49話 特訓の成果
予定通りにいかず、この時間になってしまいました。すみません。
以後は元のペースで投稿させてもらいます。
またお付き合いくださいませm(_ _)m
この場所に定住してから100日ほどが経過した。その間はほとんどを皆の特訓に当て、びしばしと厳しくレベル上げやスキル上げ、対人、対魔物の戦闘訓練をして過ごした。経験値10倍スキルのおかげでレベルは50を超え当初の約束通り、レベル30程度のBランク冒険者ならば十分に戦えるだけのステータスを得た。
ちなみにだが俺とアイラのレベルはあがってない。オリヴィアが1あがっただけだ。レベル上げの過酷さが分かってもらえるだろうか。そういう意味でダンジョンの敵や、Sランク冒険者は非常に経験値効率のいい敵だったといえる。いまさらだが人間を殺しても経験値は得られるが、弱い相手=レベルの低い相手を倒しても雀の涙である。なので女、子どもを狙って襲うゲス野郎がいても強くはなれない。より強い相手に簡単に叩き潰されることだろう。
閑話休題
ステータスが高いだけの存在にならないよう、剣術から始まり、格闘術、身体操作などの体に関するスキルはひとまず全員に4レベルまで取得させた。魔法も俺たちが使っているのを見て本人達が望めばそれのレベル上げを手伝った。それ以降は本人の好みに任せているので意外と個性が出て面白い。
例えばイラリアはアイラの槍捌きに憧れたと言って槍術のスキルを取得し、今ではLv6まであげている。斧槍じゃないのは一番最初はポピュラーな武器でということで剣、槍、短剣しか選択肢が無かったためだ。スキルレベル6といえばどこかの王国などに行けば武術師範とかで仕事が出来るレベルだ。かなり頑張ったと言えるだろう。
他にもレア、リナ姉妹は格闘術に嵌って日々鍛錬に燃えているし、ザウルは冒険者として、挑むことすら出来なかった敵に挑み、過去を取り返すかのように戦闘に夢中である。
もちろん魔法に夢中なのもいるので各自自分にあったスキルや魔法のレベル上げを頑張っている日々だ。
もちろん耐性もばっちりつけさせ、普通の毒物などでは効かないようになっている。また各自に光魔法を練習させ、万が一体に異常を感じたら各自で治癒できる体勢を整えた。その辺で自生している薬草を用いての耐性強化だったので強い毒物なら耐性を超えてくる可能性があるため、治癒の手段も用意させたのだ。この光魔法の訓練は怪我をするしかないので各自で指を切るところからが試練だった。
最初は皆、俺みたいにびびる事はなくスパスパ切っていて逆に俺の方が引いたぐらいだが、調子に乗ったザウルが指を飛ばしてしまい、あわや大惨事という状態だった。あわてて俺がくっつけて事なきを得たが当然お説教。訓練中に調子に乗るなと厳しく叱った。
その後皆が萎縮してしまい、なかなか指に傷をつけられなくなってレベルが2で止まるという事態に。レベル2では切り傷ぐらいしか治せないのでほとんど役にはたたないので何とか頑張らせたが、その後のレベル上げに非常に苦労したのは言うまでもない。実のところ萎縮し過ぎると逆に力が入ってしまい危ないのだが、一度その状態になってしまうと口で説明しても解消は難しかった。
皆から大不評だったのは恐怖耐性のレベル上げだ。一気に強くかけたりはしていないので失神することは無かったのだが、お漏らしをして恥ずかしい思いをしたのが何名かいた。本人の名誉に関わるので誰とは言わないが、年齢が年齢なのでかなり恥ずかしかったらしい。この耐性の必要性を説いてなんとか全員参加させたが、毎回苦情が耐えないのだった。
ステータス、戦うスキル、耐性とこれだけの能力を持った集団が元は一山いくらの奴隷とは想像もできないことだろう。儀礼的なことは一切知らんが、能力だけなら騎士団とかに入っても十分通用すると思う。スキルの恩恵がかなりあるので普通のBランクよりかなり強くなっている。最初を考えると立派になったものだ。えっへん。
ここまで強化しておいてなんだが、実力でAランクになった冒険者にはほぼ間違いなく負ける。絡めてで攻めれば一応の勝機はあるが、ステータスの数字が違いすぎるため正面からぶつかった場合どうやっても無理である。適正という項目の恐ろしさだろう。
俺たちは皆の指導の傍ら魔族やジークの親を探して竜の山に近づいてみたり、こっそり町に忍び込んで必需品を買ったりとそこそこ忙しい日々を送っている。たまの休日には皆で町に行ってお買い物などもしている。女性陣は服を買ったり小物を買ったりと大喜びだ。冒険者ギルドに下ろせないので金銭の取得手段が無いのが難点だが、溜め込んでおいても仕方ないので気にせず使わせている。
町といえば、俺の人相書きがあちこちに張られ俺はお尋ね物になっていた。門を通れば一発でつかまることだろう。壁を飛び越えているのでまったく関係ないのだが。
人相書きによると罪状はアーソルド家頭首に対する狼藉で、生死問わずで賞金が出るとの事。あのアホは残念ながら死ななかったらしい。
「そういえば救助以外の顛末は聞いてなかったですがとどめは刺さなかったんですか?」
「いやぁ・・・弱すぎて逆に殺しにくくて・・・向かってきてくれれば躊躇無くいけたんだけど」
レベルも4だったのでそこらへんで物を売っているおばさん並だ。普通のおじさんだともう少しレベルが上だからね!
「ご主人様は相変わらず甘いですねぇ」
懲りずにこういう事をするなら頑張って殺しておけばよかったかな。まあ脱出を即断したのは間違っていなかったようでよかった。
屋敷の皆が心配なうちは探索も日帰りが基本だった。そのぐらいの時間なら俺やオリヴィアが張った障壁が十分持つのでひとまずの安心が出来る。しかし日帰りできる範囲では魔族も竜族も見つからなかった。皆も自分で大抵の事には対処できるようになったし数日かけてでももっと奥まで行くべき時だろう。不安が無いとはいえないけどずっと張り付いて守るわけにも行かないしね。とりあえずこの森の中なら人間の悪意からは十分守れるはずだ。
というわけで防備を調えるのにさらに5日ほどかけた。屋敷の周りに急ごしらえとはいえ土魔法で作った頑丈な壁を作り、避難用の隠し通路も掘った。元は逃げられない拷問部屋に繋がる入り口があった所なのが皮肉なところか。障壁はちゃんと張っていくが、切れた後はティナが風魔法で結界の変わりをして敵の探知に努める。これでよくでる魔物への対処は十分だろう。万が一今まで出会ったことの無い強力な魔物に出会ってしまったら逃げの一択しかないが、今まで出たことは無いので大丈夫だと思う。
「じゃあ悪いけど気をつけて生活してね」
「はい、ここまでしていただいたので大丈夫ですよ。もし何かあっても皆でしっかり対処して見せます」
「ご主人様たちこそ気をつけてください、奥に進むということはそれこそドラゴンとの戦いになるかもしれないんですから」
「ジークも一応話が通じるし、でかいドラゴンも大丈夫だと・・・思いたい。できるだけもめないように頑張るよ」
皆の無事を祈りつつ山を目指して移動する。メンバーは俺、アイラ、オリヴィア、ジークの3人と一匹。なるべく早く進むことが目的なのでジークとオリヴィアはマジックバックの中で待機。俺とアイラで森の中を疾走する。俺たちの能力であればほとんど平地と変わらないスピードで移動することが可能だ。敵は一刀両断だし、木も、見通しの悪さも障害になりえない。また体力も並じゃないのでその速度を長い時間維持することができる。尋常ならざる速度での移動を開始するのだった。




