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エピローグ

俺がたくさんの元奴隷を連れて戻ってからも、しばらくはなかなかに忙しい日々を送っていた。・・・国の人たちが。


たくさんの元奴隷を連れ帰ったことで後に続いて活動する人族が増えたのだ。人間に迫害されている人族を助けるだけではなく、ドラゴンの武力を背景としての奴隷解放を積極的に推し進め始めた。

それにより元々ドラゴンで軍の施設を焼いていた連中の主眼を奴隷の開放へとシフトさせることに成功。ただのうさばらしではなく同族を助けるため、という使命感をもって当たらせることで、若者達の暴走を何とか防げた。

呪いへの完全耐性を得たドラゴンだけがその任務に着くことができ、基本的には人間の町に被害を出さないように立ち回らせた。ドラゴン達にはもし不用意に戦争の引き金を引くようなら俺が殴る、と言っておいたら震えながら頷いていた。中でも一番必死だったのはイラだった。周りにも絶対に止めるようにと言っていたからいい影響だと思おう。さすが実際にぶっ飛ばされた奴は違うね!




人間の町の方も思った以上に抵抗が少なかった。ドラゴンに迫られたから、ということもあるだろうが、それ以上に人間至上主義の根底であったヴァレ教がへし折れたことがでかいようだ。


ひとつの町につき、数百人、多ければ数千人単位の奴隷が解放された。戦争で多くの男手を失った上に大量の労働者を解放してしまった人間たちは、これから衰退の一途を辿って行くのかもしれない。特に帝国は遠からず他の国に滅ぼされるのではないだろうか?まあ俺達とは関係のないところで頑張っていただきたい。もし変な欲を出すようならまた追い返すだけだからな。




それと、教皇はあれからすぐに捕まったと聞いた。一緒に逃げた側近と、その大量に溜め込んだ財宝と共に。馬車3台に山ほど積み込んであり、その上マジックバックも複数所持していたと言うのだから、教皇の財宝への拘りはかなりの物だったようだ。逃亡者としてはアホの極みだが。


教会の現体制への不満が俺たちの扇動を後押ししてくれたことは間違いないだろう。長く続いた組織は腐るものだが、その典型的な形だな。お布施は大量だし、何か少しのことでも頼めばさらなる大金を課せられる。その上見返りは加護があるような気がするだけだ。いくら今まで信じてきた宗教でも、疑問が芽生えるのはしょうがないことだろう。自分達が納めたお布施で金銀財宝を集め、飽食の限りを尽くして豪遊。挙句の果てには信徒たちを見捨てて大事なお宝と共に敵前逃亡。そりゃあ民衆も切れるというものだ。


捕まった教皇とその側近達は神都で処刑されたらしい。教会側も助けるどころか率先して捕獲に回ったというのだから、死は免れなかったのだろう。自分達が権威でもって支配していたがゆえに、その権威が崩れ去った後は見るも無残な仕返しを受けたようだ。まあ俺達からすれば自業自得だし、他の人族からしてもざまあみろといったところだろうか。


信仰自体は形を変えて残るようだが、この世界を支配していたヴァレ教というものは終焉を迎えた。この先の人間の信仰がどのようなものになるかは分からないが、ぜひとも平和な方向に進んで欲しい。







ドラゴン達もあわただしい戦争から、平和な日常に戻った。一応全員に呪いの耐性を完備させたが、それ以外は特に目立った変化もない。多くの人族が近所で生活することになったので以前よりは暇つぶしに事欠かなくなっただろう。若者を中心とした一部は人族と頻繁に関わっているのでもしかしたら新しい竜人が生まれる日も来るかもしれない。



ゴルラドとイレーネさんは元々人族の文化を好んでいたので、人化して町に行くことが増えたようだ。前からいきたかったようだが、敵対されていた俺達に遠慮して止めていたそうだ。毎日のように来ている、とは市場のおばちゃんの言。正直言って俺達より有効活用しているみたいだ。


二人と言えば俺にジークを任せ切りにしてラブラブしている。ジークも夜には二人とも帰ってくるのでそれで十分らしく、日中は俺達と行動するのがほとんどだ。ドラゴンとしてはまだまだ子どもらしいのだが、大分親離れが進んでいる。こちらとしてもジークと楽しく過ごしているので不満はないのだが。

ドラゴンは子どもが出来にくいと言っているけれども、もしかしたらジークの弟妹が俺が生きている間に出来るかもしれない。一応期待して待っているのだが、こればっかりは神様からの授かり物ということで祈るしかない。




平和な日々が戻ってきたことで、俺は前のようにぐーたらした生活をしている。言い方は悪いが、大量の軍人を殺したことでレベルもそれなりにあがった。明確な敵もいないので、熱心に修行することもなく、現状維持をするぐらいで後はのんびりとしたものだ。性格的に新たな敵を求めて!とかいうこともないのでこの生活が性にあっているのだ。国のトップに立つ気もさらさらないので、書類仕事に追われることもない。村長達からは、たびたび国の代表になるよう求められているのだが、断固として拒否している。彼らの言い分としては救い主が俺とドラゴン達。そしてドラゴン達は象徴。その上であなたが王になってくれれば磐石です!ということらしい。・・・めんどくさいからパス!俺を書類地獄に押し込めるつもりだな!?いやだああああ!


・・・


散々もめた?結果、軍隊の訓練だけ定期的に引き受けることになってしまった。俺のぐーたら生活が侵されるっ。


そんな訳で半分ニートみたいなもんだが、魔物退治に駆り出されることもあるので軍人兼冒険者ということでいいだろう。まったく冒険していないが。


プロヒの人たちにも認められた結果、買い物なども自由に出来るようになった。今までは下手にうろつくと喧嘩を売られるので遠慮していたのだが、その必要もなくなったしね。文化的には人間の町に比べるとまだまだな部分が多いが、この町はこれから大きくなっていく所だし、いろんな種族の文化が混ざった面白いものが出来ていくのではと期待している。それぞれの特技を生かした素晴らしい物を作り上げ、俺の生活を豊かにしてくれっ。



話は変わるが、この世界ではよっぽどじゃなきゃ誰かしらと結婚するものらしい。そんな風に近所のおばちゃんが言っていた。相手がいないならあたしが紹介してあげるよ!と言ったときの後ろからの目線が痛かった。俺達の様子を見ておばちゃん爆笑。笑いながら叩かれた肩が痛いっ。アイラとオリヴィアは変わらず俺のそばにいる。具体的にどうとはいわないが・・・まあ、そういうことだ。メイドたちも各々パートナーを見つけ始め、新生活をスタートさせる者も出てきた。皆辛い思いを今までしてきたのだから、これから先の人生は楽しく過ごさせてやらないとな!



さーて、今日はなにして過ごそうかな?

ここまでお付き合いくださり本当にありがとうございました。

これにて完結です。

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― 新着の感想 ―
賢明が懸命とか誤字が多かったです。 ケンの死後は竜が塩を買い出しに行くしかないんでしょうか。
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