人化と決意
よしまずは何のスキルの巻物か調べるか。つっても予想はつくんだけどな。
この机をどかしてっ……重いなおい。これどうすりゃいいんだよ。
いきなりつまづいたぞ。
「キュイ」
なるほどアイテムボックスか! ありがとカー君。
次にここを念魔法で掘れば……あったー!!!
また宝箱に入ってるようだな。中身はっと……
「あっ! こらカー君! 返せ!」
俺が取り返そうとしたときにはもう手遅れだった。
ピカーーーーッ!
……なんということでしょう! 目の前には金髪で狐のようなケモミミがついた高校生くらいの美少女がいた……全裸で。
「うわわわわっ! だっ、誰だお前?!」
テンパった俺を許してほしい。なんてったって前世では童貞だった男だ、女の子の裸なんて当然見たことなどない。なのにいきなり全裸を、しかもケモミミの美少女のものをみたとなればこうなるのも仕方がないだろう。
「キュイッ、って言えば分かるかな~?」
……やはりカー君か。なら納得だな、うん! 何の問題もない。
騒いですまなかったな、カー君。じゃっ、帰るか……
「って、そんなわけあるかー!!!!!! 説明しろ、カー君! ってか頼むから何か着てくれ! まずそこからだ!」
10分後、何とか落ち着きを取り戻した俺は魔物の毛皮で作ったタオルをカー君にサリーのように巻いてもらい質問を始めた。
「まずカー君は何でスキルの巻物を使えたんだ?」
「この世界では常識だと思うよ~」
「そっ、そうなのか。じゃっ、じゃあ次! 何のスキルだったんだ?」
「マスターも予想してると思うけど、人化のスキルだよ~」
「マスターって……何で人化のスキルってわかったんだ?」
「そりゃあんな書き方されてたらわかるよ~」
「えっ、というかお前文字読めてたの? そんなに賢かったのか……」
「えへへっ! もっと誉めたっていいよ!」
「調子に乗らない! まあいいや、何で人化しようと思ったんだ?」
「何のご飯が食べたいか言いやすくなるからいいな~と思って使っちゃったんだ~。ごめんね~!」
「食欲のためだけに主の欲しいスキルの巻物を無許可で使うのかよ。もうお前が暴食名乗れよ……はあ、もういいや。次は武器だなーっと。一緒にみようぜ!」
「うん!……マスターともっとおしゃべりしたいから人化したなんて言えるわけないよね~」
「ん? なんか言ったか? カー君。」
「ううん、何でもないよ~。それよりどんな武器があるの~、見せて見せて~」
まず、これは……弓? 鑑定!
《ミスリルの弓……とても使いやすく、魔力伝達率もとてもよい》
おお、なかなか!
「カー君、使うか?」
「うん、ありがと~。一生懸命練習して、使いこなせるように頑張るね~」
次は……腕輪が4つ? 鑑定!
《隠蔽の腕輪……鑑定やそれに関係するものをほとんど弾くことができる。また鑑定される時見られるスキルの名を自由に変更できる》
これは助かる。もしダンジョンをでられても、鑑定されて危ないと判断され国単位で襲ってこられたら困るからな。人間はできれば殺したくない。2つは予備にして、俺達は着けておくか。
最後は剣か。どう見ても明らかにやばそうなにおいがプンプンするのだが。鑑定!
《魔食剣 グラトニー……暴食之王専用武器。 形を変えることも可能で……エラー……エラー…〇∞$℃》
《ユニークスキル 『暴食』 を取得しました。》
うわっ! ……スキル入手はうれしいが読みとれねえ。鑑定スキルのレベルがたんねえのか?
まあありがたく使わせてもらおうか。
「ねぇマスター、 これなあに~?」
「ん? 何だ? メモ用紙?」
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山田 龍だ。すまんな、書き忘れてたことがある。
魔王を目指してなきゃこれから書くことは見なくていい。
大罪ってのは力に順番ってもんがある。それについて教えておこう。
1位傲慢のルシファー、2位がこの俺が司ってる暴食のベルゼブブ、3位が忿怒のサタン、4位が嫉妬のレヴィアタン、5位が色欲のアスモデウス、6位が怠惰のベルフェゴール、んで最後が強欲のマモンだ。経験や才能の差がよほどないかぎりタイマンすればこの順番になるはずだ。
大罪の魔王はそれぞれ大罪武器ってのを所持してる。俺のはそこに置いてある武器魔食剣グラトニーだ、かっこいいだろう!
能力は大体3つ(大体ってのは場合によって増えたり減ったりするからだ。)
魔力に関する攻撃は剣が食らって剣の力に変換できる、剣を体に取り込むことで剣が食らって変換された力を自分の力に変える、呪いや祝福を食らえる。大体この3つを使うことになる。
それと暴食の力にはレベルがあるんだ。エクストラスキルは暴食(仮)、ユニークスキルは暴食、オリジナルスキルは暴食の王。
最後に世界に七種類しかないアルティメットスキルがあるんだが……すまんな。俺はオリジナルまでしか使えなかったもんで、まあ許せ!
てな感じで大体は説明できたな。
ではお前の人生?に幸あらんことを!
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なるほど、最後にいいことが知れた。そうと決まれば……
「カー君! ダンジョンクリア、本気で目指すぞ。邪魔する者を全部はねのけられるくらい強くなって……放浪の旅人にでもなろうや」
「マスターが行くならどこにだってお供するよ~」
こうして俺達は本腰をいれてダンジョンクリアに乗り出すことにした。
よし、必要なものはアイテムボックスに突っ込んだしあとはスキル確認だけかな。
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名前 :なし
種族 :大食いスライム……たくさん食べるスライム。食べれば食べるほどおなかがすく。進化しやすい。
状態 :通常
Lv :25/25
HP :220/220
MP :100/100
攻撃 :80(革命時 160)
スピード :90
{通常スキル} 鑑定 :Lv5、闇魔法 :Lv10、ファイヤボール :Lv2、アイテムボックス、こんしんの一撃、ステータス一覧、突進 :Lv7、付与魔法 :Lv5、アルス言語理解、料理(笑)
{エクストラスキル}気配察知 :Lv7、威圧 :Lv3、念魔法 :Lv4 、MP自動回復 :Lv2、テイム
{ユニークスキル} 暴食、死毒 :Lv6、金剛硬化 :Lv2
{耐性スキル} 物理無効、全属性無効、睡眠無効、睡眠回復、毒無効、飢餓無効
{種族スキル}分裂 :Lv1、小型化
{称号} 世界を越えし者……成長補正、進化補正
引きこもり……睡眠無効、睡眠回復を得る
反??……封印されています
人型モンスターキラー……人型の魔物に対する攻撃補正
革命……格上の相手と戦うとき攻撃力が2倍
????……封印されています
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おうふ、称号に?の奴が増えてやがる……
まっ、まあいい。いい加減進化して一気にダンジョン攻略を終わらせよう。
会話文は間を開けないことにしました