表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/54

新しい家族が出来たよ



「おっしゃ、七渡し!ほい姉ちゃん」

「ふふ、甘いわねルドル。革命です!」

「げ、マジか!」


僕たちが一日の活動を終えた夜の自由時間、今日はルドルが地球で買ったトランプで遊んでいた。

特に最近はまっているのが大富豪で、外でも僕の戦闘を見ている合間にカードをくる練習をしているらしい。


「あー、負けたー!」

「また私が平民ですね」


僕が先に勝ち越して残り二人で戦っていたがどうやらまたサーシャが勝ったらしい。

二人での勝負になると一気にサーシャは強くなるんだよね。ルドルが弱いのかもしれないけど。


「なんで良いカードあげなきゃいけないんだよー」

「それがルールなんだから仕方ないよ」


ルドルは渋々と僕にジョーカーのカードを渡してくる。

確かにジョーカーを渡すのって嫌だよね。


「あ、そう言えば兄ちゃん」

「何かな?」


スペードのJを出していると、順番を待っているルドルが話しかけて来た。


「今日の帰り道に何か拾ったんだろ?何拾ったんだ?」

「あ、忘れてた」

「何か持ち帰ったのですか?」

「帰る途中に何か落ちてたのを拾ったんだよ。暗くなって来てたからとりあえず魔法鞄(マジックバッグ)に入れて持ち帰って来たんだけどね」


お風呂に入り、美味しい夕食を食べてすっかり存在を忘れてしまっていた。

ルドルも気になるようで、僕が魔法鞄を持ってくると身を乗り出して中を見てくる。


魔法鞄の中に手を入れ、目的のものを取り出した。


「……何それ?」

「何でしょうか?」


ゴン、と大きく重い音を立てて机の上に置いた。

長さ30センチほどの楕円形をしたソレはごろんと横向きにしてようやく安定して止まった。

どこかで見たような形をした、その物体は石のように硬くて、乳白色の所々に浅緑の線が入った模様が描かれている。


「ちょっと待って……え!これ中に何かいるぞ!」

「っ!!」


ルドルが魔眼を使ったんだろう。

普段は隠れている左目が金色に光り輝いている。


というかそれどころじゃない。

これの中に……何かいる?

反射的にルドルが飛び退いたから一緒に後ろに下がったけど、これってもしかして、


「卵?」

「もしかしなくてもそうだろうなあ。あー、マジか」

「ルドル、マヒロお兄さま。さっきの衝撃で殻にヒビが」


サーシャはそう指摘し、ごろんと床に落ちたソレを指差す。

近づいてよく見ると、少しずつパキ、パキと音がなり、綺麗な傷ひとつなかった殻に数センチ程度の亀裂が入っていた。


「ってルドルが騒ぐから割れてるじゃん!」

「ちょちょ、マジかー!なんか割れ目広がってね!?」

「ええっと、取り敢えずタオルを下に敷いて……」


全員があたふたしている間にも卵の殻に入った亀裂がどんどん大きくなっていく。

あ、これもしかしなくてもダメなやつじゃない?


キュイィィ!!


あ、生きてた。


「……何でしょう、この子?」

「姉ちゃん、油断しないほうがいい。こいつかなりの魔力を持ってる」


殻が破れて出て来たのは、10センチほどの小さな頭と、その3倍近くの胴体。

頭には二本の角が本当に短く生えて、全体的に可愛らしい見た目をしている。


「キュ……」

「きゅ?」

「キュイィィ!」


僕たちが三人で囲んでいたからか、尻込みするように一瞬小さく鳴いて後ろに下がったら急に僕に向かって突撃して来た。


「兄ちゃん!」

「大丈夫!」


ルドルが血相を変えて僕にくっついたこの子を離そうとしに来たけど、慌ててそれを制止した。

胸に飛び込んで来たけど、そこから感じたのは震えているこの子だった。

僕は近所の犬みたくお尻を支えて背中をさするようにしてみる。

というかこの子、超柔らかくてすべすべして触り心地が良いなぁ。

しばらく背中をさすっていると、息が安定してきてさっきまでの震えが止まっていた。


「……うん、大丈夫みたいだね」

「兄ちゃんあやし慣れてるなあ。でもいきなりで焦るからそういうことはやめてくれよ」

「あはは、ごめんごめん。で、この子は結局何なんだろうね?」


キュイ?と首をかしげるようにしてこっちを見ている。


僕の【鑑定】が生き物にも使えたらいいのに

あ、でももしかして殻なら行けるのかな


そう思って殻に【鑑定】をかけてみる。

出てきた鑑定結果は、『風竜の抜け殻』。


「この子、風竜だってさ」

「…………え!?いやいやいや、ちょっと待って」

「風竜ですか?なぜこんな所に竜の卵が?」


やっぱり焦るよね。

竜って言ったら地球でもかなり強い魔物だけど、賢いことでも有名だし。

でもやっぱり生まれたては可愛いよね〜。

殻から出てきたのにフワフワだし、毛並みもサラサラして気持ちいいし。


「兄ちゃん、そいつ今すぐ外に放り出したほうがいいかもしれない」

「なんで?」

「そいつの魔力は見た感じとっても穏やかだから危険的な問題はないと思うんだ。ただ、前にオレ達が魔物に襲われたって話はしただろ?」


黙って頷いて先を促す。


「オレ達のいた商隊を襲ってきたのは老成した風竜だったんだよ。普段は魔素の森の奥に潜んで、しかも魔物の中でも知性を持つと言われてる竜が街道でしかも人を襲ってきたんだ。あの時魔力を見たら酷く焦ってるように感じたんだよな」

「ああ、もしかしなくてもこの子を探してたのかな?」

「確証はないけど多分そうだと思う。普段あんな街道で出くわすことは無い魔物だからさ。だとしたら、こんな所に風竜の子がいるってわかったら面倒なことになると思うぜ」

「あ、大丈夫。この家周辺に張ってるバリアなら多分風竜の攻撃でも防げると思うよ」


確か特上バリアって書いてあったし。


「いえ、そういう問題では……って防げるのですか?」

「あー、よく見たら確かに途轍もない魔力だなこりゃ。ちょっとやそっとじゃ壊れそうにない」

「納得してくれたようで何よりだよ」

「でも、ということはその子を家で飼うつもりですか?」

「うん、だめかな?」


前々からペットが欲しかったんだよね。

触り心地も最高だし、懐いてくれてるし、何より可愛いし。


キュ、と頭を撫ででいたら甘えるような声で小さく背をしぼめた。

サーシャにも持たせてみる。


「ほら、可愛いでしょ?」

「うぅ……確かにこれは癖になりそうですね。このつぶらな瞳がまた……」


よし、陥落成功!

あとはルドルだけど……


「ん?別に襲われる心配がないなら良いんじゃないか?狙われたらそん時また考えたらいいだろ」


さよですか。

こうして、僕たちの家にまた家族が一匹?増えた。







ペット、欲しいですよー。

僕は犬派なんですがね、おばあちゃんちで飼っていたチロがまた可愛くて……


Σ(゜д゜lll)そうだ、次の更新は明日の10時です


ブックマークや評価を何卒お願いしますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ