8話 念願の・・・
今の戦闘でレベルもかなりあがったようだ。
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伊東 健太 14歳 男 人間族
レベル:25 経験値:953/24030
HP :3050/5050 才能:S
MP :240/5250 才能:S
力 :2403 才能:S
知力 :2413 才能:S
素早さ:2395 才能:S
器用さ:2272 才能:S
運 :2443 才能:S
魔法
火魔法Lv2 水魔法Lv1 風魔法Lv2
土魔法Lv1 光魔法Lv2 闇魔法Lv1
空間魔法Lv2
魔法適正
火 :C
水 :C
風 :C
土 :C
光 :B
闇 :B
時 :A
空間:A
スキル
賢者の瞳 経験値上昇(10倍)スキル習得率大UP
魔力感知 無詠唱 覚醒
剣術Lv4 身体操作Lv4 魔力操作Lv4
毒耐性Lv5 麻痺耐性Lv3 睡眠耐性Lv3
闘拳術Lv3 恐怖耐性Lv4 再生Lv2
称号
転移者 迷子 乗り越えた者
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10倍とはいえものすごいレベルアップだ。今なら同じ奴が出てきても余裕で倒せるだろう。
魔法のレベルが上がったのがうれしい。やはり戦闘に使うとよくあがるとかだろうか。
そのわりにLv1では戦闘しにくいのだが・・・。バランスを考えて欲しいものだ。
スキルの覚醒ってなんだろう?俺勇者かなんかになったんだろうか?
『覚醒
状態異常を克服し、一時的に興奮状態になる。
全ステータス1.2倍 敵を殺すまで逃げることができなくなる。』
強いなこれ。これのおかげで勝てたのかな?でも相手が強すぎた場合は諸刃の剣だな。
確かに殺すこと意外はあんまり考えてなかった気がする。逃げようとは思わなかった。
気をつけて使う必要があるだろう。
称号の『乗り越えた者』がうれしい。恐怖体験を乗り越えたってことかな。
自分でもできるという自身になった。頑張っていこう。
恐怖耐性もかなりありがたい。虎の威嚇には恐怖を喚起するスキルでもついていたのだろう。
道理で怖くてしょうがないわけだ。
動けなくなってはどんなにすごいステータスがあっても無意味だ。
ゲームではないけれど状態異常はやっぱり強い。これからも耐性スキルはしっかりあげて行こう。
その場から動く気にならず、休憩しながらステータスを見て喜んでいると先ほどの狼たちが戻ってきたようだ。根性あるな。おこぼれ狙いかな?
今日はもう戦闘はお腹いっぱいのため、殺気をこめて(雰囲気)威嚇してみる。
「失せろっ!」
「キャンッ」
全員が悲鳴を上げてその場でひっくり返った。笑う。
腹を見せて服従のポーズのようだ。そんなに怖かっただろうか。
自分を鑑定してみると『恐怖 Lv1』というスキルが増えていた。これのせいだろう。意図してスキルをやめてみると狼たちはがばっと立ち上がり逃げていった。すばらしい連携?だった。
このスキルをうまく使えば無駄な戦闘を回避できるだろう。ありがたい。
さて問題はこの虎の始末だ。ここに置いておいたら他の魔物のご飯だろうし、かといって持って行くのは大変だ・・・。
うーん。牙だけもっていくか。あーでも皮が高値で売れたりとか・・・。うーん・・・。
今の力ステータスならこいつをもって移動することは不可能ではないだろう。恐怖スキルで雑魚は蹴散らせばいいし・・・。丸ごと持っていくことにしよう。あとで高額で売れた!とかだったら泣けるからな。
それにしてもでかい。俺の手を広げた長さの倍でもなお余るな。
まあお金のためだ。頑張ろう。
でっかい荷物を抱えて狭い森の中を走れるわけもなく、えっちらおっちら・・・。
途中で投げ捨てたくなったがひたすら我慢だった。
結局町が見えてくる頃には夜も間近であった。
その異様さからか、他の魔物や生物が襲ってくるようなことはなかったが、とにかく歩きにくい。
肉体的な疲労が特にないのだけが救いだが、精神的な疲労はすごい。
時にはどうしても邪魔だったので、木を蹴倒して進まないといけないこともあった。
そして町に近づいたら近づいたで、警備に周りを囲まれた。まあそらそうだよね。
「何だ貴様は!この町のものじゃないな!」
「えー怪しいものじゃありません・・・よ?」
「そんな魔物抱えてて怪しくないわけあるかー!」
「デスヨネー」
こんなもん手で移動させてる奴がいたら俺も怪しいと思うわ。
冒険者の身分がなかったのもよくなかった。どこで倒したとか、本当に一人で倒したのかとか、本当に人間かとか、いろいろ疑われた。人間か?とかひどくない?
倒した実力を証明をしろといわれたので、本気で動いて衛兵の隊長のバックを取ったらくっそ怒られた。解せぬ・・・。
埒が明かないので冒険者ギルドの人を呼んでもらい、虎を丸ごと売りたいと言うと大喜びで引き取ってくれた。高く売れそうで俺もうれしい。
賄賂代わりではないが、最終的には冒険者ギルドの口利きもあり、この国で犯罪を犯していないことを専用の機械で確かめられた後に、開放された。
この時に判ったのだが、この世界には鑑定はないか、一般には出回ってないようだ。犯罪歴を確かめる機械こそあったが、ステータスは分からないようだった。分かるなら最初から鑑定すればいいしね。あと一応全員鑑定してみたがびっくりするほど弱かった。
衛兵の平均レベルが15ほど。これはいい。だがステータスが150あればいいほうだった。
本気ででこピンしたら死ぬんじゃなかろうか。気をつけよう・・・。
冒険者ギルドの事務員のアンガスを名乗っていたおじさんは、明日までに査定をしておくから、明日になったら顔を出すようにと言って去っていった。称号にギルドマスター代理と書いてあったから、かなり偉い人なんだろう。
この人のステータスは結構高かった。Lv40で平均1300ほど。たぶんあの虎も余裕で殺せるだろう。
あ、もしかしたら俺が暴れた時の対策で来てたんだろうか・・・?こんなに平和主義だというのに失礼なことだ。平和主義だよ・・・?
入市税はギルドの人が払ってくれたそうだ。身分証も金もないって警備の門番さんに言ったからかな。
売れるまで門の外で生活とかいういじめにならなくてよかった。
一週間以上滞在するときはまたお金を払わないといけないらしい。
もしくは冒険者ギルドに登録だそうだ。細かいことは冒険者ギルドで聞けとのこと。手抜きか。
「まあ、最初の出会いはアレだったが・・・ようこそペルラへ
ゆっくりすごしてくれ」
「ありがとうございます、隊長さん。その・・・非常に頼み辛いんですけど・・・明日返しますので宿代・・・貸してくれませんか・・・?」
「・・・」
「お恥ずかしい・・・」
「はあ。そういや無一文なんだったな。この時間から行ってもろくな宿は空いてないだろう。詰め所のベット貸してやるから寝てけ。」
「本当ですか!ありがとうございます!このご恩は忘れません!
お金が入ったら皆さんに一杯おごらせてもらいます!」
「大げさな奴だ。だがその心遣いはうれしいよ。こいつらも喜ぶだろう」
周りにいた警備の人たちからうおおおおおと歓声が上がる。俺自身はお酒は飲まないけどやっぱりこういう人たちに一番喜ばれるのはお酒だよね。
そんなわけでやわらかいベットとは言えなかったけど、木とは比べ物にならない快適さのなかで寝ることができた。いい人たちでよかった!