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なんてものを景品にしてるんだ

にゃはは……時が進むの遅れてますねぇ


えと、確か黒色が特等で赤色が一等だったはず……ってマジで?

僕は穴が空くほどトレイの方を見つめる。

そこには依然として二つの色付きの玉が存在している。


「……これはどうなんだ?当たりか?」

「え、ええと……あっ。大当たり!大当たりです!特等と一等が当たりました!」


若い男性スタッフさんも数瞬、我を失っていたようだったけど、ヒルデの言葉でようやく我に帰り、鈴を先ほど三等が当たった人の時より激しく鳴らし当選したことを告げた。


「ええと、景品をお渡ししますので隣のテントまでお願いします」


テントの中ではスタッフさん数人が、段ボール箱なんかの片付けを始めていた。

だが、中には一等なんかの景品がない。


「何分高価な景品ですので警備が万全でないここには置いてないんですよ。今スタッフがお店の方に景品を受け取りに行ってるので少しの間お待ち下さい」


テントの中をキョロキョロと見回して居た僕に気付いた様子でそう言って、そのスタッフさんも表の方に帰っていった。


「ヒルデ、凄いね」

「ふふん、当然だ。まあ何が景品なのかよく分からんが色が描いてあるのと同じだから当たったんだろうと思ってな」


得意そうに胸を張るヒルデ。

暫く待っていると、テントの中に二人の男性が入ってきた。


「おや、貴方は確か……」


僕の方を見てそういう老齢の男性。

よくよく見れば、前に買った魔法鞄の店の店長さんだった。


「お久しぶりです店長さん」

「なんだ、テールズの知り合いか?」


記憶の中から店長を出してそう返すと、店長さんの隣にいたスキンヘッドの男性がそう聞く。


「一度うちの店で魔法鞄を買われたお客様ですよ、ダン。ほら、うちは基本高価な魔法鞄しか売ってないですから年少のお客様は珍しかったので覚えていたのです」

「そうか。で、ここにいるってことはお前がラッキーボーイか?」


ラッキーボーイ、というのはまず間違い無く二つも景品を当てたことに対してだろう。


「初めまして、僕は葉月真尋です。今回福引で引いてくれたのは連れのヒルデですが、当選したことは違いないです」

「おう、俺はダンだ。基本レジャー商品を扱ってる店の店長さ。そうか、そっちのでけえ姐ちゃんが当てたのか。どっちにしてもすっげえ運がいいな」

「僕もそう思いますよ、それでどうして店長さんたちが来たんですか?」


ヒルデは基本対応するのは面倒臭いと思っているのか、挨拶をしたあとは僕の後ろでただ突っ立っている。


「そりゃ、こんな高価な物盗まれたら大変だからな。まあ、モール内にも警備兵はいるし心配は基本ねえんだが念のため俺らが持って来たのさ」


そう言ってダンさんはステータス画面を見せてくる。

そこにあるレベル46という数字に驚いた。


「こう見えて昔は討伐者をやってたんだよ。俺とテールズ、他にも数人いたんだがまあ歳でな。今では引退して店の店長をやってるのさ」

「色々と討伐者時代の伝手がありましたのでこうやって老後も働けているのですよ」


成る程、そう言われたら納得である。


「と、これが景品だ。俺んとこからは最新レジャーセットだな」


とタンカーに積んで来ていたその大きな荷物をドン、と地面に下ろす。


「テントには空間拡張が付与されてるから中はかなり広くなってる。どんな状況でも中を快適に過ごせるよう他にもいろんな耐性が付与されてるぜ。で、勿論ランタンやらコンロ、焚火用品なんかも全て魔道具魔力を注ぐか魔石を入れたら稼働できる。他にも寝袋だとか折り畳みの椅子や机、趣味として遊べる釣竿なんか全て入ってる。どれもうちが品質に自信を持てる最高級品ばかりだから是非使ってくれよな」


う、うん。

一気に喋られて内容は飛ばし飛ばしになったけどかなりの高級品ってことがよく分かった。


「ちなみに店売価格は三百万ってところだな」


ぶっ!?

ちょっと待って、それはヤバイでしょ。


「次は私ですね、と言っても魔法鞄については前に説明させてもらったので今回は景品についての説明だけにさせてもらいましょう」


ええ、すでに頭が混乱してるのでそうしてもらえると助かります。


「こちらの商品ですが、リュック型の鞄に空間拡張を百倍に付与させていただいてます。更に、以前お客様が聞かれた状態保存の付与に、耐炎、耐水、耐朽、耐衝撃などと言った耐性を付けられる限り付与した、今回のイベント用に作られた最高級品となっております。値段は二千万ほどでしょうか」


……もう驚きすぎて何も言い返せないや。


放心してる間に二人は言うだけ言って帰っていった。

手元に残ったのはリュック型の魔法鞄が一つ。

中にはレジャーセットが既に入ってる。


僕達は取りあえず片付けの邪魔になるから外に出て、溜息をつき笑う。


「うん、帰ろっか」


ヒルデに魔法鞄を渡す。

すると、すぐに突き返してきた。


「ん?私は要らんぞ、そんなもの」

「え?」

「私は調理なんてするのは苦手だからな。そっちはマヒロに任せるよ。そっちの魔法鞄だったか?それも私には少し小さいからもし竜の姿に戻った時破れたら嫌であろう。そもそもマヒロのチケットで引いたんだしマヒロが貰えばいいと思うぞ」


そのかわり今度肉を食べさせろ、と言って鞄を僕の手に握らせる。

それに苦笑して、受け取った僕とヒルデは暗がりの中帰路に着いた。




にゃはは……次の投稿は日曜です

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