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46話 驚き

わりとのんびりとしたペースで森を歩き続けること3日、やっと家を置けそうな場所を発見した。

見つけた場所は、俺が一番最初に世話になった木のような大きな木が陣取っている所だった。その周辺だけぽっかりと木が少なく、ここなら少し整地するだけで家をおくことができるだろう。というわけでひとまずここに家を構えることにした。大森林の中にぽっかりと建つ洋館。どう贔屓目に見ても怪しさ全開だ。推理かホラーの小説なんかに出てきそうだが、そういう怖い展開は起こらないで欲しい。


皆をかばんから出して整地のための作業を開始する。邪魔な木は引っこ抜いて一箇所に集める。皆が手分けして木の枝を落とし、それをアイラが薪にできるサイズに切る。


引っこ抜く時に力任せだとすごいことになるので土魔法で地面を柔らかくして抜く。それでも俺たちぐらいの力が無ければとてもじゃないけど引き抜けるものじゃない。抜いた後はまた土魔法でならして固めておく。魔法まじで便利。


その作業を繰り返して家を置くのに十分な立地を確保した。ちょっと木を抜きすぎた気がしないでもないけどまあいいだろう。周り中森だし土砂崩れとかがあるところでもない。


バックから家を取り出して設置する。倒れないようにこれまた土魔法で補強。俺の魔力で補強をかけているのでセメントより硬くなっている。これで崩れたりすることは無いだろう。


ちょっと困ったのが下水の処理だ。今までは配水管が町に流れる下水に直結しており、そこを勝手に流れていってくれたのだが、これからはそうはいかない。配水管は外向きについているので外に垂れ流すことになってしまう。急いで土魔法で川までの道を掘り進めた。

川はそこまで遠くは無かったが、沈めて固めてを延々と繰り返していく作業はなかなか大変だった。



そういえば未だにこの世界で地震にあったことはないけど地震が無い世界なのだろうか?

家の基礎的にも下水的にも地震でずれる事を考えると怖いものがある。建築はぜんぜんわからないので小さくても地割れなどが起きようものならここに住めなくなってしまう。地震のない世界だと信じるしかないな。

そもそもこの世界俺の世界と同じように惑星なのか?世界の端っこに行ったら落っこちるとかそういうのはないよね・・・?



とりあえず出した家の中をジークに案内した。でかいものが急に出てきたから驚いていたけど俺たちの家(巣)だと説明し、落ち着かせた。家だと伝わらなかった当たり魔物だということを実感させるね。どの部屋が好みか聞いて回ったところ、一番絨毯がふかふかな来客用の部屋を選んだ。寝ることも考えると確かに一番ふさわしいかもしれない。そこをジークの部屋と定め、枕なども置いてやった。邪魔な家具は別の部屋へぽいっ。


「さて、ここを拠点にしてこの森で生活していくわけだけどいくつか君たちに言わなくちゃいけないことがある。俺、アイラ、オリヴィアはそれぞれまあ、ワケありだ。こんな危険地帯まで着いてきてくれたからこそ隠し事はなしで行きたいと思う」


こんな前置きから俺、アイラ、オリヴィアの秘密を語って、あるいみは見せていった。

皆にはどれも驚きの内容だったようだ。俺が別の世界から来たことやアイラの変身などは聞いたことすらない事だったようでより驚かれた。特にアイラが変身を解いた時の反応は面白かった。漫画みたいに口がぽかーんと開いて固まっていたからね。



「色々驚きすぎてお腹いっぱいです。特に種族からしてお話の中でしか聞いた事のない人たちがこうして目の前にいたなんて・・・」


うんうん、と皆で頷いている。


「アイラさんに部族のことを聞いてもはぐらかされる訳ですね。まさか獣人じゃ無かったとは・・・」


「アイラもオリヴィアも人間にほとんど消されてしまった一族だ。この二人と関係を持ったからこそ、俺は差別は望まない。そこは了解して欲しい。得意不得意や見た目の違いがあるだけで人であることは変わらない。神に選別なんてされてないし、いい奴もいれば悪い奴もいる。人間も獣人もエルフも、竜人も魔人も変わらないさ」


「そうですね。ここまで親しくしてもらっておいていまさら魔人だったからと言われても・・・今まで聞いてきた常識の方が間違っていたようです。最初のときは本当に失礼しました」


ザウルもやっと本当の意味でわだかまりをなくしてくれたようだ。しこりにならなくて良かった。


「あのー、前から疑問に思っていたことを一つお聞きしたいんですが・・・」


「どうかした?リディ」


「いえ、ご主人様は神様は選別していないというようなことや神様はいるなどのことを何度か言われていますが、神様から何かお聞きになったことでもあるんですか?」


「いや、特にそういうことは聞いてないけど教会に飾ってあった神様の像の見た目は本物とは似ても似つかなかったし、あとは本人と話した印象かな?悪の道に走らないで欲しいってのが最後の言葉だしねぇ・・・。ってどうかした?」


目が飛び出そうなぐらい見開いて口をぽかーんとあけている。


「い、異世界から来たってのはもしかして・・・」


「ん?ああ。神様の能力ちからだよ?だからその時に会ったんだよ。ってさっき言わなかったか」


「お腹いっぱいだって・・・言ったじゃないですか・・・」


神の存在は俺が思うより重かったらしい。ちゃらい感じの神様だったってことは内緒かな・・・。イメージ壊しそうだし。

別の世界という概念を説明する方に手間取っていたので神の能力で、の部分を話し忘れていた。違う世界っていうのは向こうの世界ではゲームや小説でそういう話がいくらでもあるから説明するまでも無いけど、日々の生活にいっぱいいっぱいで隣の町にもなかなか行けないような世界じゃ想像したことすら無いようだ。


結構真剣に神様のことをきかれたのでイメージを壊さないように答えるのが大変だった。

失敗して俺を移動させたとか、適当な感じだったとか、神様としては新米だったなんてことは内緒にしておこう。


アイラもオリヴィアも他の皆と色々な話をしていた。こんな噂があったけど本当か?とか、王族ってどんな生活だったのか?とか新事実から気になったことを聞かれていた。やっと腹を割って色々話すことができてよかった。悪いことじゃなくても言えないことがあるってのは嫌なものだからね。


ちなみに噂のほとんどは人間族のデマで、戦争の士気上げなどを目的とした情報工作だったようだ。その質問をした何人かはショックを隠せないようだった。自分が信じてきたことが間違いだったというのもそうだし、自国がそんな卑劣な国だったなんてって感じみたいだ。戦争でなのだからある程度は仕方ないと思うけど、それでもやってることは理不尽な侵略でしかないのだから擁護はしたくないね。


思ったより話が長くなってしまったので今日は訓練ができなかった。明日からこの森で生きていくためにトレーニングをするよ!と伝えると皆やる気を見せてくれた。さすがにこんな森の中までついて来るぐらいだ、覚悟は決めていたらしい。また奴隷になった経緯から自身の力がもっとあれば・・・、という思いは多かれ少なかれ持っていたらしく前向きにやってくれそうだ。俺のスキルでがんがんレベルを上げて、森を一人で歩けるぐらいにしたいね!

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