黒いスケルトンナイト
黒い煙のようなものを放つスケルトンナイト。
あの煙は瘴気らしいけれど、スケルトンナイトの本体、骨も黒くなっていた。
黒い骨のスケルトン……。
ブラックスケルトンのアレンを思い出す。
進化済みの個体で、唯一のレア種。
私が期待して、初めて名前を付けたスケルトンだ。
もしかして、あのスケルトンナイトは、ブラックスケルトンが進化したものかな?
あの黒いスケルトンナイトは、明らかに普通のスケルトンナイトよりも強い。
ってことは、やっぱりブラックスケルトンは最終的には普通のスケルトンより強くなるってことかな?
まあ、あれが最終形態だとは限らないんだけどね。
それより今は、黒いスケルトンナイトとクリスの戦いを見ておこう。
まず、黒いスケルトンナイトは他のスケルトンナイトと比べても豪華な鎧を身に付けている。
あっちこっち錆びてるみたいだけどね。
手入れを怠っていたのか、長い年月で手入れしていても錆が出てしまったのか分からないけれど、綺麗な鎧とは言えない。
けれど鎧に描かれた模様などから、元はよっぽど高価だったに違いない鎧を着ている。
鎧の価値なんて私には分かんないけどね。
見た目だけ良い張りぼてかもしれないし。
ただ、他のスケルトンナイトと違うことは分かる。
特別な存在ってことだろう。
それから、巨大な剣を担ぐように持っていた。
本当にでっかい剣だ。
見るからに重そう。
あんなの良く持てるよね。
持ってるだけでも感心しちゃうよ。
この世界、ステータスがあるから、前世よりは簡単に怪力が出るみたいだけど、あの剣を持ってるだけでもあのスケルトンナイトの力が凄いってことは分かるよ。
対するクリスはいつもの姿。
杖を一本にローブを羽織っただけで、武装としてはスケルトンナイトの方が強そう。
まあ、クリスのあの杖は特別製で、クリスにとってはどんな高価なものよりも使いやすいらしいけど。
それに、ローブも魔法のローブで、防御力がそこら辺の鎧よりは高いらしい。
触ってみたけど、ぺらっぺらだったのにね。
あんなぺらっぺらな布で、どうやって防御力を上げてるんだろう?
気になるけど、やっぱ魔法なんだろうね。
私も早く魔法を使えるようになりたいよ。
「掛かってくるがよい」
クリスが見下ろすように言った。
身長はスケルトンナイトの方がでっかいんだけどね。
クリスの身長は、成人男性の平均よりもちょっと大きいくらいだから。
その平均っていうのも、私の感覚だから、日本人の平均だ。
この世界は欧米風の人種が多いみたいだし、たぶん、クリスくらいの身長がこの世界ではちょうど平均くらいなんだろう。
実際、スケルトンたちもクリスと同じくらいの身長が多いし。
対して驚くほどでっかい黒いスケルトンナイト。
そんな相手に見下ろすような視線を向けるクリス。
なんかすっごい傲慢だよ!
傲慢過ぎるよ、クリス!
まあ、もともとクリスってそういうとことあるしね。
私にテイムされたのも、テイムなんて効かないって思って避けなかったからだったし。
さっきスケルトンナイトたちを捕まえた時に、結構ポンポン避けられていたから、クリスだったらもっと簡単に避けれただろうし。
油断しまくりだったからテイム出来ただけで、普通に戦ったり、テイムしようとしたら私なんて相手にもならなかったはずだ。
けど、油断するのも無理ないんだよね。
神様のチートがなければ、クリスをテイム出来る確率なんて何億分の一とかだろうし。
だからそんな傲慢な態度も、愛嬌って思っておこう。
うん、傲慢を愛嬌って思えるほど、私の心は広くないけどね。
さて、いつ戦闘が始まるんだろうと、テイムしたスケルトンナイトたちに囲まれて眺めている。
テイムしてから時間も経ったから、今度はちゃんと動いてくれるだろう。
くれるよね?
バキィン!
何か硬い物がぶつかるような音が響いた。
何事かと驚いていたけれど、黒いスケルトンナイトが動いてたから、戦闘が始まったことに気がついた。




