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スライム君のダンジョン戦記?  作者: 初心猫田
52/52

閑話2中編~化け物染みた兄

遅くなり申し訳ありません

ちょっと長めです

「ただいま~」


輝夜さんと別れたあと、恋歌に頼まれていた買い物を近所のスーパーですませ、僕は家にたどり着いた。


「おかえり。頼んでたもの、ちゃんと全部買ってきてくれた?」

「うん。はいこれ」

「卵に鶏肉に玉ねぎに……うん、全部あるね。ありがと、兄さん」

「気にしないで。それより恋歌、今日友達と話してたら兄弟がどうこう、って話になったんだけどさ」


よし、ここからが正念場だ!

話していた相手が輝夜さんだということについては伏せたまま、僕は話を始める。

何でそんなことするのかって?

よくぞ聞いてくれました!(聞いてねえとか言わないで……)

それにはふか~い訳があるんです、はい。


というのも以前夕食中に、話題の1つとして 『仲良くさせて貰っているとっても可愛い女の子がいるんだ! どう? 僕だって友達ぐらいつくれるんだよ』 的な感じに恋歌に自慢気に語ったところ、笑い事じゃすまないレベルの恐ろしい返答が返ってきたのだ……

と、そんなわけで夕食時の再現ドラマをどうぞ!!

はい、ほわわわわわ~ん…………




~とある日の望月家の夕食時~


モグモグムシャムシャ

『うん、我ながらなかなかの出来栄えだ。あっ! そうそう恋歌、ちょっと聞いてよ!』

『ん? なに、兄さん。もしかしてまた、ボッチライフならではの面白おかしい笑い話をしてくれるのかな?』

『面白……おかしい……ボッチライフ……!? ひどいよ恋歌! 僕がいつそんな話をしたっていうんだよ!』

『ん~? 一時間目に隣の子が落とした消しゴムを拾ったは良いものの、それからどう返すか悩みに悩んだ末、結局帰りのホームルームの時に舌を噛みまくりながらなんとか返した話とか?』

『ぐっ……なぜそれを!』

『小学校の同窓会をすると聞いて、密かに楽しみにしてたら、完全に忘れられてて、いつのまにか終わってたとか?』

『ぐはっ……!』

『しかもその同窓会、学年単位で話が動いてて、忘れられてた兄さん以外は全員集まったらしいとか?』

『さらにさらに……』

『もうやめておくれやすでござりまするよっ!!』

『ふふふ、兄さんって追い詰めたら偶に謎の語尾でるよね』

『追い詰めるって……僕で遊ばないでよ! てか、何で周りには優しいのに僕にはいつもドS対応なのさ!』

『ごめんごめん、からかいすぎたね』

『ほんとだよ、全く! もう少し兄には誠意を持ってだねぇ』

『えっ? 聖夜お兄様に誠意を持って接しない時なんてなかったよ? というかまず、兄に誠意を持たない妹がこの世にいるわけないでしょ?』

『謎の理論を世の中の全妹に当てはめやがりましたよこの子! そしてまさかの兄と認められてなかった説浮上?!』

『ソンナコトナイコトモナイヨ?』

『何故に片言?! そして目をそらす?! というかナイコトモナイって、よく考えたらやっぱり認められてなかったッ!!』

『兄さんうるさい、テンション高すぎ』

『えっ………? ご、ごめんなさい……(何で僕が謝ってるんだろう?)』

『まあ兄さんの冗談に乗るのはこれくらいにしといて。で? 何が聞いてほしかったの?』

『散々馬鹿にされたあげく、さらっと僕のせいにされた……! まっ、まあいいや。僕クラスに友達ができたんだよ!』

『インポッジビレ……!』

『イタリア語?! 友達ができたって報告するだけで、母国語が出るほどに驚かせる僕って……』

『ご、ごめんね……。流石に驚きが強すぎて……。でも良かったじゃない、私も嬉しいよ! それでそれで?』

『あ、うん。それにね、仲良くさせて貰っているとっても可愛い女の子だっているんだ! どう? 兄さんに頼らなくったって僕だって友達くらいつくれるんだよ』




ガタガタッ、ガタッ!!!!!!!!!!!




『ちょっ! どうしたの恋歌! 急に立ち上がって。顔真っ青だし、目のハイライトも消えててめっちゃ怖いよっ?!』

『ぶつぶつぶつぶつ………』

『えっ? なっ、なんて言ってるの?』

『兄さんに……』

『?』

『兄さんに女(・)性(・)の(・)友(・)達(・)?!

フッ……笑わせないでよ、兄さんが聖夜お兄様関連意外で、友達なんかできるわけないじゃない。しかも普通の男友達ならともかく言うに事欠いて美少女だって? ないないないないあり得ない、絶対ないし認めない。仮に、そう仮に、100%起きてはならないことだし、全米がスタンディングオベーションしながら驚愕にうち震えるレベルのことだけど、その話がも(・)し(・)も(・)ほんとだと言うのなら場合によってはこの世から……………………………ふふっ。

もぐっ! あ~、美味しかった! 兄さんが作る料理ってやっぱり美味しいね。私も兄さんに追い付けるように頑張ろ~っと! それじゃあ私、先にお風呂いただくね~(キー、バタン)』

『…………………………。いやいやいや、ちょいちょいちょい!! この世から何?! 何されちゃうのー!?』






以上である。

この後は、何事もなかったかのように風呂から出てきたので、今では気にしないようにしているが、家では女友達という言葉はタブーとなった。

多分、僕ごときが女友達をつくるなんておこがましいということなのだろう、反省だ。

そしてこの日の出来事で学んだことは、とりあえず 『この世から~』 あたりで僕の方をガン見してたので、余計なことをしたらきっとこの世からなんかされちゃうのは僕なのだろう、という事と、恋歌ってけっこう闇深いな~ってことである。



まあ、そういうわけで僕は、輝夜さんについてはふれずに話始めた。


「その兄弟が、って話でふと兄さんについて思い出したことがあるんだけどね?」

「ふ~ん、聖夜お兄様のことを、ねぇ? ……なにそれ詳しく」


うっわ、めっちゃ食いついてきたよこの子。

目、ちょっと血走ってるし……


「兄さんって昔はあんなじゃなかったらしいんだよ。もっと普通の子って感じで」

「えっ、そうなの……? あれだけ神がかった魔法のような力を持ってるのに?」


神がかった魔法のような力……?

圧倒的な対話力(物理)とかじゃなくて?

僕こそなにそれ詳しく、なんだけど!


「そうなんだよ。で、そうなった理由って言うのがどうも15年前とある事件に巻き込まれた時、姉さんが亡くなったことがきっかけになったみたいなんだ」

「とある事件? というか聖夜お兄様にお姉さんがいたんだ」


そこ本題じゃないよ恋歌。


「それでどういう事件だったの?」


やっぱり気になるよね。


「君に……聞く覚悟はあるかい?」

「え? なに、そんなやばい話なの? まあ聖夜お兄様の話なら当然覚悟ぐらいあるけどさ」

「そうか…………ほんとにほんと?」

「ほんとほんと」

「まじのま「兄さんしつこい」……ごめん」


じゃあすばり、僕の知ってること全てを教えようじゃないか!


「その事件とは…………!」

「(ごくりっ)……とは…………?」

「実は僕もあんまり知らないで~す、てへっ!」

「………………………………。」




バチンッ!!!!!




「いっつぅぅぅぅ! らんれいきらりむこんで頭叩くろさ(なんでいきなり無言で頭叩くのさ)! 舌かんしゃったじゃにゃいか(舌かんじゃったじゃないか)!」

「いやだって、引っ張りに引っ張ったあげく知らないって。しかもてへっじゃないでしょ、てへっじゃ。普通にいらっときたよ」


そ、それはごもっともです……


「え? ていうかなに、ほんとに知らない感じなの?」

「う、うん」

「実の兄の話なのに?」

「め、面目ない…………。まっまあそういうわけで、その事件ってのがどういうものだったのか詳しく知りたくなったから、いい機会だし久々に父さん達に電話して聞いてみない? というのが僕が言いたかったことなんだよ」

「……相っ変わらず兄さんは遠回しだねぇ~。最初っから聖夜お兄様のことで気になることがあるから電話してー、でいいのに。それじゃあまあ電話するね~!」


よし! うまくいった!

これで確実に電話が繋がるだろう。


こんなにめんどくさいことをしてまで、恋歌に電話をさせたのには、当然わけがある。

理由は簡単で、両親は僕が電話をしても9割方でないからだ。

それには、兄さん亡き今、僕が望月の跡取りだから甘えてはならない、や、兄さんのように親に頼らずとも若いうちから生きていけるようになりなさい、など様々な条件を設けられいるからというのもあるが…………

まあぶっちゃけ恋歌を溺愛しすぎて僕の扱いが雑くなっているため、というのが真相だろう。


いい例がお小遣いだ。

恋歌が1ヶ月五万円(しかも最初は五十万円だったところを恋歌がなんとか交渉して下げさせた)にたいして僕は50円である。

50円ってあんた……

おいしい棒5本買って砕いて1ヶ月分のおやつにしろってことだろうか?


他にもこんなことがあった。


それはあるお正月のこと。

その年に両親は、恋歌にはお年玉を何十万円単位で、僕には落とし玉(鋼鉄製)を何十トン単位で渡してきた。

両親に庭に出て上を見ろと笑顔で言われ、嫌な予感を抱きながらも空を見上げて、上空から半径一メートルほどの大きな鋼鉄の玉が降ってきたのに気づいた時は流石に死ぬかと思った。

なんとか、兄さん直伝の気(・)的なもので、受け止めることには成功したものの、ひどく手を痛めたことはいまだに覚えている。

まあ痛い思いをして受け止めた鋼鉄の玉の中には、あけおめと書かれた紙と何百万円としそうなダイヤの指輪が入っていたからよしとしたが……。

これが、鋼鉄球を命がけで受け止めた僕へのお年玉ということだ、ヤッタネ!

あっ、ちなみに兄さんは僕のやつを軽く3倍は越しているであろう落とし玉(しかもなんかギザギザしてる)を片手で軽く受け止め、手刀で中身をくりぬいて余りを父さんに投げつけてた。

ミサイル直撃してもかすり傷ですむ父さんに、しっかりぶち当てて気絶させてるあたり流石兄さんだ。


話が少々それてしまったが、まあそんな感じで恋歌を溺愛している両親は、恋歌からの電話なら、テロリストと戦闘中だろうと、マフィアを殲滅中だろうと、隣の火山が噴火中だろうと必ずでる。

うん、兄さんのルーツは父さん達で間違いないな!


プル、ガチャ!


『もしもし、恋歌ちゃんかい?! 久しぶりだね、ずっと声が聞きたくて仕方なかったパパだよ~』

『同じく声を聞くためなら国でも相手取る気のママよ~』

「あ、もしもし? パパさんとママさんですか? 私です、恋歌です。元気にしてますか~?」


ワンコールしないうちにでやがった……

僕の時は何十回かけようと出ようとしないくせに……!


『元気元気、もちろん元気さ! ところでどうしたんだい恋歌ちゃん? もしかしておこづかい足りなかったりした?』

「あ、いえいえ十分足りてます!! そうじゃなくて 『クソッ! ジョニーもやられたのかっ!? この化けも、ぐはっ……!!!!(イタリア語)』 あの…………パパさん達もしかして今、忙しかったりします?」


電話口から聞こえてくるうめき声&銃声。

どうやらまた元気にどんぱち殺っ……やっているようだ。


『全然忙しくないわよ~? マフィアとの交渉に失敗しちゃって襲いかかってきたからね、片付けててちょうど今終わったところなのよ~。けど、望月に喧嘩売ろうだなんて笑っちゃうわよね~、ふふっ』


今回はマフィアを殲滅中か……

あと母さん、それはほんと笑えない。


『それで急に電話なんかしてどうしたの? パパ達になにか相談かい?』

「はい、そうなんです。兄さんに代わるので詳しくはそっちで聞いてください」

『ん、おっけ~!』


「ということではい、兄さん。代わるね」


そう言って恋歌は携帯を僕に差し出してきた。

僕はそれを受け取り、久しぶりに話すことへの軽い緊張感をまぎらわすため1つ深呼吸をした後、話しかける。


「父さん、母さん。久しぶり」

『うぃ~っす冷~。久しぶりだな~』

『やっほ~冷ちゃん、元気してた~?』


久々の両親の声を聞き、謎のくすぐったさや、軽い懐かしさのようなものを感じながらも僕は、二人に電話の本題を語った。


「昔兄さん達が巻き込まれたっていう事件について知りたいんだ」









それからしばらく、なぜ突然そんなことを言い出したのか? や それを知ってどうするのか? といった理由について伝え、話し終えた。


『ふ~ん、そういうことねぇ~』


声音を聞くかぎり納得してくれたようだ。

僕はひと安心する。



ーーーーいや、ひと安心し(・)て(・)し(・)ま(・)っ(・)た(・)。

決して一筋縄でいくような人達ではないというのに……





『それにしてもそっか、あの時のことについて聞きたいか~。うん! じゃああの子達に聞いたらいいよ、この前帰国するってそれぞれ連絡が入ってたし』

「教えてくれるんだ、ありが…………ん?」


あの子達……?

なんだろ、そこはかとなく嫌な予感がする……


「父さん、あの子達ってもしかして……」

『そう! お察しの通り、』


ストップ! それ以上は聞きたくーーーー




『鏡華(鮮血夜叉)ちゃんと由良(調停者)ちゃんだよ~』




ーーーーなかったよ父さん。


僕の目の前は真っ暗になった……




勉強が忙しすぎです、はい

言い訳ですごめんなさい

次に後編を書いた後、過去編にはいります

過去編にはいるまで茶番が長い、とかの突っ込みはスルーでお願いします( ノ;_ _)ノ

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[一言] 面白かったです!続き楽しみにしています。
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