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拠点にて…回です。
森から出て拠点に入ろうとすると森側の防衛班隊長の"グラナ"さんに呼び止められた。
「ベン…何があった…」
「グラナさん、コイツらが初心者の俺を寄って集ってPKしにきました」
「!?そうなのか!?」
「ちちちち違います!!」
「私達は襲って「いや、そうだろ」!?」
「どういうことだ?ベン」
「この人達も俺が拠点を出てからずっと隠れてつけてきました」
「ほぉ~…あんた達…これは本当か?」
「「………」」
グラナさんが2人に質問すると2人とも顔を伏せて黙る……。
…沈黙は金ってやつかな……この場合は素直に答えたら自分の首を絞めるようなものか……。
「…とりあえず、この事は掲示板で緊急会議を設ける……ベンは戻っていてくれ」
「いえ、まだごはんの準備には早いですし…それに」
「それに?」
「コイツらって一応有名人なんですよね?だったらあまり表に出ないようにした方がいいですし、拠点で襲われたくないですから……」
「なるほど…じゃあ着いてきてくれ」
「分かりました」
グラナさんに着いていくと木製の檻があった…。
「あんた達も入ってくれ」
「な、何で!」
「これ以上…状況を悪くするのか?
"猫の道"のクランマスターさんよ…」
「………」
グラナさんが低い声で忠告すると、"猫の道"クランマスターは黙って檻に入っていく。
俺も黒いもやの方に頼んで運んでもらう。
「…にしても、よく生きていたな…」
「ええ…まあ、俺がやったわけではないので」
「なるほどな…とりあえず、俺は上に報告してくるから…ここの椅子に座っていてくれ」
「分かりました……黒いもやさん達もありがとうございます」
「問題ありません……」
「彼らは私の同僚です…なのでベン様、いつでもお呼びください」
「あはは…分かりました…」
そう言うと黒いもや達が消えていった……正直、頼りすぎたらゲームバランスが崩壊するだろうな……。
…PK以外の対処には絶対呼ばないようにするか……うん……。
そう心に誓っていると………。
「お兄ちゃ~ん!」「ベンさん!!」
「ん?どうした2人とも?」
「どうしたじゃないよ~」
「襲われたって聞きましたが、ご無事ですか?」
「まあ、俺は問題ないが相手…PKの方は酷いかな…」
「?って、イアンさんじゃん!」
「………」
「やっぱり、噂は本当だったんですね…」
「噂?」
「それは~「それについては俺から話そう」あ、大隊長さん!」
「大隊長?」
振り返ると防衛班のリーダーの"タイチョー"さんと建築班のリーダーの"テキーラ"さんがいた。
「失礼するよ」
「あっはい」
タイチョーさんが椅子に腰掛けて周囲を見てからこちらを見る。
「とりあえず自己紹介でもしよう…知っていると思うが、俺は防衛班のリーダーでタイチョーと言う」
「俺はベンです、特に肩書きはありません」
「フフ…そうか、で…噂についてだったね」
そう言うとタイチョーさんは掲示板を見せてくれた…。
題名は『【雑談】噂話の集まり【21】』と書かれていて、読んでいると色々な人の自慢話や手柄話など書かれていた……。
「これだ…」
「?……これは…」
そこには"拡散希望"と書かれていて内容は……
514.情弱な浮浪者
拡散希望
今、情報系クランの"猫の道"が新人を
つけていくのが見えて、つけていったら
他にも"幻獣の休場"と"Queen"のメンバーが
つけていた。
盗み聞きしたらどうやら新人を捕まえるらしいが
どうやら、PK紛いなことをするらしい
俺は、弱いから救援求む
515.打ち上げられた浮浪者
≫514
マジかよ、でも"Queen"ならやりそうだな
俺も弱いから誰かいってやれよ。
516.情報屋
とりあえず、その3つのクランに本当か聞いてみると
知らないの一点張りだった
517.九尾
情報屋さんの言うとおりです
私達はそんな事はしませんし、させません。
ですが、困っている新人さんを助けにはいきます!
518.ユウト
俺も知らん
見間違えではないのか?
≫九尾
とりあえず俺達も手伝おう。
519.九尾
≫ユウト
ありがとうございます、一緒に頑張りましょう!
520.ボンド
我々も知りません
ですが、今先ほどクラマスが
救援に向かいました。
・
・
・
そのあとは他の話題になっていた。
…どうやら、助けを求めてくれたらしいが意味がなかったようだ……。
「………」
「一応俺も見ていて不自然だったんだ」
「と言いますと?」
「別に九尾はこんな事をしないのは知っていたが、ユウトの方は身内以外には興味がない奴だから救援に行くことはまず無い」
「そうだね~」
「さらに、"猫の道"のクランマスターが出てくる事は無い」
「?何でですか?」
「お兄ちゃん、わざわざクランマスターじゃなくても戦闘が得意な人に任せればいいのに戦闘が苦手なクランマスターが出てくるわけ無いじゃん」
「これは明らかに嘘ですね」
「その通りだな……さて…その辺り聞かせてもらおうか?イアン」
「………」
「ここじゃ、逃げることはできんぞ」
「…黙秘するわ……」
「おいおい…立場を「理解していないのはあなたよ」…は?」
「私達はただ探索していただけよ…襲うなんて勘違いじゃないの?」
「ちっ」
確かに俺にはコイツらが襲ってきたという証拠がない……が……。
「確かに襲われてない…あんた達には」
「そ、そうでしょ、だから「だが!」っ!?」
「あの場に居たにもかかわらず、止めなかったのは何故だ?
しかも俺は、出てこいと言ったはずだぞ」
「………」
「あの場で出られないということは、それは共犯を意味するんだぜ…なあ、反論はあるか?」
「……っ!」
また黙ってしまった……このままではずっと檻のなかなのにな……どうしたものか……。
「ベン様」
「?何ですか、ヴェルスさん?」
「私が拷問しましょうか?」
「「「「「「!?」」」」」」
その場に居た俺以外の人が驚き、檻の中に居る2人は慌て出す。
「まあ、それは最終手段ですね……ていっても喋りませんしね~」
「かしこまりました、では」
そう言うとヴェルスさんが檻に近づいて行く。
檻に居る2人は後退りしようとするが狭い檻なのですぐに下がれなくなる…。
「わ、分かった、分かりました!全部話します!」
「だから拷問だけは!」
「どうしますか?ベン様」
「う~ん」
「え…お兄ちゃん、今悩む事あった?」
「でも、嘘つかれると嫌だし…さっきも嘘ついてたし…」
「では「本当の事言うからお願い!!」」
「………分かりました、ヴェルスさんやっぱり拷問は要りません」
「かしこまりました」
まあ、俺も鬼じゃないし拷問風景を見たくないしここらで止めておこう。
…さて、聞いていくか……まだ夕ごはんには早いし……。
質問は拷問に変わりませんでした。
感想でもありましたが
この小説は作者の妄想とやる気でできています。
そのため神様が出てきた時点でご都合主義の香りが
ちょくちょく(というかがっつり?)入ってきます。
それでも「退かぬ!媚びぬ!省みぬ!」のサ○ザー精神に乗っ取り書いていきます。
一応、次回作書けますが案がなかなか決まりません
でも、これからも期待はしてくれるといいな(小並感)
今回出てきたプレイヤー紹介
・防衛班(森側)第1隊長"グラナ"(男性)
ケンタウロス種のプレイヤー(栗毛)
戦闘系クラン"コロナ"の中隊長の1人
武器は魔鉄鋼の弓(矢も魔鉄鋼製)
防具は魔鉄鋼の軽装(馬の部分は馬用の装備)
リアルでは自衛官だったが色々あって今は療養中
・拠点班リーダー"タイチョー"(男性)
赤髪のヒューム
戦闘系クラン"コロナ"のクランマスター
武器はミスリルの大剣
防具はミスリルの軽装
プレイヤースキルが非常に高く、カウンター型
力にほとんど振っているので力は驚異の438
リアルでも合気道の大会で常に上位である
・建築班リーダーの"テキーラ"(男性)
白髪のドワーフ
クラン"酒場"のクランマスター
武器はミスリルのハンマー
防具はミスリルの鎧(胴体のみ)
クラン名は"酒場"だが初期メンバー全員が酒の名前だったからだそうだ。
・情報屋(??)
その素性は誰も知らない
(作者は考えていない)
・ボンド(男性)
不死者種のハイスケルトン
情報系クランの"猫の道"の副リーダーの1人
武器はエルダートレントの素材で作った杖
防具はただの黒いローブ
損のしやすい中間管理職
(今回の件も全く知らない)
いつもの事ながら読者・ブクマ・評価・感想・誤字報告・メッセージに感謝です!!




