迎え”が来たのだ。イベントライブ訂正、小芝居“ミュージカル”もどきが、『終了』した後に。予想外と言うより“予定外”ーーの事だった。
ベニバナが帰らないと主張し、ーー最早暴れる勢いだったので、和希が『送りますからーー』と提案したのだ。安全の為に。
そして彼女は渋々帰った。和希にしがみついて。苦笑いと恐縮をーーしたのは“迎え”に来た、
“弟”イチゴーーだった。
イチゴは姉を、自分の婚約者“ペルウィアナ”と共に迎えに来たので在った。彼等の“星”神『白神』の『案内』で。大分特別な“処置”だが、急ぎの為此の方法と為った。白“神”にすれば。
さておき。
海が本日“寝不足”なのは、帰宅して“から”が原因だった。
「えっ!ーーーー嘘でしょーーーー海ーー君ーー」
昼休みの原 理が『悲惨』そうに、そう言ったのだった。『絶望』の様にーーーーーー。
✝ ✝ ✝
「阿呆かい。『おまえら』は。」
「「「「全員?!」」」」
其の場に居た、原、海以外の面子が綺麗にハモった。『和希』の言葉に。
原はぶつぶつ言っていた。海はごはんが食べれるので、些か“復帰”していた。“やる気”が。
「こら『海』。おまえ『今頃』気力回復してもな。全く御前は本当に。“絶句”するよ。ほら『体操着』。ーー忘れるなよ。ーーふう。」
陽藍がいた。
「ごめ〜んお父さん。反省してます。ありがとう。」
海は“忘れ物”をーー受け取った。授業が入れ替えに為った事を、ー忘れていたらしい。朝登校後に気付いた。皆に言われて。慌てた海は父に連絡した。仕事ーー昨日の成一のケーキの件等で、予定外の仕事が入った陽藍はその時外にいた。海を学校に運んだ後に、自社に出社したのだ。かなり久々に現れた《親玉》に、社員達が“騒然”とーーした処だった。のだが。
“午後一”と聞いて“それ迄には行く”と言った陽藍は、朝と同じスーツ姿だった。昨日はラフだったのにと海は思っていた。父のスーツは“ずるい”と海は思った。“格好良い”のだ。
見慣れないせいで余計だと海は思った。そして、
何故だか『後ろ』に紹がいたーーのは、未だ良いが。
紹の同級生ーー昨日の『アルバイト・トリオ駄目組』がついて来て『居た』ので在った。
不審に思った海猫は、無意識に今から食べる弁当の箱を包みも未だ開けぬまま、後ろへとすっーーと、避難させた。
頭痛を隠さない父に『海ーー』と呆れられた。
「取らないよ、“おまえ”の“分”なんて。皆。失礼だぞ御前は。ーーやめなさい。それ。(溜息。)」
未だ警戒解かぬ猫海に、紹は言おうと思ったーー時に、
海が悲鳴を上げたのだった。復活した原が、弁当に気を取られた“海”に抱き付いていた。
鳥肌の立った海が悲鳴をあげたのだ。『うひゃあっ!!!』と。原はふざけて『ぎゅっ!』と言った。『海君。“レアコンプ”』ーーと。
トリオが不気味そうに呆れた時に、他がーー動いた。
広陽、深織、悠緋。ーー剥す。離す。そして“制裁”。ーーぺちんと撲った。ーー呆れ顔で。
強いて言えば“本気制裁”しようかと思ったーー此方側三名だった。
原は“やり過ぎ”だと。
ちょっと気持ち悪かったのだ。こう毎回だと。
流石に毎回で“海が可哀想ーーだろ。原めっ”と。プチ“切れ”していた。
『レアコンプ〜』と、頭を抱えて原がもう一度“言った”のだった。
面々は“呆れ”つつも。
“昼休み”はーー未だ“続い”た。
因みに“紺”ならば登場していないが心配無い。ちょっと“人の面倒”をみていた“だけ”だ。昨夜は。
試食会にも“居た”し、昨夜はやはり“ホテル”に“泊まって”いたのだ。“客人”と共に。
学校が“ある”ので朝“戻った”。“客人”を連れて。今“客人”は華月邸で留守番させられて“居る”のであった。
“居候弟子”達に、色々と話を“教わり”ながら。
今頃陽藍の妻こと“華”の作りし昼食でも取っている事であろう。
龍、卓、友そして律は“朝”いちの“便”で戻った。律は“単身”で渡米していた。
昨日、久々に妻と子供達を“補給”した事で在ろう。
その時“風”が走った。
正直に言うと“風”は、走らない。けれど走った。
陽藍達の“その横”を。
「『和希様』っ!」と。体当たりを受け止めた彼は、
生徒達に、言いぞびれた。『ゲームは程々にしろ』ーーと。
海君は起床の約二時間程前まで、『御褒美』で『貰った』『権利』をゲットするべく『没頭』していたのだった。
『海、キャラは“逃げない”から、1日“二時間迄”な。』陸の“約束”は破られた。
海君。御褒美レアコンプ『没収』されない様、気を付けろ。“敵”は強いぞ。
“滝”と“のの”と“敦之”はどうなったかを追いたいところで在るが、今はやや『時』が足りない様である。“犯人”理ーーを、責めておいてくれ。
加野なつめは、“我感せず”の如くか、のんびりと弁当を食していたのだった。
単に早目に食べて“食休み”しないと、次の体育で“お腹痛く”なっちゃうのだった。
なつめは『マラソン』は嫌いだった。次は授業『マラソン』なのだ。気が重いので、原の相手はしなかった。『海君なら大丈夫』だろうーーと。
海は“最近”急に原の“コミュニケーション”を嫌がり始めたのだった。加野は“それ”が気になった。
海の“理由”がだ。“急にどうして?”と。




