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昼ごはん回です。
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拠点に戻り、遊び疲れて眠たそうなユーマとシーナをテントで休ませて、クラックさんかタイチョーさんを探す。
拠点の中はそこまで広くないので時間をかけずにクラックさんの方を見つけた。
「クラックさん、今いいですか?」
「ん?構わないよ、何の用だい?」
「それが………」
ダゴンさんからの手紙の内容を話した。
話終わると、クラックさんが少し考え込んで……。
「なるほど、噂は本当か…」
「?どうかしたんですか?」
「いや、掲示板でも海の様子がおかしいって書き込みがあったから、半信半疑だったが、今ので確信したよ。
とりあえず、タイチョーに報告しに行くから、ベン君はそろそろに昼ごはんの手伝いに行ってくれ」
「分かりました 、報告をお願いします」
「ああ!」
とりあえず、クラックさんと別れて調理場に向かう。
調理場に着くとコックスさんとサーモンさんが待っていた。
「おかえり、とれたかい?」
「はい」
そう言って、持っていた袋を調理台に置く。
「どれどれ……よし、どれも毒性はないな!」
「分かったわ、じゃあ、ちゃっちゃとつくちゃいましょう!」
そう言って、袋から魚や貝取り出して下処理をする。
数がそこまでなかったのですぐに捌き終わった。
今日の昼ごはんはシンプルに刺身とまだ余っていた牛のステーキだった。
「完成ね」
「じゃあ、さっさと出すか。
どうやら、お待ちかねのようだしな!」
「?」
お待ちかね?
サーモンさんが向いている方向を見ると、そこそこプレイヤーが集まっていた。
「久しぶりの魚だ~」
「あまり、数がないからあまり取るなよ!」
サーモンさんの声に並んでいたプレイヤーが頷いて、刺身を取っていく。
俺もユーマとシーナの分を取ってテントに戻る。
テントに戻ると、ユーマとシーナが起きあがってきた。
「ごはん~?」
「おなかすいた~…」
「昼ごはんできたからここで食べような」
「「うん」」
2人が同時に頷いた。
2人に料理とフォークとナイフを渡すと、すぐに食べ始めたのをみて、俺も食べる。
今日の料理も美味しかった。
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食事が終わるとテントをノックされたので外に出ると、グラナさんが居た。
「よお、ベン。
元気か?」
「はい、もちろんですよ。
何の用ですか?」
「海の件についてタイチョーから伝言だ」
「そうですか、それでタイチョーさんはなんと?」
「問題なく引き受ける、と言うことで明日の朝から防衛班の何人かを向かわせるって言ったから、ベンもできれば着いてきてくれだとよ」
「分かりました……それで明日の朝にどこに行けば?」
「直接迎えを寄越すから、それに着いていってくれって言ったぜ」
「分かりました、伝言ありがとうございます」
「何、良いってことよ。
…まあ、他に何か困ったことがあれば相談してくれや」
「分かりました」
そう言ってグラナさんは調理場へ向かった……どうやら、昼ごはんをまだ食べてなかったらしい。
さて、午後はどうするかな……ゴブリンの村に行ってみるか…。
そんな事を考えながら、あの『果たし状』の事を思うと少し億劫になる……。
まあ、今考えても仕方ないか…。
特に書くことなし。
いつも読んでいただきありがとうございます。